はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
今回は、「慢性疼痛に対する認知行動療法のエビデンスと将来への展望について」という論文を紹介します。そこから、肩こりや腰痛の根本解決を考えます。
肩こりや腰痛で困っている患者さんにとって、その原因は身体の中にあると考えられがちです。でも、根本解決するためには身体だけではダメなんです。
今回取り上げる論文は、そんなことが理解できる論文です。小川鍼灸整骨院では心に対する対応を「認知行動療法的なかかわり」と呼んでいますがこのかかわりは、筋膜リリースや整体、はり治療を行う際の患者さんとのかかわりの中に織り込まれています。
内容は以下の通りです。
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・おわりに
・参考文献
また当院では、
無料相談を受け付けています。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南東、平野区と生野区の境目、南巽・加美北地区、南巽駅近くにある鍼灸・整骨院です。地域で一番おすすめの整骨院、日本で一番身近な整骨院を目指しています。
内容
筆者はこの論文の中で、①認知行動療法が効果的とされるこれまでの研究成果と②筆者が行なってきた治療の方法、それらが③脳科学的にどのように説明できるのかを解説しています。
①認知行動療法が効果的とされるこれまでの研究成果
治療効果を調査した質の高い研究は、その後さらに大きな研究へとまとめられます。これをメタ分析(システマティックレビュー)といいます。この分析論文が最も科学的な信憑性が高い論文として現在では評価されているのです。
認知行動療法の治療効果をまとめたメタ解析は2010年から2016年までの間に4つの研究がありそれぞれは認知行動療法の、
・腰痛に対する効果、
・慢性疼痛(6ヵ月以上続く痛み)に対する効果(2件)
・身体表現性障害(検査をしても異常がない痛み)に対する効果
を実証したとなっています。
(詳細は最下段のURLの論文よりご確認ください)。
また認知行動療法の対象となる患者の「痛みに悪影響を及ぼす認知や行動」についてこの論文では以下の通り示しています。
②筆者が行なってきた治療の方法
筆者らは患者3~4人とともにグループで認知行動療法を行なっています。
プログラムは12回のセッション(週に1回各90分)であり、セッションの目的は痛みや心理的な疲労を減らすこと、痛みに悪影響を及ぼす認知や思考、行動を減らして別の新しい適応的な認知や行動を増やすことによって身体の痛みやストレスを小さくすることと記述されています。認知行動療法の特徴として、宿題があります。例えば痛み日記のようなものです。このような治療では、痛みや気分、破局的思考、生活の質の改善が効果として確認されているとのことです。
③脳科学的にどのように説明できるのか
最近の脳の画像解析技術の発展から、少ないながらも認知行動療法がどのように脳に影響を与えるのかが報告されています。
筆者の研究の結果では、眼窩前頭前皮質の活動が高まると痛みの改善が小さくなることがわかりました。また、後部帯状皮質の活動が低下しているほど、治療反応が良好だったということです。
つまり、眼窩前頭前皮質は痛み感覚の認知的処理に重要で、後部帯状皮質は認知行動療法の効果が出るかどうかを知るための因子として重要な領域であることがわかったということです。
当院の見解
最近の心理療法は非常に科学的な分析が行なわれています。「心」は非常に曖昧な概念ですが、刺激の後の行動を定量化して分析したり、痛みや感情と関係する脳の領域の活動性を、MRIを用いて計測したりすることでかなりのことがわかってきました。
痛みの治療における昨今の考え方は、痛みは器質的な問題(身体的な問題)だけではなく、
・患者さんをとりまく社会的な問題
・患者さん個人の性格
・患者さんの痛みのとらえ方
などが症状と関係しているといわれています。
これらのことは、肩こりや腰痛にも言えることです。
そんなの一部の人だけじゃないの?私はそう言うのじゃなくって筋肉が凝り固まって痛みが出てるから、いいから揉んでくれたら楽になるの!だからそうして!
という人が本当に多いです。
確かに、一時的なリラクゼーションとしての身体への施術は、筋肉の血流も良くなり、爽快感と共に症状の改善がえられます。
しかし、それだけでよいのでしょうか?
もしそれだけで良いのならば、その人は一生、肩こりや腰痛を繰り返して行かなければなりません。根本解決にはならないですね。
少し話は横道にそれるようですが、同じ仕事をしていても全く肩こりを感じないという人もいますし、なんらな何もしていないのに肩こりを感じるという人もいます。
これらの人たちの違いは何にあるのでしょうか?
私が考えるのは考え方や意識、または身体に対する認知の違いです。
上記にあるように身体に対する認知が影響している場合が多いと考えます。
破局的な思考や脅威的思考、自己や他者に対する否定的な思考などは精神疾患と判断される手前のレベルで誰にでもあり得ることだと思うのです。
自己効力感の低下や痛みばかりに注意が向いてしまう選択的注意は、肩こりや腰痛を訴える患者さんに非常に多いように感じられます。また、効かないけれどもロキソニンなどの薬を常時服用していたり、多くの病院を渡り歩いていたりすることもよく伺います。
これらの気分や行動に気付き、自分で自分の感情と共に痛みをコントロールできるようになれば、これは肩こりや腰痛を根本解決させるということになるのではないでしょうか。
小川鍼灸整骨院ではあなたの腰痛、肩こりを根本解決するために、身体だけではなく、それ以外の様々ことに目を向けて治療を行ないます。そのためのかかわりを当院では「認知行動療法的なかかわり」と表現しています。
西
ど
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
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おわりに
大阪市の平野区、生野区・南巽界隈で、頑固な肩こりにお困りの方はどうぞ小川鍼灸整骨院にご相談ください。
はり・筋膜リリース・整体と同時に認知行動療法を施術に応用していています。
当院は大阪市の平野区と生野区の境目にある加美北地区、地下鉄(大阪メトロ)千日前線南巽駅1番出口から徒歩1分のところにある整骨院です。北巽駅ではなく南巽駅ですのでどうぞお間違えなくご来院ください。
当院の患者さんは、平野区、生野区、東住吉区、城東区、それに周辺の八尾市、東大阪市渋川町、寿町、衣摺などから来院されています。
参考文献
吉野敦雄他):慢性疼痛に対する認知行動療法のエビデンスと将来への展望について. PAIN RESEARCH, 32, pp260–266 ,2017.