臨時のブログ 南巽リハビリデイサービスたすくでの学び2【大阪 平野区 生野区 南巽 整骨院】

 

小川鍼灸整骨院のブログです。

 

Gさんは自分が感じる「ふわー」とした感覚の理由を、自分が納得できるように説明してくれ!と私に迫ります。

 

私は、Gさんが納得するように説明できました。

というか、和解できた?というか・・・

 

まず私は、Gさんが話す「医者は何もわかってない!」ということばに共感するようにしました。

 

確かに、不調の感覚はGさんにしかわからないからです。

 

あたかも何もかもわかりきったように言い換えて、そしてGさんが到底納得できない不調の物語りに作り変えてしまう。

 

これではGさんが納得できないのは当然です。

 

この納得できない状況を例えるのによい話があります。

 

みなさん、自分のお母さんを思い浮かべてください。みなさんは長い時間の中で自分のお母さんがどのような人か、イメージが出来上がっていますよね。

 

あるとき、高名な心理学者がみなさんのお母さんを分析したとします。

 

「あなたのお母さんはいつも明るく振舞っていますがそれは心に影があることの裏返しなんです。

お母さんのように表現する人の多くは幼少期に○○なことがあってそれが原因で深い闇の中に自分を置くことがあります。お母さんの明るさはその陰の中からなんとかはいあがろうといつももがいているからなのです・・・」

 

このような説明を受けて、「実はそうだったのか!」と思う人もいるかもしれませんが、多くの人はくびをかしげるのではないでしょうか?

 

「えー、暗い影?本当に・・・?」

 

「ちょっとお母さんと話しただけで何がわかるの?」

 

「オレのおかん、そんなん絶対ないわ!(笑)」って感じに(笑)。

 

また、心理学者が何でも知っているような態度でずけずけと自分のイメージの中に入り込んでくることに不快感を感じないでしょうか?

 

自分の母親のことは子供である自分の方がよく知っているはずと思いますよね。

 

体の不調もそのようなもので、自分のことは自分が一番よく知っているのです。

 

Gさんもそうです。

 

だから私はまずそのGさんの「ふわー」とする感覚について興味を示し、一通りお話を聞くようにしました。

 

そうするとGさんは、階段を降りようとしたときや長い時間歩いている時に「ふわー」っとなると話してくれました。

 

その話の後に私は、専門家としてGさんの力が抜ける感覚を何とかしたいことを表明して、そのためにGさんが「ふわー」っと感じることを理論的に考え直すことに許可を頂きました。

 

そして、Gさんの言葉を膝が折れる現象へと急ぎすぎず、ゆっくりとGさんの納得を得ながら説明しました。私の解釈とGさんの解釈を融合させるようなイメージです。

 

「人は歩くことを全く無意識に、自然に行っていますけど、これって実はすごくうまいこと調整されているんです。

 

その調整は、長く動かなかったりするとうまくいかなくなるようです。Gさんは病気の後長らく動いていなかったので歩くための調整が上手くいかなくなったのでしょう。思わぬところで「ふわーっと」力が抜けてしまうんですね。」

 

Gさんは私の説明に笑顔で納得してくれました。

 

「で、どうしたらええねん。」

 

その問いかけに私は、

 

「私が何とかします。任せてください。とりあえず前にやっていた運動を少しづつ始めましょう。できるようになったきたら強度を上げていきます。だまされたと思って僕の言う通りにしてください。」

 

と細かいお話をあえてせず、意気込みだけを伝えました。専門的は話は意味がないからです。

 

Gさんは次の通所日より運動を再開することを約束してくれました。

 

この話をベテラン介護スタッフに話すと、次のような示唆深い反応がありました。

 

「そりゃ院長は知識持ってるからやわ。わたしら理論的もなにもわからん者からしたら、利用者さんの声を直接聞いて受け入れるしかないもん。」

 

そうやな・・・と思いました。

 

専門家はついつい専門理論に置き換えて問題を解決しようとしてしまいます。

 

しかし、問題は当事者が当事者の世界の中で主観的に困っていることです。

 

ここを専門理論に置き換えてしまうと、当事者の感覚がないがしろにされてしまうのですね。

 

重要なのは、当事者の問題を当事者が感じているままに汲み取り解決策を考えることなのです。

 

そのためには専門家が身に付けた専門理論をいったん横に置いて、当事者の話に耳を傾ける必要があります。

 

この作業には、異文化を研究する文化人類学者が用いるフィールドワークの方法論が参考になります。

 

文化人類学者は、その土地の言葉を習って話し、その土地の食事を食べ、その土地の習慣に従いながらその土地独特の時間の流れに身を置きます。

 

この作業はつまり、自分の価値観を横に置いて、相手の価値観を受け入れることになるのです。

 

この作業を通してその土地の人同じ視点でその土地の文化を語ることができる・・・。

 

たすくのスタッフは勝手にこれができているのですね。というか、同じ現地人!

 

専門理論を身に付けてしまっている私は、どの利用者さんとも異なる文化の人ということになるので、フィールドワークの精神を常に維持する必要があるのですね。

 

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Gさんとのやり取りではこのことを思い知らされました。

 

ちなみにたすくは「合同会社emic」という会社名をもっています。イーミックと読みますがこれは内側の視点という意味なんです。

 

利用者さんの視点ですね。

 

私は開業時に内側の視点、つまり利用者さんの視点の重要性を知っていたので会社名にしたのです。しかし、すぐに抜け落ちて専門家の視点になってしまう・・・・。

 

もっと意識してイーミックな視点を鍛える必要がありますね。

 

(つづかない(笑))

 

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