痛みへの意味付けを利用する治療 ②【大阪 平野区 生野区 南巽 整骨院】

小川鍼灸整骨院のブログです。

 

 

 

患者さんの腰痛の解釈について、これまで私は次のようにお話しました。

 

「人は自分のまわりのモノや出来事を正確に認知することはできない。また正確に認知できていなくても問題にならないことが多い。同じく腰痛についても正確に認知・認識・解釈できなくとも問題にならないことが多い。だから腰痛についての解釈はいろいろありえる。患者は自分が納得できる解釈を選べばよい。」

 
自分が納得できる解釈とは、アドバイスする側の意見が自分のなかにストンと入ってくる解釈であり、その「ストン」と入ってくることが非常に重要なのです。

 
自分にストンと入ってくる解釈を選べばいいって?ホント?

 

それじゃあ占いと同じやん?

 

腰痛ってそんなに簡単なものなの?

 

もっと専門的なものなんじゃないの?

 

もし間違っていたらどうなるの?

 

もっと痛くなるんじゃないの?悪くなるんじゃないの?

 
いえいえ、そんなことはないと思いますよ。

 
どの解釈を選んだとしても絶対治るという保証はないのですから。

 
どの先生の治療もよく効いたり効かなかったりするのですから。

 
そもそも、腰痛の治療方法は民間療法から医学的な手術まで様々ありますが、もしどれか一つが絶対的に正しいのならばその他の治療はなくなってもいいのではないでしょうか?

 
現状はそうではありませんね。

いろいろな治療が多くの患者に施され、そしてそれぞれの治療は絶対に効くということではなさそうですが絶対に効かないということでもなさそうです。

 
だから、腰痛治療において、絶対的に正しいとされる一つの方法はないと言い切っていいでしょう。

 

 

 

ここをもう少し丁寧に説明する必要がありますね。

 
私たちが外界を認知する時に正確に現象を認知できないというのは、対象となるものの一側面を捉えているからなのです。

 
リンゴについての認知をしてみましょう。

 

「リンゴは生き物」、

「リンゴは植物」、

「リンゴは木にできる」、

「リンゴは食べ物」、

「リンゴは果物」、

「リンゴは赤い」、

「リンゴはまるい」、

「りんごは・・・」

 

これらはリンゴについての事実を述べたものですがどれも嘘ではありませんね。

 

それぞれはリンゴの一側面を捉えているのですから。

 
リンゴなら話は比較的簡単なのです。

 

 

なぜならリンゴは物体であり古くから知られているものなので若干の例外(青りんご・小さなリンゴなど)もありますが誰が見てもリンゴだからです。

 
しかし、痛みは感覚なのです。

感覚ですから物体ではありません。

 

 

感覚に対して名前が付けられているだけなのでリンゴという名前に対して誰もが同じものを想像できることとは違って、痛みと言ってしまった時に痛みの中身に対してみんな同じように想像することはできません。

 

みんな違います。

 

患者さんの一人ひとりの痛みが違うということは分かりやすいのですが、複雑なのは、治療者一人ひとりが捉える腰痛それ自体も違うということです。

 

これは厄介ですよ!(笑)

 

「同じ種類の治療者は同じ理論を勉強しているので考え方はみんな同じ」と思われがちですが、全くそうではありません。

 

例えば医師は現代医学という科学的で客観的な理論を身に付けていますが、治療を行う際には理論だけを用いているのではなく経験もふんだんに用いているので同じ医師でも治療時の考え方は違ってきます。

 

科学的で客観的とされる理論を身に付けた医師ですらそうです。

理論が比較的ユルイとされるそれ以外の治療者の考えはたとえ同じ治療理論を用いる治療者であったとしても全員全く違う考えをもっていると言い切ってもいいでしょう。

 
だからややこしい。

 

「痛み」は感覚であり、リンゴのように物体ではないので目に見えないし触れて確認することもできない。

 
患者が訴える痛みはその意味で千差万別である。これは仕方がない。

 
この千差万別の痛みを治療者が治療する。

 
しかし、それを治療する治療者が考える「痛み」もまた治療者によって異なる。

 
このことが「痛み問題を解決する」という目的達成を困難にしているのです!

 

患者さんがもってる痛み自体が千差万別なのに治療者が考える痛みもまた千差万別ってことなのです。

 

 

 

わかりやすくたとえ話をしましょう!

 
例えると、机の上に細長い棒を立てるという目的を持ったとします。

 
目的を達成には少なくとも机の状態と棒の状態が関係します。

 

 

最も簡単な状況は水平な硬い机の上に、底が水平で硬い棒を立てることでしょう。

 
しかし、机の上がふわふわで柔らかく、また棒の底面も硬くなく柔らかいとなった場合、この棒はどのように目的を達成することができるでしょう?

 

今日はここまで!
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回り道ばかりで申し訳ありません。

もう少し話を続けて「ストン」とふに落ちる話につなげたいと思います。

 

(つづく)

 

 

小川鍼灸整骨院

小川鍼灸整骨院は大阪市の南西、平野区生野区の境目にある加美北地区にあります。

鍼灸筋膜リリース整体と同時に認知行動療法の理論を応用して治療に用いています。

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小川 貴司(おがわ たかし)

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