はじめに
石灰沈着性腱板炎は夜間に突然生じる激しい肩関節の痛みで始まる事が多く、
痛みで睡眠が妨げられたり、肩関節を動かすことが出来なくなる人もいる疾患です。
似たような症状で五十肩の初期にも見られます。
好発年齢も同じで、夜間痛を起こすことも同じ疾患です。
しかし、石灰沈着性腱板炎では五十肩と比較して激痛であることが多くなります。
また、レントゲン検査も両者の鑑別(見分けること)において有効です。
腱板とは
腱板は肩甲骨と上腕骨をつなぐ4つの筋肉(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)の腱の総称です。
肩甲骨と上腕骨からなる肩関節は広い可動域を持ちますがその為に不安定です。
腱板はその不安定性を補い、肩関節を補強しています。
症状
そんな石灰沈着性腱板炎は程度によって3種類の型に分けることができます。
急性型:激しい痛みで肩を動かせなくなりますが、発症後1~4週で軽快します。
亜急性型:急性型よりも軽い症状が1~6ヵ月続きます。
慢性型:可動域制限がありませんが、運動したさいに痛みが6ヵ月以上続きます。
原因
肩関節の痛みを引き起こす石灰沈着性腱板炎は40代・50代の女性に多くみられ、
肩腱板内に沈着した石灰物質である”リン酸カルシウム結晶”によっておこる炎症からの痛みです。
急性型の石灰物質は液状で吸引することができますが、時間とともに、硬く変化していきます。
石灰が溜まり、膨らんでくると痛みが増し、腱板から外に出た時に激痛となります。
石灰化部位が腱板、上腕二頭筋長頭腱、肩峰下滑液包など関節外であることが偽痛風とは異なります。
治療
急性型で痛みの強い時はステロイド剤を注射することもありますが、通常は一週間程度で徐々に痛みは消えてきます。
痛みによって肩関節を動かさない期間が長くなると、その可動域・筋力は低下し、筋肉は硬くなりますが、
リハビリを行っていくことで改善します。
おわりに
急な肩の激烈な痛みは五十肩など他の障害でもがある場合
石灰沈着性腱板炎は非特異的腰痛が多く見られますが、なかには重篤な疾患も含まれています。
腰の痛みが出たら、まずは一度信頼のおける先生の下で診てもらいましょう。
当院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。
大阪市 平野区 加美北 1-1-11
06-6755-6751
参考文献
浜田純一郎:石灰性腱炎(石灰沈着性関節周囲炎).偽痛風.最新整形外科大系,第13巻.10章変性疾患,349-353.中山書店,1999.