論文紹介:腰痛予防に役立つ知識【腰痛 平野区 加美 小川鍼灸整骨院】

はじめに

 

 

小川鍼灸整骨院のブログです。今回は、第30回日本保健福祉学会学術集会で講演されました内容が論文化されました、「腰痛予防に役立つ運動と知識」という論文を紹介いたします。

この論文には、腰痛は身体の問題だけではなく、患者さんの主観や生活背景にも関係して、単純に身体の問題だけを解決しても良くならない、言い換えれば整形外科の治療だけでは良くならないことがわかりやすく書かれていると思います。だから今回はこの論文をえらびました。小川鍼灸整骨院でも患者さんにしっかりと説明させて頂いている内容です。

 

 

執筆担当は小川です

http://www.korikori.com/staff/

 

 

小川鍼灸整骨院は大阪市の平野区と生野区の境目、加美北地区にあります。最寄りの駅は地下鉄千日前線南巽駅です。①出口を上がると徒歩1分ほどで着きます。

 

 

内容

 

広義の腰痛予防とは100%腰痛を治すということではなく「腰痛が存在しても仕事を休まず勤務でき、生活に困らないレベルに管理し、連続4日以上休むような腰痛にしないこと」と本文には書かれています。

 

・怖い腰痛、怖くない腰痛を知る

腰痛でも見逃してはならない腰痛はレッドフラッグと呼ばれ、全体の15%とされている。その他85%の腰痛はグリーンライトと呼ばれて、自然に治っていく。しかし、その中でも不必要な安静や長期の活動性低下や長期に仕事を休むことで慢性腰痛に移行することが知られており、これらの腰痛はイエローフラッグと呼ばれる。腰痛には上記の3種類があるが、医療者が患者に対して過度の安静を指導したり、過剰な説明をしたりすると患者がおびえてしまい、イエローフラッグに陥ることがある。

 

・痛みを理解する

国際疼痛学会では人が感じる痛みを、「「痛み」は実質的また は潜在的な組織損傷に結びつく,あるいはこのような損傷を表わす言葉を使って述べられる不快な 感覚・情動体験である」と定義している。

 

このことは、痛みとは単に身体に問題があるだけではなく、痛みから始まる思考や不安、イヤな経験なども痛みに含まれるということになる。わかりやすい表現として筆者は「指先に擦り傷があった場合、傷を直視していると痛みを感じるが、好きな人と楽しい会話をしたり、趣味を楽しんだり、運動に夢中になったり、仕事に没頭している際は、指先の擦り傷の痛みをあまり感じない。逆に悲しいことや,社会的疎外感、怒りや憎しみの感情が出ているときは、指先の擦り傷の痛みはとても痛いと感じることがある」と表現している。

 

このような痛みは、具体的に①感覚的側面と②認知的側面、③情緒的側面に分けて考える事ができる。

 

①感覚的側面は、筋肉の痛みは血流障害や不良姿勢や生活の動きの中で感じることは十分にあるということ、

 

②認知的側面は、画像によってヘルニアや変形による骨棘(こつきょく)などが確認されると、患者自身が「自分は腰痛持ちだ」と思い込んでしまうことがあるということ。

 

③情緒的側面は、痛みによる恐怖体験(痛みで動けなくなったなど)や怒りや憎しみ、悲しみなどの感情が痛みを大きく感じさせるということ

 

が、最近の脳科学研究や生理学的研究によって明らかにされている。

 

 

 

腰痛予防のためには

腰痛予防に必要なことは正しい知識の教育である。腰痛は単に身体の問題ではなく、様々な要因が絡まって起こる主観的な問題である。このことから2012年の腰痛診療ガイドラインでは認知行動療法と運動療法が推奨されており、薬物療法においては抗うつ薬や抗不安薬、オピオイドなど、脳に作用する薬が推奨されている。

 

 

また、腰痛予防には運動が良いとされているために、身体を動かすことで楽になるということを自分に身体に教え込む必要がある。

 

・ストレスマネジメント

腰痛の新規発症と遷延化には心理社会的要因が潜んでいることが多く,腰痛予防対策にはストレスマネジメントも必要である。

 

腰痛に対しては運動を通して行なうのがよい。ストレスの種類によって適切な運動が異なってくる。

 

 

当院の見解

 

 

この論文は最近の腰痛に関する常識をうまく表現してくれていると思いました。また、当院に来院される患者さんの状況をわかりやすく説明してくれていると思いました。小川鍼灸整骨院では時にこの論文を患者さんにお渡しして自分の腰痛について振り返って頂くようにもしています。

 

しかし、なかなか問題は簡単ではありません。10年以上腰痛で苦しんできた患者さんが1編の論文よ読むだけで腰痛から解放されるなんて、なかなか難しいと思われます。ここは、「・痛みを理解する」の中で説明されている要因が大きく関係していると思われます。

 

自分の腰痛がストレスや感情と直結しているためであることを受け入れるという作業は、一般的には難しいのでしょうね。例えば慢性疼痛に対して認知行動療法的なアプローチが有用とされていますが、そのプログラムが週に1回を12回行なわれることがあります。そのような期間をかけて、自分の腰痛について「内側から」少しずつ理解することで、腰痛から完全に解放されるのだと考えます。

ここで書かれた内容は腰痛についてですが、同じことは首の痛みや肩こり、膝関節、股関節の痛みを訴える患者さんにもよく見受けられる傾向です。

 

小川鍼灸整骨院では上記のような患者さんに対して、身体の痛みに対して筋膜リリースや整体、はり治療を行ないながら、認知行動療法的なかかわりを通して治療を行なっております。

 

 

 

老化による関節の変性を完全に治すことはなかなか難しいです。厳密には若返りが必要になるからです。

 

しかし、多少の痛みがあったとしても、「これぐらいならぜんぜん大丈夫、全く問題ない」と思って頂けることは十分にできます。

 

自分の痛みを上記のように解釈できて、自分でコントロールできるようになることが根本的な治療であると当院は考えています。

 

おわりに

 

 

大阪市の平野区、加美北地区、生野区界隈でどこに行っても良くならない腰痛などの慢性の痛みでお悩みの方は是非とも小川鍼灸整骨院にご相談下さい。小川鍼灸整骨院は大阪市の平野区の加美北地区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。

 

参考文献

 

浅田史成:第30回日本保健福祉学会学術集会特集腰痛予防に役立つ運動と知識.日本保健福祉学会誌,24 巻 2 号 p. 29-33,2018.
https://www.jstage.jst.go.jp/result/global/-char/ja?globalSearchKey=%E8%85%B0%E7%97%9B%E4%BA%88%E9%98%B2%E3%81%AB%E5%BD%B9%E7%AB%8B%E3%81%A4%E9%81%8B%E5%8B%95%E3%81%A8%E7%9F%A5%E8%AD%98

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小川 貴司(おがわ たかし)

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