はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
今回は、がん患者さんの治療に関する論文を読んでみました。この論文では、がん患者さんへの治療における「心身への気付き」が取り上げられていますが、がん患者さんに対する治療と腰痛や肩こり、自律神経失調症などの治療も共通することが多いのです。
というか、基本的には同じ構造を持っています。今回はこんなお話しです。
自分の心身(心と身体)について考えることは自分の痛みをコントロールしたり、健康を維持するためには重要なことなんですね。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南西、平野区と生野区の境目にある加美北地区にあります。はりや筋膜リリース、整体、そして認知行動療法的なかかわりを通して患者さんの痛みの施術を行なっております。最寄りの駅は地下鉄千日前線南巽駅1番出口から徒歩1分のところです。
北巽は一つ手前の駅です。北巽ではなく南巽で下車してくださいね。北巽から南巽までは徒歩で15分ぐらい歩きますよ。だから間違えないでくださいね。小川鍼灸整骨院は地域でおすすめの整骨院を目指しています。
執筆担当は小川です
http://www.korikori.com/staff/
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
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内容
がん患者さんの痛みの治療は難しいものです。その理由として、患者さんご自身が、ご自身の痛みをすべてがんに関連した痛みとして解釈してしまうからです。
しかし、痛みというのはそもそも主観的な体験ですので、身体に実際に生じている実際の痛みに加えて、不安や心配、思い通りにならないことへの怒りなどの感情が一緒になって感じられるものです。
だからがん患者さんの痛み治療において治療効果をより効果的に引き出そうとした際には、
がんそのものの痛みと、それに対する心理的な反応を、患者さん自身がうまく分離して理解でき、心理的な反応についてコントロールできるようになれば全体的な痛み(辛さ)を小さくすることができるということです。
この作業が成功すると、治療がポジティブな方向に向いていくのですが、この論文ではそのことを「患者の健全な部分を引き出し生きる力を再生する(リジェネレーション)アプローチ」と表現しています。
この論文ではその気づきについて、がん患者さんでもよく発症するとされる筋膜疼痛症候群(MPS)の例を取り上げて説明しています。MPSの患者さんが痛みを訴える部位をエコーで観察して筋膜が癒着していることを確認します。その部分に生理的食塩水の注射を行ない、筋膜がはがれたことと同時に痛みが軽減したことを視覚的に確認するのです。
そうすることで患者さん自身が、「自分の痛みはがんによる痛みだけではないんだ、痛みをうまくコントロールできれば痛みが小さくなってこの先の生活がらくになるかも」と、将来に明るい展望が開ける可能性が高まるというのです。
これが「患者の健全な部分を引き出し生きる力を再生する(リジェネレーション)アプローチ」です。
当院の解釈
今回の論文では、当院でも基本とする筋膜リリース理論・認知行動療法の理論を用いていますので紹介させて頂きました。
3ヵ月~6ヵ月以上続く慢性的な痛みはうつ病の併発の可能性が高いとされています。その逆に、うつ病の患者さんでは3ヵ月~6ヵ月以上続く慢性的な痛みを患っていることが多いという報告があります。
つまり、痛みと精神状態はコインの裏表のようにセットになっているのですね。
もし患者さんが、ご自身の痛みについて、コインの裏表のように痛みと心理社会的な要因と関連を持っていることに俯瞰して(いっぽ引いた目線で)理解することができれば、痛みがうんと楽になるのです。これが当院の考えです。
今回の論文はがん患者さんの痛みについて取り上げていますが、痛みを持つ患者さんなら、どんな病気の患者さんでも同じです。
ご自身の痛みについて一歩引いた目線で考え、どこからどこまでが身体の痛みでどこからどこまでがそれ以外の痛みなのかを理解できれば、コントロールできる部分とそうでない部分が明確になる。
コントロールできる部分の痛みに気付くことができて、そしてその痛みを実際にコントロールできるようになれば痛みは治療前より小さくなり、ご自身が描いている未来に近づけることができるようになります。
多くの患者さんがこのような経験をされています。
ただ、そうなるためには痛みに対する「患者さん自身の気付き」が必要なのですね。
小川鍼灸整骨院での治療の中ではこの気付きが得られるようにお手伝いさせて頂きます。当院が行なうのは、認知行動療法の考え方を応用したかかわりです。
はりや整体、筋膜リリースを用いて身体の痛みに対処しながら、患者さんの心理社会的な痛みも理解して、会話の中で患者さん自身の痛みに対する気付きを促すようにしていきます。
おわりに
大阪市の平野区、生野区界隈で長年続く肩こりや腰痛、どこに行っても良くならない痛み、自律神経失調症や不定愁訴、原因の分らない痛み、がんによる痛みでお悩みの方は是非とも当院にご相談下さい。はり・筋膜リリース・整体などでみなさまの痛みを施術しながら、みなさまの心と身体に対する気付きを促していきます。当院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。
参考文献
蓮尾 英明:がん患者の近近膜性疼痛に対する心身の気づきを用いたアプローチ.バイオフィードバック研究, 44 巻 2 号, p. 77-82 ,2017 .
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjbf/44/2/44_77/_pdf/-char/ja