はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
今回は膝の軟骨がすりきれて痛みが出てくる変形性膝関節症の患者さんで、膝に水がたまった患者さんの事例を紹介致します。また膝に水が溜まったときには安静にしないといけないのでしょうか?解説します。
ブログの内容は以下の通りです。
・患者さんについて
・施術と結果
・なぜよくなったのか
・なぜ水がたまるのか
・おわりに
・参考文献
当院は予約制です。
ご予約や症状についてのご相談、お問い合わせは
で受け付けております。
遠方にお住まいの方はZOOMによるカウンセリングや
提携治療院を紹介させていただきますので
お気軽にご連絡ください。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南東、平野区と生野区の境目、南巽・加美北地区、南巽駅近くにある鍼灸・整骨院です。地域で一番おすすめの整骨院、あなたにとっていちばん近くの整骨院を目指しています。
患者さんについて
Sさん: 59歳 女性 職業 飲食店勤務(立ち仕事)
主訴:右膝関節の痛みと腫れ
Sさんは普段より両方の膝の痛み(特に右)や腰の痛み、肩こりの治療で通院されています。今回は、右膝の痛みが強くなってきたので今頑張っているウォーキングを続けていいか、それとも休むべきか、どうすればいいのか迷っておられて相談を受けました。
Sさんの膝の痛みは5年以上経っており、痛い時と楽なときが交互にやってくるとのことです。普段より慢性的な腫れがあり、膝の痛みがないときにも膝は丸く腫れているような感じです。今回は見た目に分るほどいつもより大きく右が腫れています。
膝に水が溜っているかどうかみてみたところ、しっかりと水が溜っていました。
以前に近くのお医者さんで変形性膝関節症の診断を受けていますので、膝の軟骨がすり減っていることは間違いないと思われます。
変形性膝関節症の痛みの特徴は膝の内側の痛みと、動き始めの痛みです。多くの方は痛いながらも歩いているうちになんとか歩けるようになってきます。
Sさんも動き始めに痛みがありますがしっかりと歩いておられました。なんとこの3ヵ月間は1日に150分も歩いているとのことでした。
歩行距離が長くなってきたことが今回の膝の痛みや膝に水がたまる原因になったと考えられます。
施術と結果
施術は主に鍼治療と生活指導でした。
膝の痛みの緩和を目的として鍼治療を行ないました。それに加えて、できるだけ生活に制限を加えず、ウォーキングだけを中止して1週間の経過観察を行ないました。
そして症状について時間をかけてしっかりとSさんが理解できるように説明しました。当院は、患者さんご自身が理解できるようにしっかりと説明することを重要視しています。
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1週間後、膝の痛みはまだありますし、膝の水も多少残っていますが、生活に支障なく、また心配や迷いなくウォーキングも再開することができました。
なぜよくなったのか
ポイントは以下の3つです。
①鍼施術が患部の血流を改善させて滑膜の炎症を抑えた
②安静期間を設けることで膝への負担が小さくなった
③膝の痛みについて安心できた
まず、膝周囲の血流を改善させることは、膝周りの筋肉の緊張を緩めたり炎症を軽減させる効果があります。今回の鍼施術はそのような効果が得られたと考えます。
また、突然始まった1日に2時間以上のウォーキングはSさんの膝には非常に負担が大きかったのですね。適切な運動量を説明して理解してもらえました。
そして、なぜ膝に水がたまるのか、放置しておいていいのか、どうすれば治るのか、など、しっかりと説明して納得頂くことで安心できたことも治療効果が得られた理由と考えられます。
なぜ水がたまるのか
変形性膝関節症で膝に水がたまることはよくあります。特に中等度から重度の炎症で水がたまります。
ここで簡単に説明させてください。
どの関節も基本構造は同じですが、骨と骨が関節を作る際には、接触面は軟骨で覆われています。
そしてこの軟骨はプロテオグリカンというコラーゲン繊維でできており、ヒアルロン酸を多く含んでいるのです。
関節は関節包(かんせつほう)という袋で覆われて関節腔(かんせつくう)という密閉空間をつくっています。そしてこの関節腔は関節液というヒアルロン酸が主成分の液体で満たされています。このヒアルロン酸は関節軟骨の成分と同じもので、関節軟骨からしみ出るのです。
関節包の内側は滑膜という組織で覆われていて、ここには神経や血管が豊富に分布しています。
関節が長年の摩耗によってその擦り切れた断片(ちびちかす)が滑膜組織にへばりつくと、そこで免疫が反応して炎症が起こります。
この炎症が膝の痛みの原因です。また炎症が起こると、滑膜に分布している血管の壁が開き、そこから血液の液体成分が関節腔にもれてしまいます。このもれた液体成分がいわゆる「膝に水がたまる」という現象です。
今回Sさんの場合は、動画に示すとおり膝に水がたまっていますが、膝の痛みはそれほどでもありません。
膝に水がたまっている患者さんのなかには、リウマチなどの関節炎が原因である場合があり、その場合は関節の水を注射器で抜き、関節液を検査する必要があります。
また関節炎の場合は局所に熱をもちますし、感染症の場合は全身性に発熱します。
Sさんは既に変形性膝関節症を医師に診断されており、局所の熱感もなく、動く範囲もほぼ正常でしたので安静の必要がないと判断しました治療は膝の痛みを和らげるための鍼治療を行ない、ウォーキングは休んで頂いてそれ以外の活動を積極的に行なう様に指導しました。
膝に水がたまったとしても、必ずしも安静にしなくてはいけない訳ではありません。痛みの管理としっかりと動くことで改善することがほとんどです(ここ、重要です!!!)。
だからできるだけ普段通りに動くことをお勧めします。もちろん、痛みが強ければそういうわけにはいきません。
関節が腫れてきたらまずは整形外科受診をお勧めしますが、整形外科が苦手という方はどうぞご相談下さい。
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
当院は予約制です。
ご予約や症状についてのご相談、お問い合わせは
で受け付けております。
遠方にお住まいの方はZOOMによるカウンセリングや
提携治療院を紹介させていただきますので
お気軽にご連絡ください。
おわりに
大阪市の平野区、生野区・南巽界隈で、膝に水がたまる、ウォーキングをしたいけど膝の痛みがあるとお困りの方はどうぞ小川鍼灸整骨院にご相談ください。
鍼・筋膜リリース・整体と同時に認知行動療法を膝痛の施術に応用していています。
当院は大阪市の平野区と生野区の境目にある南巽・加美北地区、地下鉄(大阪メトロ)千日前線南巽駅1番出口から徒歩1分のところにある整骨院です。北巽駅ではなく南巽駅ですのでどうぞお間違えなくご来院ください。
当院の患者さんは、平野区、生野区、東住吉区、城東区、それに周辺の八尾市、東大阪市渋川町、寿町、衣摺などから来院されています。
※内容につきましては、プライバシーに配慮して、話しの構造が変わらない程度に性別や年齢、職業、具体的な社会的背景などを加工しています。
参考文献
石黒直樹ほか):変形性関節症はなぜ痛いのか?.日本ペインクリニック学会誌,vol.27,p1-7,,2020.
山口 智:変形性膝関節症の病態と鍼灸治療 .日本東洋医学系物理療法学会誌、44 巻 2 号 p. 9-16,2019 .
矢野 忠:臨床鍼灸研究の現状─コクランライブラリーを参照として─. 日本温泉気候物理医学会雑誌,79 巻 1 号 p. 27-28,2014
鍼治療 Acupuncture 厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』e-JIM