腰に関する主な疾患名
腰椎椎間板症ようついついかんばんしょう
病態:椎間板とは骨と骨の間にある軟骨のことです。常に重力の負荷にさらされていますので、若いうちから変性が始まり、それが原因で痛みがでることがあります。
症状:動き始めに痛みを感じることがあり、特に前屈動作で痛みます。痛みは腰やおしり、時には太もものほうまでだるい痛みを感じます。
急性腰痛症【ぎっくり腰】きゅうせいようつうしょう
病態:原因はよくわかっていません。椎間関節という関節に軟部組織が挟まって痛みが出るとか、筋肉を包む筋膜という組織が癒着して痛みが出るとかいわれています。
症状:動き始めの急激な痛みが特徴です。立てなくなるほどの痛みを感じます。おしりや太ももへの痛みは通常ありません。
椎間板ヘルニアつかんばんへるにあ
病態:椎間板はバームクーヘンのような構造をしており、真ん中には髄核という流動性の組織があります。バームクーヘンに相当するのは繊維輪と呼ばれる組織です。繊維輪は経年劣化のために放射状に亀裂が入り、その亀裂を伝って髄核が外に飛び出てしまいます。この飛び出した状態のことをヘルニアといいます。
症状:飛び出た髄核は下肢へ行く神経を圧迫しますので、おしりから太ももにかけて神経痛が出現します。この神経痛がいわゆる坐骨神経痛です。
腰椎分離症よつういぶんりしょう
病態:15歳ぐらいまでの間に発症します。激しいスポーツ活動の中で、腰骨の一部(上関節突起と椎弓の間)が疲労骨折を起こして離れてしまう状態です。
症状:特徴的なのは腰を回旋させた時の痛みです。その他は様々な腰の痛みが現れます。
変形性腰椎症へんけいせいようついしょう
病態:上の腰骨と下の腰骨は椎間板と左右の椎間関節で連結しています。椎間板が変性してくる(へしゃげてくる)と、左右の椎間関節にもひずみがきます。関節は変性するとぐらつきが生じて、それを防ぐために周辺が増殖してしまいます。この増えた部分を骨棘(こつきょく)といいます。レントゲンではこの骨棘の状態から変形の程度を判断します。腰痛の原因が何なのかは明確になっていませんが、椎間板と椎間関節の変性が痛みと大きく関係していると基本的に考えられます。
症状:特徴的な痛みは動き始めに鋭い痛みがあり、動いているうちに痛みが小さくなることです。また同じ姿勢を続けることで重くだるい痛みを感じることがあります。骨棘が坐骨神経を圧迫すると、坐骨神経痛が出現します。
腰部脊柱管狭窄症ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう
病態:一つひとつの腰椎には、脊柱管という脊髄が通る空間があります。何らかの理由でこの空間が小さくなって中を通っている神経(脊髄の終りの方)が圧迫された状態が腰部脊柱管狭窄症です。
症状:脊髄の終りの方を馬尾神経といいますが、この部分が圧迫を受けると、足へ行く神経と膀胱と直腸へ行く神経が障害を受けます。足へ行く神経が障害されると、長い距離を歩けなくなります(間欠性跛行)。また乏尿や頻尿・便秘になることがあります。もちろん、これに加えて腰痛や坐骨神経痛が現れる事もあります。
坐骨神経痛ざこつしんけいつう
病態:脊髄から枝分かれした神経が脊椎の変形によって圧迫されることによって生じる神経痛。
症状:おしりから太もも、ふくらはぎの外側に重くだるい痛みを感じます。痛みは時に激烈な痛みとして感じることもあります。
圧迫骨折あっぱくこっせつ
病態:骨粗しょう症を患う人が、転倒した際に尻もちをつくようにおしりを強打すると、その衝撃が11番目・12番目の胸椎や1・2番目の腰痛に伝わり、それらの背骨がつぶれてしまいます。これが圧迫骨折です。
症状:尻もちをつくようなかたちの転倒の後に、腰に激しい痛みを感じます。痛みは動き始めの痛み、歩行時はもちろんどのような姿勢でも痛みを感じます。最近は「いつのまにか骨折」といわれるように、転倒がなくとも徐々に圧迫骨折が進む場合もあります。この場合、大きな痛みはありません。
上記以外の腰痛
病態:内臓疾患の痛みが腰や背中に出てくることがあります。
症状:痛みは動きに関係なく起こり、安静時にも痛みを感じます。このような場合は精密検査が必要になります。
腰の痛みがかなり小さくなっています
大阪市平野区 | 50代男性