小川鍼灸整骨院のブログです。
前回はベックの認知療法の理論をもとに、腰痛になりやすいと私が考える患者さんの思考について勝手に述べさせていただきました。
患者さんの認知のゆがみを見つけ出し、それを指摘し、意識してもらって認知を変化させることができれば認知療法の効果は絶大です。
実際にそのような患者さんはいらっしゃいます。
前回紹介した「ヘルニアは手術をしないと治らない(へこまない)!」と思い込んでいた患者さんは、
「いや、ヘルニアは手術をしなくても自分の免疫細胞が食べてくれてなくなるのですよ」
という私の言葉によって歪んだ認知が解消されて半年続いたヘルニアによる痛みが翌日になくなってしまったのです。
認知のゆがみの解消とは、意味付けの変化なのですね。
ただ、この患者さんの場合、私は意図的に認知の変化を促したわけではありません。この場合は偶然です。
難しいのは、この手の認知の変化は治療者が無理やり変化させるのではなく、患者さんが内側から、つまり患者さん自身の気づきを元に、自発的に変化することが大切なようなのです。
これは本当に難しい。そしてこのことが非常に重要なようです。
最近、治療は芸術的な側面を持つと表現されることがあるようです。
私の記憶の中では、最初にそのような記述に触れたのは2000年ごろの菊池先生の記述でした。
菊池臣一先生は福島県立医大整形外科の教授(現在は多分違う)で、日本の腰痛治療の中にEBM(Evidence Based Medicine;科学的根拠に基づく医療)の流れを取り込んだ草分け的存在の先生です。
菊池先生は豊富な臨床と研究の経験から、腰痛治療はサイエンスの側面とアートの側面が重要としています。
科学的に腰痛治療を突き詰めた結果、腰痛治療は理論だけでは効果をあらわすことができない。
芸術的な側面も必要だと先生は実感したのですね。
菊池先生のお父様も柔道整復師だったそうですが、私にとりましてはこの事実も非常に運命的な説得力を感じたわけでございます。柔道整復師の治療は良い意味でも悪い意味でもアーティスティックだからです。
このアートの側面とは、まさしく、患者さんが内側から、痛みに対する意味付けを変更していく、変化させていく、新しい意味付けを紡いでいくことだと私は思っています。
代替医療者はある時には意識的にある時は無意識的にこのアートを駆使しているのではないでしょうか?
この様な効果の芸術的側面は、意図的に現わすことが難しい。ただ、治療者はそれを意識しないと良好な治療効果の確立を高めることはできません。
その意味で芸術的なのでしょうね。
私は、明らかな認知のゆがみをもつと思われる患者さんに対して力技で、つまり、アートではなくってサイエンス(理論)で認知の変化を促そうとしたことがありました。しかし、必ずと言っていいほど失敗しますし、なにより私はその力技によって患者さんとの信頼関係を失ったこともあります。
理論だけの力技ではだめなのです。
非常に苦い経験です。
今日はここまでにしたいと思います。
では次回は、私が考える「患者さんが内側から変化しやすい状況・条件」について私の経験論を述べたいと思います。
その前に脱線するかも・・・・(笑)
芸術は爆発だ!どういう意味?でも意味は必要なのか?考えずに感じろということか?・・・
やっぱり理論だけじゃダメ?
修造ならこの意味を知っているのか?
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