はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
運動後、筋肉痛が2日後くらいに遅れてやってきたことはないでしょうか?
「若い頃はすぐに来たのに、遅れるなんて…歳かな?」と不安に感じる人もいるかもしれません。
結論から言うと、加齢で筋肉痛が遅れて来るわけではありません。
遅れて来る原因には理由があります。
今回は筋肉痛が遅れて来る原因を説明します。
筋肉痛のメカニズム
筋肉痛のメカニズムは医学的にはっきりと分かっていませんが、現在以下の様に考えられています。
運動によって筋肉の線維(筋線維)が損傷すると、その傷ついた組織を修復するために白血球を中心とした血液成分が集まります。
その修復過程で炎症が起き、その時に痛みを引き起こす物質(ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなど)を出します。
この痛みがいわゆる筋肉痛です。
痛みが遅れてくることから遅発性筋痛ともよばれます。
筋肉痛の原因
遅発性筋痛の主な原因は、伸長性収縮を中心とした筋運動や高強度、高負荷をの運動によって起こります。
伸長性収縮運動とは筋肉が収縮方向とは逆方向に引きのばされながら力を発揮する運動です。
例えば、坂道や階段を下る際などです。
この時、太ももの前面の筋肉(大腿四頭筋:膝を伸ばす筋肉)は膝を曲げることで引き伸ばされながら、かつ曲がりすぎないよう収縮しています。
また、比較的弱い力でも持続的な運動や筋力が低下していると筋肉痛は起こりやすくなります。
筋肉痛がおこるタイミング
遅発性筋痛がおこるタイミングには年齢差というより個人差や運動習慣、行う運動の種類や強度による違いが大きいようです。
また、傾向としては運動強度が高いほど短時間で筋肉痛は発生し、低いほどゆっくりとやってくるようです。
つまり、歳をとると筋力が低下するため、激しい運動はせず、強度の低い運動を行う事が増えます。
そのため、起こる筋肉痛はゆっくりと出てきます。
おわりに
筋肉痛が遅く出る原因に、年齢は関係ありません。
そのため、遅れて出たからといって落ち込んだり、気にする必要もありません。
普段使っていない、或いは普段以上に筋肉を使ったからこそ遅発性筋痛がおこったと言う事です。
遅発性筋痛は自身の筋肉のパフォーマンスを表す一つの指標です。
これを機に生活や運動量を見なおし、楽しく運動を継続出来ればいいと思います。
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参考文献
1)久保下 亮(他):遅発性筋肉痛における筋硬度と筋力との関係 .
理学療法学Supplement.vol.39. No2,p1397,2012 .
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2011/0/2011_Cb1397/_pdf/-char/ja
2)玉里 祐太郎(他):荷重負荷を用いた階段下り歩行時におけるケイデンスの違いが
下肢の遅発性筋肉痛に及ぼす影響.日本生理人類学会誌.vol.22. No4,p185-191,2017 .
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpa/22/4/22_185/_pdf/-char/ja