はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。今回は、「運動後の筋疲労回復処置がストレスマーカーに及ぼす影響」と言う論文を紹介します。
小川鍼灸整骨院は大阪市の平野区と生野区の境目で加美北地区にあります。最寄りの駅は地下鉄千日前線南巽駅で、①出口から徒歩1分です。はり治療や筋膜リリース、整体などの治療を行なっています。
執筆担当は川畑です。
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内容
筋疲労回復の代表的な処置としてストレッチングがあ り、スポーツ前後やリハビリ等、さまざまな場面で利用 されている。
その効果として、筋緊張緩和、関節可動 域の拡大、血液循環の促進といわれている。
また近年では、筋腱における 障害の予防、筋肉痛の緩和、パフォーマンスの改善の効果が得られるという報告もある。
筋疲労を回復させることを目的としていくつかの方法が示され、実際の現場で行われているが、処置後の筋疲労回復を示す指標はなく、処置の効果を確認することは難しい。
筋疲労回復の程度をより簡便に評価することができれば、処置の選択やその後のパフォーマンスを評価する上でも有効な手段となりうる。
そのため、筋疲労の回復を簡便に評価する方法として、唾液から分析できるストレスマーカーが着目され、研究が行われた。
唾液中のアミラーゼの分析は、身体的ストレスの評価として使用されており、非侵襲的であり、簡便性に優れるている。
また、筋疲労のような局所的な疲労とは異なり、全身疲労とストレスの関連性については示唆されており、全身疲労の 1 つの評価として唾液アミラーゼの有効性が期待されているという背景もある。
つまり、局所的な筋疲労においても運動というストレスが加わることで唾液アミラーゼの値に変化が起こる可能性が考えられ、筋疲労回復処置後に一定の結果が得られれば、1 つの指標となる可能性がある。
対象および方法
一般健常大学生 10 名
筋疲労を引き起こすための課題として、自転車エルゴメーターでの全力駆動を行わせ、運動終了後に 8 分間の休息を取らせた。
この 8 分間の休息時間のうち、最初と最後の 1 分を唾液採取の時間とした。
その間の 6 分間にストレッチング・安静臥位・振動刺激の 3 種類の筋疲労回復処置を実施した。
10 名の対象者全員に 3 種類の筋疲労回復処置を実施するため、2 日間の間をあけながら 3 つのパターンでの課題を実施させた。
結果
ストレッチング・安静臥位・振動刺激の全てにおいて運動後と処置後の間に差が認められた。
ストレッチング・振動刺激において、運動開始前と運動後の間に差が認められた。
運動開始前と処置後の間においては 3 つの処置すべてにおいて、差は認められなかった。
今回の結果では運動後と比べ、処置後において唾液アミラーゼの値が有意に低下した。
この理由として、
①処置により筋疲労の回復が図られた
②比較的負荷強度の強い運動課題というストレスから解放されたという心理的なストレスの影響
という 2 つのものが考えられる。
結論
短時間激運動後に筋疲労回復処置を実施し、身体的ストレスの指標である唾液アミラーゼが筋疲労回復の指標としての有用性があるかを検討した。
今回の結果では、3 つの筋疲労回復処置において、運動後と筋疲労回復処置後において有意な唾液アミラーゼの低下が起こった。
当院の見解
ストレッチングの効果は当院のブログでも過去に取り上げており、優れた疲労回復方法であると共に、予防的側面もある方法です。
腰痛予防体操について
http://www.korikori.com/wp-admin/post.php?post=2244&action=edit
ストレッチの介入が足趾把持力に及ぼす影響
http://www.korikori.com/wp-admin/post.php?post=2399&action=edit
そのため、当院でもストレッチングを取り入れた治療を行っております。
当院では整形外科理論から患者さんの痛みの原因をしっかりと見極めて、患者さんに最適な治療をご提案しています。
おわりに
小川鍼灸整骨院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。
参考文献
久保田喬之(他):運動後の筋疲労回復処置がストレスマーカーに及ぼす影響.埼玉県理学療法士会,21 (1) , 56~58,2014
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ptcse/21/1/21_56/_pdf/-char/ja