はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
今回は変形性股関節症についての2回目です。
前回は変形性股関節症の原因や症状、検査を説明しました。
今回は検査の最期、レントゲンによる分類を説明します。
1回目の変形性股関節症とは何かについても是非お読みください!とは何か
↓
レントゲン(X線)検査による病期分類
変形性股関節症はレントゲン検査によって、4つの病期に分けて考えられます。
①前股関節症
:関節軟骨のすり減り(不適合性)はまだ見られず、関節面の隙間も正常に保たれている状態。
②初期股関節症
:わずかに関節軟骨のすり減りが見られ、部分的に関節面の隙間が減少する。
③進行期股関節症
:関節軟骨がさらにすり減り、関節面の隙間もさらに減少する。この時期から関節の周りに骨棘という棘のようなものが生じる。
また、軟骨下骨に骨のう胞(変形性関節症などの人に見られる骨の穴。損傷した軟骨部から骨の溶解を起こす関節液が進入することで生じる)が生じる。
④末期股関節症
:関節面の隙間が無くなり骨同士が接触するめ、大腿骨頭の変形が高度になる。
大部分の症例において、レントゲン検査像で確認される変形程度と臨床状態の悪化は比例しています。
そのため、前股関節症では痛みは少ないものの、進行に従い股関節痛や可動域制限が大きくなります。
しかしながら、レントゲン像の病期と症状とが一致しない例もあります。
また、同じ進行期でもその痛みの程度や生活上での障害も個人差が見られます。
末期の状態では変形が進行して、関節が動かなくなるため、骨が安定して痛みが感じにくくなることがあります。
治療
変形性股関節症の治療は初期であれば保存療法(生活指導・運動療法・薬物療法)が取られます。
生活指導では、股関節にかかる負担を減らすことを第一としています。
そのためには、以下のことが重要です。
・食生活に太りすぎなどの肥満対策
・長時間の起立や長歩きを避ける
・杖の使用
運動療法は筋力強化を目的とし、殿筋群や大腿四頭筋、ハムストリングスを鍛えることが重要です。
痛みが出ると、足をかばって歩かなくなるため、筋力が低下します。
しかし、股関節を安定させるためには、股関節周囲の筋力が必要です。
歩かないから、筋力が下がり、歩けなくなり、さらに筋力が低下するといった悪循環に陥ります。
筋力強化運動を行い、この負の連鎖を断ち切ることが重要です。
痛みが強い際は、湿布などの貼付剤や内服による痛み止めなどがその軽減に役立ちます。
当院では
当院では日常生活指導と共に運動療法に力を入れています。
現在の状態に適した筋力強化の方法や継続できるメニューを説明します。
また、動かさないことで硬くなっている関節周囲筋の可動性を上げることも必要です。
そのため、ストレッチを行い柔軟性の回復を図ります。
おわりに
変形性股関節症は多くの場合、保存療法が選択されます。
適切な運動療法や生活指導などによって、痛みの軽減がよくみられる疾患です。
変形した股関節は以前の様に戻らないものの、早期に発見することで、対処の幅が広がります。
股関節に痛みのある方は1度ご相談下さい。
当院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。
大阪市 平野区 加美北 1-1-11
06-6755-6751
参考文献
1)高窪 祐弥(他):変形性股関節症のリハビリテーションに必須の評価法と活用法.日本リハビリテーション医学会.vol.54. No11,p849-853,2017
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/54/11/54_849/_pdf/-char/ja
2) 日本整形外科学会.変形性股関節症診療ガイドライン2016.Mindsガイドライン
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/minds/osteoarthritis-of-the-hip/osteoarthritis-of-the-hip.pdf
3)松本 大成(他):変形性股関節症に対する歩行バランス法を用いた保存的治療.整形外科と災害外科.vol.61. No4,p822-827,2012
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai/61/4/61_822/_pdf/-char/ja
4)内藤 正俊:変形性股関節症.最新整形外科学大系,16巻, 8章股関節部の疾患,中川書店,p272-285,1999