スポーツによる痛み(下肢)

スポーツによる痛み(下肢)に関する主な疾患名

大腿部・下腿部の肉離れ(だいたいぶ・かたいぶのにくばなれ)

病態:ふとももの前(大腿四頭筋)や後ろ(大腿二頭筋)およびふくらはぎ(下腿三頭筋)は、ダッシュやダッシュからのストップなどの急激な筋肉の収縮によって筋肉の繊維が断裂することがあります。症状:スポーツ中に激痛を感じて時にはプレーの続行ができなくなります。断裂の程度によっては痛みを感じながらもプレーができる場合もありますが、後に痛みを感じます。筋肉の断裂部は出血が起こり、「血腫」といわれるこりこりしたしこりができます。数日後には皮下出血が明確になります。

膝関節半月板損傷(しつかんせつはんげつばんそんしょう)

病態:膝関節は大腿骨とすねの骨(脛骨)が連結する関節です。連結部分には関節の適合性をよくするための軟骨組織が存在します。それが半月板です。スポーツ障害としての半月板障害は1回の強い力によって引き裂かれることもあります。これによって関節に痛みが現れます。症状:膝に体重が乗ったときにや、膝にねじれの力が加わったときに痛みを感じます。痛みを感じる場所は、内側や後ろ側が多いようですが半月板損傷の位置によっても変わってくると考えられます。

腸脛靱帯炎(ランナー膝)(ちょうけいじんたいえん)

病態:腸脛靱帯は骨盤(こしぼね)から膝関節を超えたところの外側に付く、大きな靱帯です。この靱帯は始まりから終りまでの間に2つの部分で摩擦が大きくなります。股関節の外側と膝関節の外側です。繰り返しの運動ににより、この部分の摩擦が大きくなって炎症が起こります。特にランニングを始めたばかりの人や久しぶりに走った人に生じやすいです。症状:軽症の場合はランニングの途中から痛みを感じます。また、走った後にも痛みを感じます。重症になると日常の歩行でも痛みを感じます。

膝蓋靱帯炎(ジャンパー膝)(しつがいじんたいえん)

病態:膝蓋靱帯に大きな負担がかかって起こります。膝関節は太もも前面の大腿四頭筋の収縮によって伸ばされます。大腿四頭筋は骨盤と大腿骨から始まり、膝の皿(膝蓋骨)に付き、お皿から膝蓋靱帯を介してすねの骨(脛骨粗面)に付きます。「走る」「飛ぶ」という動作には膝関節の曲げ伸ばしが必要になりますので、膝蓋骨から脛骨粗面の間の膝蓋靱帯に大きな負担がかかり炎症が起きます。症状:痛みの場所は膝のお皿の下の方から膝蓋靱帯部分に感じます。初期は痛みは少なく、違和感のような痛みですが、中期に入ってくるとプレー中にも痛みを感じるようになります。重症になると日常生活動作でも痛みを感じます。

オスグッド病(オスグッド・シュラッター病)(おすぐっどびょう)

病態:膝蓋靱帯炎と同じ理由で痛みが出ますが、痛みの場所と発症時の年齢が特徴的です。痛みの場所は膝の下にある「脛骨粗面」というふくらみの部分です。好発年齢は骨が成長する10歳から15歳ぐらいです。痛みが出る脛骨粗面は骨が成長する柔らかい部分です。激しいスポーツによって、ここに膝を伸ばす大きな力が加わるために、痛みが起こります。症状:初期ではまだ運動はできますが、運動途中で痛みが強くなってきます。ランニングやジャンプで痛みます。脛骨粗面部は腫れてきて大きくなります。重症例では日常生活でも痛みを感じます。

アキレス腱炎(あきれすけんえん)

病態:アキレス腱はふくらはぎの筋肉が、かかとに付くところです。ふくらはぎは足首を下に曲げるための筋肉であり、つま先立ちを行う時に特に働きます。体を持ち上げるのもふくらはぎですので、走ったりジャンプの際には、ふくらはぎやアキレス腱に大きな力がかかります。スポーツなどで激しい運動を繰り返したり、加齢によってアキレス腱部分が弱くなったりすることで、アキレス腱に炎症が起こります。症状:初期では歩き始めに痛みが強く、歩いていると痛みを感じなくなります。症状が進行すると歩き始めだけではなく、歩行中や運動中にも痛みを感じ、重症例では安静時にズキズキする痛みを感じます。

治療

当院での主な治療は筋膜治療・鍼灸治療・整体治療・痛みのカウンセリング・テーピング治療です。必要であれば提携整形外科へ紹介し、レントゲンやMRI検査も行います。患者様の痛みをスポーツ医学の観点から診立てて、フォームや筋力のバランスの改善、練習環境改善の助言なども治療の一環として行います。必要に応じて靴選びや足底板も指導します。

患者様の声

調子の悪いときには駆け込みで治療を受けています

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Yさん女性(17歳)

私はバレエをしていて右の足首を痛めました、整形外科でレントゲンを撮りましたが原因がわからず、小川先生を紹介されました。小川先生は痛みのある場所を入念に治療してくれます。痛いときや調子の悪いときには駆け込みで治療を受けてレッスンに向かいます。

院長からのひとこと
症例1:Yさんは、自分の足首の痛みがバレエダンサーによく見られる三角骨障害であると考えて、私が勤務していた整形外科を受診されましたが結果「はっきりしない」というものでした。原因がわからないはっきりしない状態のままその整形外科から私のもとに紹介されたのが彼女の通院のきっかけです。痛みの原因がはっきりしないまでも、ポワントの形をしっかりとれないのは関節の動く範囲が狭いためであるという共通の認識にたどりつきました。治療時には筋膜治療と整体治療でコンディションを整えるようにしています。

しっかりと治療してもらいました

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Iちゃん女性(11歳)

(お母さん談)娘はバスケットボールをしていて怪我をしました。以前より足首や指の捻挫を治療してもらっていたので、今回もしっかり走れるようになるためにリハビリをお願いしました。しっかりと治療してもらったのでバスケットにも復帰できました。

院長からのひとこと
症例2:Iちゃんとおかあさんです。Iちゃんはバスケットボールで足首を骨折(腓骨下端部骨折)し、近くの診療所でギプス固定されました。診療所では4週間後にギプスが取れましたが、その後は自分で治してくださいと言い渡されるだけで回復のためのリハビリを受けることができませんでした。そこで、以前より怪我のたびに通院していた当院に相談に来られました。Iちゃんの足関節には、ギプス固定による関節の拘縮や筋力の低下、関節感覚の低下などが見られましたが、可動域訓練と筋力トレーニング、関節トレーニングによって今ではバスケットに復帰しています。お母さんも軽い肉離れや足関節の捻挫で治療させていただきました。私の娘と同じく大人との会話が少し苦手なIちゃん。「なんとかこの壁をとっぱらってコミュニケーションを良好にしてやろう!」と私もがんばりました。

安心して治療を受けました

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B君男性(15歳)

僕はサッカーをしていて股関節を痛めました。前にも治療してもらってるので安心して治療を受けました。今はぜんぜん走れるようになっています。受験勉強も頑張っていたので治療中に英単語を暗記できるツボを押してもらいました。おかげで受験に合格しました!

院長からのひとこと
症例3:B君は中学生です。サッカーのクラブチームに所属しています。激しい運動量のために股関節を痛めました。下前腸骨棘裂離骨折(股関節周辺のスポーツ障害)であることを疑い、私の前職の整形外科を紹介させて頂き、レントゲンチェックを行い骨折を確認しました。治療では、安静とトレーニング復帰までのリハビリテーション、復帰後のコンディショニングを行いました。受験生であったために、治療中には将来の夢や英語の重要性など、楽しくお話ししました。英単語を暗記できるツボは確かに押しました(笑)。受験生には鉄板ネタなのです(笑)。

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