はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
小川鍼灸整骨院は大阪市平野区で開業する鍼灸整骨院です。
今回は、「むち打ち損傷患者の検討」という論文を紹介いたします。
この論文は交通事故によるむち打ち損傷患者の予後を報告した論文です。
多くの例では比較的短期間に治癒したものが多い中、時として難治する例があります。
どのような例難治しやすいかをこの論文では報告しています。
担当はスタッフの川畑です。
http://www.korikori.com/staff/
内容
交通事故で良くみられるむち打ち損傷。
多くの場合、比較的短期間で軽快するものの、中には治療に難渋する症例があるようです。
そこで熊本寺尾病院におけるむち打ち損傷患者を対象にして、病態検討が行われました。
ただし、頸椎に骨折を認めるもの・あきらかな頸髄損傷症例は今回の症例より除外しているようです。
検討では、1990年1月から1992年3月の過去3年間を対象に、むち打ち損傷患者160例を対象としました。
事故直後に何らかの症状(頚部症状)が首に生じる例が良くみられ、多くの場合、2日目に生じるようです。
論文では治療期間について触れており、1ケ 月未満で治癒したものが約半数を占めていました。
しかし、治癒までに3ケ 月以上を要した症例も男性15例、女性12例 の計27例(16.9%)に 認められていました。
論文中ではこれを難治例として検討しています。
治療期間の例として、年代別・症状別、他にも損傷時に受けた外力の大きさ(目安として、車の修理費用) と治療期間についてみた結果もありました。
後者の例を挙げると、
・平均修理費では、難治例群の方が約5万円程高かった。
・3万円程度の修理費で治療 に3ケ 月を要した症例もあった。
・50万 円の全損事故にもかかわらず、1週間で治癒した症例もあった。
他にも受傷後の単純X線より得られる、
椎間板狭小化・脊柱管前後径の平均・頸椎前弯度と治療期間の間には、関係性は見られなかったようです。
しかし、3項目の画像診断を合わせものと治療期間の関係についてみると、難治例には3項 目とも異常を認めたものが、14.8%であるのに対し、治療期間3ケ月未満群では、3.8%と有意に少なかったようです。
まとめ:
①頸部の症状は事故後2日までに訴えるものが、約9割を占めていた。
②自律神経症状出現時期は早いものでも受傷後1週以降であった。
③症状分類では捻挫型が最も多く治療期間では1ケ月未満の症例が 約半数を占めていた。
④治療に3ケ月以上を要した難治例は27例(16.9%)であった。
⑤難治例となるものは自律神経障害型、神経損傷型が多かった。
⑥年台では50歳台が最も難治例になりやすかった。
⑦X線診断は1項目のみの異常では、難治例になりやすいかどうか の参考にならないが、総合して行うと少しは参考になると思 われた。
⑧治療後の残存症状としては頭痛を訴えるものが多かった。
⑨今後難治例の解明にMRIが役にたつことが示唆された。
当院の見解
交通事故によるむち打ち損傷の経過に対する報告でした。
むち打ち損傷の経過は、比較的に良好なものの、中には難治例があるようです。
当院ではそういった難治例に対し、はり治療を行なっており、効果が高いと感じています。損傷後1週間経っても首が痛む方、早くに症状を改善したい方はぜひ当院にお越し下さい。
おわりに
大阪市の平野区、生野区界隈で交通事故によるむち打ち損傷の痛みでお悩みの方は是非とも当院にご相談下さい。当院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。
参考文献
高松 徹:むち打ち損傷患者の検討.整形外科と災害外科,43巻,2号,490-493,1994.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai1951/43/2/43_2_490/_pdf/-char/ja