はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。今回は整形外科でリハビリを受けても良くならない五十肩の痛みが4回の施術で改善した患者さん(ペインスケールは10→3)を報告します。
ブログの内容
・患者さんについて
・施術と結果
・なぜよくなったのか
・おわりに
・参考文献
小川鍼灸整骨院は大阪市の南西、平野区と生野区の境目、加美北・南巽地区にある鍼灸整骨院です。地域でおすすめの整骨院、あなたにいちばん近くの整骨院を目指しています。
患者さんについて
Fさん: 60歳 女性 職業 検品作業員(パート)
主訴:左肩関節から上腕部の痛み
Fさんは、はじめて痛みを感じてから受診までの状況を次のように語りました。
「最初の痛みは一月半ぐらい前?もっと前かもしれないけどそれぐらい前から症状がある。もう治る?なんとなく痛いな?としか思っていなかったんだけど痛みと一緒に関節が硬くなってきて・・・。肩が抜けているかもしれないので確認して欲しいんです。」
Fさんははじめに整形外科でリハビリを受けましたがそ治療をやめました。
整形外科での五十肩のリハビリの中で治る気がしなかったからです。
時間が経過していく中で、本当に治るのか不安が出てきたとのことで当院を受診しました。
つまり、Fさんは整形外科でのリハビリのなかで、医療者からFさんが納得できるような説明を受けられなかったのです。
施術と結果
施術は筋膜リリースと整体です。
週に1回、4週間続けました。合計4回です。
五十肩の施術は比較的長期にわたることが多いですので、まずは4回でリハビリの方法を理解して頂き、自宅でリハビリができるようになることを目的としました。
施術メニューはこちら↓↓↓
4回の施術で五十肩の痛みは10→3になりました。
Fさんは4回目のリハビリの際に、
「痛みを忘れている自分に気付くこともあるので良くなっていると思う。でもまだ痛みはあるし、動く範囲もまだ完全ではない。でも、これぐらいなら自分でやっていけそう」
と話して下さいました。
なぜよくなったのか
症状改善のポイントは、
①可動域訓練を行い、肩関節の癒着が軽減した
②痛みを自分で理解/納得できて不安がなくなった
③自分でもリハビリを行い「治っていきそうだ」という実感が得られた
ということです。
Fさんの肩の痛みは、安静時の痛みもあり、特に夜間痛もあるとのことでした。運動時の痛みが外旋という動きで強くあります。外傷歴はありません。整形外科で診断された通りの五十肩(肩関節周囲炎)であると解釈しました。
このことから今回の当院のリハビリでは、
①拘縮している肩関節を可動域訓練としての筋膜リリースを行い、関節の動きを改善させました。
五十肩の場合、肩関節の炎症が関節周囲の軟部組織を癒着させて動きが悪くなります。
このような拘縮に対して肩甲骨まわりの筋肉を含めた軟部組織に対する筋膜リリースは、非常に効果的です。
五十肩の施術
http://www.korikori.com/blog/gojyuugatanosejyutu/
次に、
②Fさんの場合は肩関節に対する不安があったので、五十肩がどのように治っていくのかをしっかりと説明して納得を得るようにしました。
http://www.korikori.com/blog/gojyuugata%e3%80%80/
「もしかしたら肩が外れてしまっているのではないか?」
というのはFさんの極端な思考ですが、五十肩を経験したことがなくなかなか治らない場合、このように考えることもあるでしょう。
整形外科では医師からの説明が少ないか、説明があっても理解できないことが多く、それによって不安が大きくなり極端に悪い状況をイメージすることがあります。
このような思考は専門的に「破局的思考」とよばれており、このような思考が痛みを強く感じさせることは多くの論文で指摘されています。Fさんもこの状態に陥っていたと考えられましたが、うまくこの思考から逃れることができたと考えます。
痛みと意識の関係について
http://www.korikori.com/blog/itamitoisiki/
そして、
③Fさんが自分の五十肩についてどう考えるのかをしっかりとお伺いした上で、五十肩が実際にはどのように治っていくのかを説明しました。
可動域訓練を行い、その方法を学び自宅でも実践してもらうことで「治っていきそうだ」という実感が得られたのでしょう。
それによって痛みは軽減したのだと考えられます。
このように当院では患者さんの症状についてしっかりと説明を行い、患者さんに納得いただくようにしています。
当院ではこのようなかかわりを、「認知行動療法的なかかわり」と読んでいます。
認知行動療法的なかかわりはどこに行っても良くならない痛みやうつ病、自律神経失調症の患者さんにも効果的です。
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
↓↓↓
http://www.korikori.com/?post_type=blog&p=3304&preview=true
おわりに
大阪市の平野区、生野区界隈で、どこで治療を受けても良くならない 五十肩の痛みにお悩みの方はどうぞ小川鍼灸整骨院にご相談ください。
鍼灸・筋膜リリース・整体と同時に認知行動療法を五十肩の痛みの施術に応用していています。
当院は大阪市の平野区と生野区の境目にある南巽・加美北地区、地下鉄(大阪メトロ)千日前線南巽駅1番出口から徒歩1分のところにある整骨院です。北巽駅ではなく南巽駅ですのでどうぞお間違えなくご来院ください。
当院の患者さんは、平野区、生野区、東住吉区、城東区、それに周辺の八尾市、東大阪市渋川町、寿町、衣摺などから来院されています。
執筆担当は小川でした。
http://www.korikori.com/staff/
※内容につきましては、プライバシーに配慮して、話しの構造が変わらない程度に性別や年齢、職業、具体的な社会的背景などを加工しています。
参考文献
清本憲太 他):痛みの破局的思考の重症度が、痛みの強度や感情、生活障害に与える影響―地域在住高齢者による検討―.作業療法の実践と科学,3 巻 3 号 p. 65-73,2021 .