小川鍼灸整骨院のブログです。
前回述べたように腰痛の原因はある程度分かっているとされています(現代医学的に解釈できている)。
現代医学的には老化が基盤にあり、誰にも起こり得ることなので病気といえるかどうかも微妙なところで手の施しようがないという扱いです。
仮に腰痛を椎間板や椎間関節の老化と捉えるとすればそれは、皮膚のしわや髪の毛のしらがと同じことといえます。
ただ、違うことは腰椎の変性には痛みが伴うことと、しわやしらがのように目に見えないことです。
目に見えて痛みを伴わないしわやしらがでさえ人によっていろいろなイメージや意味付けが行われますが、痛み感覚を伴い目に見えない腰痛はさらにイメージや意味付けが広がるでしょう。
この腰痛のイメージや意味付けに対して、科学的な視点を強く持つお医者さんはうんざりしているのだと思われます。
話を聞くのに時間もかかるし、自分が受けた医学教育の内容とは全くかけ離れた内容の話を続けることは時に気分が悪くなるのでしょう。
お医者さんにとって自分に理解できないお話は、馴染みの自文化ではなく全く馴染みのないの異文化の言語と同じものだからです。
幼少期から努力してやっと身に付けた医学理論とはまったく異なる理論をお医者さんは、普通は受け入れないでしょう。
さらに現代医学の領域には病気がどのような要因で起こるのか、どんな人に起こりやすいのか、どんな環境で起こるのか、起こったらどうなるのか、放置してどのような経過をたどるのか、という病気自体を研究する「疫学」という学問領域があります。
この領域では、いわゆる普通の腰痛の自然経過はおおむね良好ということになっているのです。医学的な解釈のもとには腰痛は日にち薬で治るという雰囲気があります。
これまで述べたことをまとめると、
・老化が基盤とする異常に対しては感染症や怪我のように治療効果をあらわすことは難しい、
・患者のイメージや意味付けが腰痛を作り上げている、
・疫学的に腰痛は自然経過が良好であるために時間と共に症状は軽くなる、
ということになります。
上記のことを理由にお医者さんはいわゆる腰痛を軽く捉えるようです。
だからやさしい顔だけ表面にだして、表面的なあいづちだけして、最終的に、
「では、お薬と湿布だけだしておきましょう。痛みが続くようでしたら2週間後にまた来てください。はい、お大事に」
といって診察室から患者さんを追い出すのです。
やさしい顔で。
あ、話の内容が脱線していることに気付きました。
では、上記のような医師の態度を逆手にとってみてはどうでしょうか。以下のように。
・医師が大丈夫というのだから医学的に放置しておいても大きな問題が起きることは考えにくい。
・だれでも痛みを感じた時にはイメージを広げて腰痛を創り上げることをする。このことは異常なことではない。
・疫学研究という領域ではいわゆる腰痛はひどくならないことが多いということを統計学的に示している。
最後の「統計学的に」という表現は、数字の上ではということであり、実際に私(患者さ自身)にひどいことが起こらないということではありません。
しかしこれらのことは、腰痛が実は大丈夫なものである可能性を示しているといえるのではないでしょうか?
つまり注目すべきは自分の腰痛がどのようにイメージされ意味付けされて創り上げられたなものなのかに興味をもつことだと私は考えます。
次回は具体的にどのように自分のイメージに気付くことができるのかを考えてみようと思いますが、書くのは簡単なんですよね。
実行するのが非常に、ひじょーに難しい!
でも、痛みに飲み込まれるよりは考えてみることに価値はあるでしょう!
とりあえず、うんちくをならべてみますね!
まずは私が影響を受けた精神医学者、アーロン・ベックの「認知療法」からイメージや意味付けにしばられた腰痛に陥りやすい患者さんを説明しようと思います。
そこから気付きのヒントがあればいいのですが。
そうそう、ここでは「腰痛」と表現しましたが、基本的には検査をしたけれども痛みの原因がわからない痛み全般に言えることだと思います。
また、原因が体にはないけれども精神に問題があるとされる病気は精神疾患といわれますが、ここではとりあえず入院が必要とされる重度の精神疾患と診断された方は対象外とさせて頂きます。
理由は私が重度の精神疾患の患者さんを治療した経験がないためです。
どうぞご了承ください。
(つづく)
・この症状が病院で治りにくい理由
・当院のクチコミ
・おわりに
・参考文献
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