はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。今回は、医師によってギプス固定を勧められたけれども、それを断って来院された患者さんについて報告します。
この患者さんは、ギプスを巻かずに足首の骨折を治療しました。
どんな骨折でもギプスなしというわけにはいきませんが、最近はできるだけギプスをまかない傾向にあります。
当院では、整形外科医との連携の元に、できるだけギプスを巻きたくないという患者さんの要望にお答えするようにしています。
小川鍼灸整骨院は大阪市の平野区と生野区にまたがる加美北・南巽地域でおすすめの整骨院、あなたにいちばん近くの整骨院を目指しています。
患者さんについて
80歳女性のYさん。南巽交差点付近で転倒した際に足首を捻って受傷されました。近くの病院でレントゲンを撮った結果、腓骨という外くるぶしの先の方で骨折が確認されました。
「この程度の痛みでなんでギプスせなあかんの?ギプスなんか巻いたらどこも行かれヘンやン、そっちのほうが病気になるわ」というのがYさんの言い分です。
問診と診立て
初診時、Yさんの足首はしっかりと腫れていました。しかし、足を引きずりながら歩いておられるのです。初診時にはレントゲンはありませんでしたので、「骨折してたらギプスを巻いた方がいいですよ、」と説明しました。
この部分の骨折がしっかりとつかず、足首が不安定になってしまうと、少しのことで捻挫を繰り返してしまうことになってしまうからです。
しかし、Yさんは、「そんなん巻かれたら生活できないやんか」と少し起こり気味で話しました。
もちろん、その通りでもありますので、Yさんの承諾のもとにギプスを巻かずに治療を行いました。
施術と結果
とりあえず、腫れと浮腫みがあったために、ローズマリーカンファーという精油を用いたオイルマッサージを行ないました。これに加えて弾力包帯による固定も行ないました。
Yさんは「ギプスはイヤ」というのですが、それは足を引きずりながらでも歩けるからなんですね。Yさんの希望に応えて、できる限り歩行を許可しました。
このブログを書いている時点で受傷後1ヵ月ほどです。Yさんは「調子の悪い時もある」と言いながらも問題なく日常生活をこなしておられます。腫れもかなり引きました。なにより、ギプスを巻くことなく今の状態にまで回復されたことに非常に満足されております。
なぜよくなったのか
この部分の骨の構造は、靭帯の引っ張る力に耐えられるような構造になっています。しかし、年齢から骨がもろくなっていたのでしょう。レントゲン画像のように先っぽのほうで少しだけ折れていました。
Yさんの事例では、「骨折なのにギプスなしで治療して大丈夫なの?」という問題がありますね。
Yさんはご高齢であること、骨折が腓骨下端であること、既に歩行出来ることなどから、ギプスなしで大丈夫と判断しました。最も大きな理由は、活動性が高くないということなんですね。
「自転車はもうやめようかな、家族からも止められてるし、ちょっと自信もなかってん、向こうから人が来たらさっと自転車下りるねん(笑)」
と陽気に話すYさん、私も自転車をやめて歩くことをお勧めしました。歩くことで下肢の筋力も鍛えられますもの。
今回のYさんはギプスなしで治療できましたが、ギプスをした方がよい骨折の方が実際には多いです。しかし、治療は可能な限り患者さんの要望に沿って行われるべきですね。
当院では、整形外科医との連携の元に、できるだけギプスを巻きたくないという患者さんの要望にお答えするようにしています。
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
↓↓↓
おわりに
大阪市の平野区、生野区界隈で骨折の治療方法でお困り、お悩みの方は是非とも当院にご相談下さい。
院長の小川は7年の整形外科勤務を経て開業、今年で20年になります。理論的に可能な範囲で患者様の希望に寄り添った治療を目指しています。病院で撮ったレントゲン画像がありましたらどうぞご持参ください。
当院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。
※プライバシー保護の観点から事例につきましては、内容の構造を保ちながら年齢や性別、職業などを加工しています。
参考文献
高田敏也:脛骨,腓骨下端部の骨梁構造に関する研究.岡山医学会雑誌92 巻 7-8 号 p. 879-895,1980.