はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
今回は投球障害について書いていきます。
投球障害とは
投球障害とは投球動作によって生じる方のスポーツ障害です。
野球肩ともよばれており、肩の痛みと不安定性を訴える障害です。
投球動作では肩だけでなく、足腰の筋力、ボデイーバランス、腕のふり、柔軟性など
様々な要因が関係しています。
投球障害はその症状がたまたま肩に出たに過ぎないため、肩の治療だけでなく
その発生メカニズムを解き明かし、対応することが重要です。
投球動作はワインドアップ期、初期コッキング期、後期コッキング期、加速期、
フォロースルー期から成ります。
一連の動作で肩関節の構成組織は衝突・牽引・摩擦などが反復して加わり、筋・腱・靱帯・関節包・関節唇・骨軟骨に損傷や変性が引き起こされます。
初期コッキング:肩関節の伸展が最大になる。
後期コッキング期:体幹が前方移動して肩関節は外旋が最大になる。上腕二頭筋長頭腱のねじれと牽引によってSLAP損傷が生じやすい。
フォロースルー期:肩関節後方の関節包や筋腱が伸張されてベネット損傷おこしやすくなる。
原因となる疾患
SLAP(上方関節唇)損傷
原因:
肩関節は上腕骨と肩甲骨から構成されており、肩甲骨と上腕骨が関節する肩関節窩(くぼみ)の上方には上腕二頭筋長頭腱が付着しています。
繰り返す投球動作によってこの付着部が引っ張られると関節唇(肩甲骨の関節窩の周りにくっついている軟骨)が少しずつ剥がれていきます。
症状:
投球時にボールから手を離す前後に肩に痛みが出ます。また、肩のひっかかり感、不安定感、
肩を動かした際にクリック音がするなどがあります。
また、野球だけでなくバレーボールやバドミントンなど肩をよく使うスポーツの方に見られます。
治療:
基本的にはSLAP損傷は保存療法が選択されます。痛みをとるために、原因となっている運動の停止やフォームの改善を行います。また、肩関節の安定性を図る為に、内在筋トレーニングを行う時もあります。
しかし、症状に変化無ければ、専門医で診てもらう方が良いと思います。
腱板損傷 詳しくはこちら→ 腱板損傷とは
ベネット損傷
原因:
繰り返す投球動作によって上腕三頭筋長頭や関節包に繰り返し力が加わった結果、
投球による肩のオーバーユースにより、肩関節窩の後下方に骨棘(骨のとげ)形成されます。
症状:
無症状の例も良く見られる疾患です。投球のコッキング期、フォロースルー期に、肩の後ろに痛みが走ります。
また、肩関節の後方に圧痛がみられ、屈曲90°での内旋可動域は減少しています。
治療:
基本的には保存療法が選択されます。関節包後下方の拘縮に対してストレッチ運動を行います。
投球時に痛みの強いものに対しては手術で増殖した骨棘を切除する場合もあります。
おわりに
投球障害について簡単に解説しました。
球障害を含めたスポーツ障害で重要なことは、普段からのストレッチや怪我をしにくいからだの使い方を意識することです。
また、もし痛みが出た場合はその痛みを軽視せず、信頼できる先生に診てもらいましょう。
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参考文献
1) 瀬下寛之(他):投球障害の発生に影響を与える因子.理学療法―臨床・研究・教育, 2012.Vol.14, No.1, p28-33
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ptcse/14/14/14_14_28/_pdf/-char/en
2)信原克哉(他):頚部椎間関節症.肩その機能と臨床第4阪,9章肩とスポーツ.医学書院,2012,p.349-409