はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
今回はふくらはぎの内側、スネの内側に感じる痛み、シンスプリントというスポーツ障害を紹介します。
シンスプリントは脛骨過労性骨膜炎とも呼ばれ、下腿内側に位置する脛骨の中1/3~下1/3の
内側縁に沿って鈍い痛みが生じるスポーツ傷害であり、
繰り返し走ったり、ジャンプしたりすることが多いスポーツをする人に多く発生しやすい、オーバーユース症候群です。
痛みは運動時や運動後に出て、慢性化しやすいスポーツ障害だと言えます。
原因
諸説ありますが、繰り返し走ったり、ジャンプしたりする動作を過度に行う事によって、
下腿内側に位置する脛骨に繰り返し刺激が加わり、下腿骨の骨膜を引っ張ることで炎症が起こると考えられています。
また、硬い路面や不適合な靴、運動時間や内容、偏平足や回内足、下腿三頭筋や足関節の柔軟性低下が関連しているともいわれています。
全てのスポーツにおいて、シーズン当初のランニング開始時期よりも走り込みの時期の発症が多く、
両側に発症することが多いです。
症状
下腿内側に位置する脛骨の中1/3~下1/3の内側縁に沿って鈍い痛みが生じます。
初期は、運動開始時痛があり、運動時中に痛みは消失しており、圧痛部位ははっきりしません。
悪化すると、運動開始時だけでなく、運動時にも痛みがあり、歩行時や日常生活でも痛みを伴います。
また、特に足の底屈抵抗運動で痛みは増強します。
治療法
急性期は患部を安静に保ち、患部外のストレッチや運動が基本となります。
運動後は、下腿内側後縁の痛みが出ている部位をアイシングし、下腿三等筋、ヒラメ筋、後脛骨筋やアキレス腱を中心に下肢のストレッチングを行います。
歩行時痛が消失したら足趾を大きく広げる訓練やタオルギャザーを行います。
下腿三等筋に対して、カーフレイズ(踵上げ運動)やゴムチューブを使って、抵抗下での足関節の底屈訓練
を行います。
明らかな圧痛が軽減すれば、様子を見ながら歩行から始め、徐々に運動量を戻していきます。
この時、急激に運動量を戻さないことが重要です。
おわりに
早期に適切な治療が行われれば、予後は良好ですが、無理な早期復帰や急激な運動量の増加は再発の危険性が高まります。
状態を把握し、適切な治療が出来る先生に診てもらうことが大切です。
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参考文献
橋本俊彦、井上和彦:3.Shin splints(シンスプリント).最新整形外科学大系,第23巻.9章スポーツによる下腿の障害・外傷・外傷.中川書店,1999,p.354-359