小川鍼灸整骨院のブログです。
前回まで、患者さん自身が自分の症状に対して「ふに落ちる」ことの重要性と、治療者にはそれが可能かについてお話しました。
今回は自分の痛みの原因について「ふに落ちない」ことが問題となってなかなか痛みが軽減しないと訴える患者さんについてお話したいと思います。
患者さんは64歳Jさん男性。とある持病のために服用していた薬の副作用で骨粗しょう症になり、腰椎の圧迫骨折を経験されておられます。
背中は少々曲がっているという程度で見た目にはわからないのですが、本人様は仰向けで寝ることができないことや、動き始めの痛みを訴えておられます。
持病についてここでは具体的に述べることはできませんが、医師からは日常生活の制限を言い渡されています。
Jさんは背中の痛みを訴えて鍼治療を受けておられますが、どうも要領を得ないのです。
なぜかというと、痛いと訴える割には朝の散歩に出かけています。生活に制限は課せられていますがそれは痛みのせいではなく持病のためです。
痛みで夜も眠れないとJさんは言いますが、痛みのせいで眠れないのか考え事や心配事があって眠れないのかよくよく聞いてみると考え事をしていて眠れないということでした。
Jさんについては、どう考えても痛みで苦しんでいる、痛みで生活が制限されているというような様子ではないのです。
だから治療においても何を標的にしていいのかわからなくなってしまうのです。あえて言うなら、動き始めに痛みがあり、その痛みが気になって仕方がないと。
現在はその痛みで鍼治療へ通院されています。
このようなJさんを治療していくなかで、「ふに落ちない」ことが問題となっていると明確にわかったのは、Jさんの次のようなやり取りからでした。
「横になっていて起き上がると腰が痛くなるということは横になっている姿勢が悪いということになるのだけど、この姿勢がなぜ悪いのか?
背中を伸ばして痛いのはよくわかるけど、背中を曲げているこの姿勢は負担が少ないはずなのになぜこの姿勢で痛みが出るのか?
日中、テレビを見ている時は椅子の背もたれを45度に倒して寝ながら見ているけどその時には全く痛みを感じない。背中の角度は同じなのに椅子では痛くなくて横になったら痛い。これはどういうことか?」
私はJさんのこの話を聞いて最初は複雑な気持ちでした。
なぜなら、私が専門家として考える痛みの原因の説明はもうすでに何度も行っていますし、その原因に対処するための治療も説明と共に行っています。
それらの説明はすでに終わっているのであとは治療の効果を待つだけという段階になっていると私自身思っていたからです。
しかしそうではありませんでした。
Jさんが私の説明を記憶に留めているのかいないのかはわかりません。
とにかく、腰痛に対する心配や不安はなくなっていなかったのです。
私は「Jさんの腰痛は圧迫骨折によって腰椎が変形しており、その変形によって腰椎と腰椎の間の関節にひずみが起こり痛みが出ています。
この痛みの特徴は動き始めの痛みであり、動いているうちにまたその痛みはなくなります。
その痛み自体は一生続くものではなく関節が馴染んで来たら動き始めの痛みもなくなりますので少しお時間を頂けますか?」
とJさんに説明しました。
そしてJさんはその説明を聞いて納得されていたように私には見えました。
でもJさんは納得していませんでした。というか、その時は納得したのかもしれませんが、痛みが続くためにその納得は消滅してしまったのかもしれません。
私はJさんにズバリ質問しました。
「Jさんの問題は腰の痛みですか?それとも痛みの原因がわからないことですか?」
(つづく)
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