水泳肩【スポーツ障害 肩の痛み インピンジメント症候群】

はじめに

小川鍼灸整骨院のブログです。

水泳肩とは、スイマーズショルダーと呼ばれる肩関節のスポーツ障害です。

 

クロールやバタフライ、背泳などストロークの繰り返し動作で、肩関節の腱板などの軟部組織に炎症や断裂が生じる疾患です。

 

原因

水泳は他の競技と比べて外傷が少ないものの、推進力の大半を上肢によって得ているため、肩を障害しやすいスポーツです。

 

クロールやバタフライ、背泳は腕の連続的なストローク運動中で肩関節が内旋・内転し、棘上筋腱、上腕二頭筋長頭腱が上腕骨頭上で伸展されます。

これら腱には血流が悪い領域があるため元々変性しやすい上に、上記動きによる伸展動作でよって更に損傷しやすくなります。

 

また、このようなストローク運動ではこれら2つの腱が烏口肩峰弓への慢性的な機械刺激によって、インピンジメント症候群を発生しやすくなります。

つまり、overuseによる肩のインピンジメント症候群が水泳肩の原因と言えます。

 

症状

水泳競技は他のスポーツに比べて選手の年齢層が低いため、体の発育期で練習を始め、6-8年の専門的トレーニングが続けられる傾向があります。

そのため、水泳肩の発生頻度は11-14歳で最も高くなり、さらに女子選手に多く見られます。

水泳肩の症状は水泳時(ストローク)中の違和感から始まり、進行すると肩に痛みが生じ、やがて、安静時にも痛みが生じます。

この痛みは特に2つの腱の損傷が関係しています

 

棘上筋腱に損傷がある場合の特徴

肩(上腕骨大結節)に圧痛が出たり、肩関節外転(60-120°)で痛みが出たりします。

 

上腕二頭筋長頭腱に損傷がある場合の特徴

上腕二頭筋長頭腱に沿って圧痛が出たり、肩関節の屈曲時に抵抗を加えると痛みが出たりします。

 

治療

水泳の多くは保存療法により症状の改善が見られます。

まずは、肩関節の安静が重要で有り、程度に寄りますがトレーニングの休止が必要になります。

 

場合によっては、痛みを感じない泳法にでトレーニング、キック主体の練習、練習量の減少などを行う時もあります。

また、練習後はアイシングを行います。

インピンジメントを減らす目的でフォームの変更も時に必要です。

 

当院の治療

当院では問診や検査から泳法やボディーバランスを確認し、適切な筋力トレーニングの指導やストレッチを行っています。

肩関節の安定性を改善し、インピンジメントを防ぐ為にも外旋筋群のトレーニングと可動域改善を図り、柔軟性を高めるストレッチは重要です。

 

おわりに

肩傷害は水泳における障害の中でも頻度が高く、水泳選手では高頻度に認められます。

泳いでいると肩に違和感がある・痛みがある、とお悩みの方はお近くの専門家へご相談ください。

 

 

当院は大阪市の平野区生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。

 

大阪市 平野区 加美北 1-1-11

06-6755-6751

 

参考文献

1)高橋 舞子:高校生水泳選手における肩傷害調査.理学療法学Supplement,vol.29. No2,p309,2002 .

 

2)望月 由:水泳肩.最新整形外科学大系,23巻, 4章スポーツによる肩・上腕の障害,中川書店,p140-145,1999

 

3)赤嶺 卓哉:大学生水泳選手の肩関節障害について.整形外科と災害外科,vol.40. p 1036-1038,1992 .

 

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小川 貴司(おがわ たかし)

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