先日、お久しぶりの患者さんが来院されました。
50歳 男性、アクセサリーデザイナーのGさんです。
休日に自転車で転倒して、手をついたとのことです。
なんとその時は指があり得ない方向に向いていたので、自分で指の方向を直したそうです。
その後直ぐに開いている整骨院に行くと、「捻挫ですね。整復しましょう」と言われて
ゴキゴキゴキ‼
とされたそうです。
なんとなくその整骨院へは足が遠のき、痛みも取れてきたが、困ったことに親指に力が入らない。
このことに気付いたGさんは整形外科へ行ったそうですが説明もなくただ電気を当てるだけ。
これは本当にまずいとなって当院に来院されました。
もう半年も前のことだそうです。
僕の診立ては次の通りです。
「Gさんの指は脱臼していましたね。靭帯も断裂してしまっています。傷ついた靭帯が治ってしまうまでには4週間かかります。つまりこういうその間にしっかりと固定する必要がありましたね。残念ですが、この指は手術が必要です。病院を紹介しましょう。」
Gさんは病院を受診した後に結局、手術しませんでした。
理由は腱の移植が必要で大きな手術になることと、手術をしてもちゃんと動くようになるかどうかわからないと医師から言われたためです。
指に力が入らないけどこのままやりすごすと決心されました。写真のような状態では力は入りません。
でも最後に、
「先生に見てもらってよかった。でないと、何がどうなっているのか全然わからんもん。」
と言ってもらえました。
治せない時もあります。
でも、患者さんに説明して納得頂くことは治療者の重要な仕事の一つなのです。