はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
ゴルフや野球、テニスなどでクラブやバットラケットを振る時に、
取っ手の部分(グリップエンド)が有鈎骨の鈎部に当たり、
直接的な衝撃となって骨折することがあります。
これを有鈎骨骨折といいます。
有鈎骨について
有鈎骨は手根骨の中の1つの骨です。
症状
指を閉じた小指の延長線上で手首から1横指上がった場所(鈎部)の痛みや圧痛、握力の低下がみられます。
スポーツ選手はスイング中に手のひらの小指側にかけて激痛を感じ、プレーが困難になることがあります。
強く握らなければ痛みは小さく、日常生活では気にならないことが多いですが、スポーツ再開時に強く握ると再度痛を感じることが多い疾患です。
悪化すると、小指や薬指の掌側に痺れを生じたり、小指を曲げる腱が切れてしまうこともあります。
原因
ゴルフや野球、テニスなどでクラブやバットラケットを振る時に、取っ手の部分(グリップエンド)が有鈎骨の鈎部に当たっておこったり、手を突いて強く転倒した際など、直接的な衝撃によって骨折することがあります。
治療
骨折直後の急性期には保存的にギプス固定をおこないます。
不全骨折であればそのままギプスにて固定を続けますが、完全骨折の場合は手術的治療が選択されています。
有鉤骨骨折は骨癒合しにくい骨折のひとつで、再発も多く、手術をした方が社会生活やスポーツ活動への復帰が早くなるからです。
おわりに
有鈎骨骨折は骨折直後にはスポーツ活動中以外では痛みが小さいため、見過ごされやすい骨折です。
しかし、骨折を放置すると偽関節となり、骨癒合が望めない状態になってしまいます。
偽関節になるとグリップを握った際に傷みがでたり、骨片が神経を圧迫したり、腱の断裂を引き起こす可能性があるため、骨片を除去する手術がすることがあります。
運動中にグリップを握ると痛みが出る、しびれがでるなどの症状があれば、受診をおススメします。
当院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。
大阪市 平野区 加美北 1-1-11
06-6755-6751
参考文献
1)上羽 康夫:手 その機能と解剖,金芳堂,1996
2)田中 寿一:有鈎骨骨折. 最新整形外科学大系,第15巻A, 6章その他の手根骨骨折, 中川書店,p.231-234(1999)