はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
膝に水がたまった時に注射器で水を抜く治療があります。
当院にはこの治療を極端に嫌う患者さんがたくさん来院されます。
そのような患者さんとの会話でよく聞かれるのは、「くせになるから」というものです。
これまでは水を抜いたけどまた水が溜まってくるという経験を何度も繰り返しているのか、
そのような患者さんのお話しをたくさん聞いてきたのでしょう。
今回は、膝に水が溜まっても水を抜きたくない!という患者さんが当院のオイルマッサージで改善した事例を報告します。
内容は以下の通りです。
・患者さんについて
・施術と結果
・なぜよくなったのか
・水を抜くとくせになる?
・おわりに
・参考文献
当院は予約制です。
ご予約や症状についてのご相談、お問い合わせは
で受け付けております。
遠方にお住まいの方には
①ZOOMによるカウンセリングもご利用いただけます。
②お近くの提携治療院を紹介することができます。
お気軽にご相談ください。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南東、大阪市と東大阪市の境目、平野区加美北8丁目にある鍼灸整骨院です。
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最寄り駅はJRおおさか東線衣摺加美北駅(徒歩4分)です。地域で一番おすすめの整骨院、あなたにとっていちばん近くの整骨院を目指しています。
患者さんについて
患者さんは55歳女性のFさんです。
立ち仕事で重量物を持ち上げることが多いFさんは以前より腰痛があり、治療に通っておられましたが、仕事中に突然右膝に痛みを感じ、帰宅途中で当院に駆け込んで来ました。
右膝は膝関節に水が溜まってパンパンに腫れています。
私はその膝を見てFさんに言いました。
「Fさん、じっとしていても痛いならそれは関節の内圧が高くなっているからで、そんな時はお医者さんに水を抜いてもらったらうんと楽になりますよ。紹介状を書きますので、そうしますか?」
するとFさんは言いました。
「絶対いや。前にも抜いたけど痛みが全然変われへんかったし、また水たまってきたもん。癖になったら嫌やし先生何とかしてよ。」
後で解説しますが、実は関節の水を抜いてもくせにはならないのです。しかしこのこと、つまり患者さんが信じている考えをまっすぐに否定するのはまり良いことではありません。
なぜなら治療者患者関係に傷がつくからです。
ということで、水を抜かずに施術を行うことになりました。
施術と結果
Fさんに対してはローズマリーカンファーというマッサージオイルをつかってで関節水腫を散らすことにしました。
この治療は効果が得られるまで少々時間がかかります。時間がかかるということは、炎症が治まるまでには一定の期間が必要ということです。
しかしFさんは関節の水を抜きたくありませんし、オイルマッサージを希望されるので真心込めて施術しました。

施術の間には、Fさんの膝の状態について考えられることを説明しました。なぜ水がたまるのか、たまった水がどうなっていくのか、年齢的にこの痛みはある程度誰にでも起こりえることや、今後どんな風に治っていくのかなどをしっかりと説明したのです。
すると、その1回目の施術後にFさんは、「すごい先生、楽になってる‼」と喜んで下さいました。
その後、Fさんの関節水腫は続きましたが、1週間程度で治まりました。
なぜよくなったのか
膝の痛みが楽になった理由は3つあります。
まず、直後に楽になった理由はやはり安心できたということかもしれません。なぜ水がたまるのか、そして水が溜まっても炎症が治まることについてしっかりと説明してことを理解できたことが安心につながったと考えられます。また、大丈夫と私が後押ししたことで、「歩けるんだ」という自信がついたこともよかったでしょう。
2つ目の理由はローズマリーカンファーのマッサージ効果です。ローズマリーカンファーが関節の滑膜という組織の炎症を抑える効果があることを実証した研究もあるほどです。
そして3つ目はプラセボ効果です。この効果は馬鹿にはできません。実は、お医者さんが行う治療も含めて、ほとんどの治療の効果にはプラセボ効果が含まれると考えられます。
プラセボ効果については難しい話になるので詳細は避けますが、本当に簡単に言えば、人間にもともと備わっている自然治癒力です。Fさんは治療を受けることで安心できたためによるプラセボ効果(自然治癒力)が高まったのだと考えられます。
この自然治癒力を高めるためには、患者さんとの信頼関係が重要です。例えばFさんは「水を抜くとくせになる」ことを信じていますが、専門家の視点からこのことを否定するとプラセボ効果(自然治癒力)は生まれないのです。それどころかかえって痛みが強くなることすらあるほどです。今回はプラセボ効果がしっかりと発揮されたように思います。
上記の3つがFさんの症状を改善させた理由と考えられます。
水を抜くとくせになる?
Fさんには話しませんでしたが、関節に水が溜まってその水を注射器で抜くことによってまた水が溜まりやすくなること、つまりくせになることは医学的には考えられません。ではなぜ、患者さんはみなさん口をそろえて「水を抜くとくせになる」と話すのでしょうか?
その理由は、一度水を抜いても関節の中に炎症が残っていればまた水が溜まっていくからなんです。
炎症が治まるまでには時間がかかりますので、炎症がある期間の間に一度水を抜ても炎症が続いていればその間にまた水がたまるということになります。
この現象がほとんど患者さんに起こっていますので、患者さん方の中では「くせになる」と言い伝えられるのでしょう。
水を抜く方がいいのか、抜かない方がいいのか?この問題に対する答えは、パンパンに水がたまっていて、そのこと自体が痛みの原因になっている場合は水を抜くとその瞬間に楽になります。
だからそのような場合は水を抜いた方がいいでしょう。
しかし、中程度の水の量であれば自然に水が引くことをを待つのがいいかもしれませんね。ローズマリーカンファーのマッサージを受けるとプラセボ効果が高まり、さらに早く良くなるかもしれませんのでお試しください。
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致しますのでお気軽にご相談ください。(但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。)
当院は予約制です。
ご予約や症状についてのご相談、お問い合わせは
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遠方にお住まいの方には
①ZOOMによるカウンセリングもご利用いただけます。
②お近くの提携治療院を紹介することができます。
お気軽にご相談ください。
当院のクチコミ
当院ではこれまで、どこに行っても良くならない多くの患者さんの施術を行ってきました。
それらの一部の患者さんからは、とてもありがたいクチコミコメントを頂いております。
カウンセリングをご検討の方は参考までにクチコミ内容をご確認ください。
おわりに
大阪市の平野区、生野区・東住吉区、加美北、東大阪市の衣摺、渋川町、柏田、布施あたりの方で、膝に水かがたまってお困りの方はどうぞ小川鍼灸整骨院にご相談ください。
はり・筋膜リリース・整体と同時に認知行動療法を施術に応用していています。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南東、大阪市と東大阪市の境目、平野区加美北8丁目にある鍼灸整骨院です。
最寄り駅はJRおおさか東線衣摺加美北駅(徒歩4分)です。地域で一番おすすめの整骨院、あなたにとっていちばん近くの整骨院を目指しています。
当院の患者さんは、平野区、生野区、東住吉区、城東区、それに周辺の八尾市、東大阪市渋川町、寿町、衣摺にとどまらず、他府県からも来院されています。
参考文献
石島 旨章(他):第31回都民公開講座《高齢者と膝関節痛》変形性膝関節症の病態・診断・治療の最前線.順天堂醫事雑誌,59 巻 2 号 p. 138-151,2013.
中野 重行:プラセボ反応からみえてくる「治療の本質」を学ぶ―薬物治療効果の構造的理解と「やわらかな1.5人称」という態度の治療的意義―.心身医学,63 巻 3 号 p. 217-223,2023.
廻角 侑弥(他):変形性膝関節症患者における歩行能力と 自己効力感の関連性の検討.理学療法科学, 35 巻 6 号 p. 779-783,2020.
3)柴伸昌他):変形性膝関節症に対する精油使用施術(マッサージ)の有効性について--外用消炎鎮痛剤を対照としたランダム化比較試験. 日本アロマセラピー学会誌,9(1)34-42,2010




