はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。今回は首の痛みと背中の痛み、特に朝起きたときの首の痛みでお困りの患者さんが改善した事例(ペインスケールは10→0)について報告させて頂きます。
患者さんについて
Lさん: 60歳 女性 職業 飲食店勤務
主訴:背中の痛みと特に朝起きたときの鋭い首の痛み
初めての首の痛みは半年前からだそうです。当時は右手のしびれも感じたが1週間ほどで治りました。今回の痛みは1週間ほど前からあり、特に痛くなったのは初診の前日で、寝違いのような首の痛みが出てきたそうです。
「1ヵ月前は日にち薬で治ると思えたけど首から肩の上、背中にまで痛みが広がっているような気がして今はそう思えない。以前の腰痛が首にやってきているのかな、首がズレている?首を動かすと音が鳴っているので、あるべき位置に首がおさまっていない感じがする」
とLさんは話しました。
施術と結果
筋膜リリースと整体週に 2回 4×週間
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ペインスケールは10→0になりました。
Lさんの痛みは順調に下がっていきました。途中、治療と治療の間の日(6回目と7回目の間)に首の痛みがすごく強くなった日があったそうですが、その前後はほぼ痛みはありませんでした。
なぜよくなったのか?
Lさんの痛みは、年齢、首を上に向けることで背中に痛みが走ること、腕に痛みがあること、動き始めに痛みがあることなどから、骨・関節・軟骨の変性が筋肉を緊張させて出てきたと考えられます。それに加えて、精神的素因も考えられます。
肩こりの種類(原因)については↓のブログをご参照ください。
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もちろんLさんの場合も、生活背景にも何らかの原因があると思いますが、Lさんとの会話のなかでは明確になりませんでした。
骨・関節・軟骨の原因と筋肉の原因に対しては筋膜リリースと整体が効果をあらわしたと考えられます。
関節の痛みが筋肉を収縮させて筋膜の癒着や血流障害を引き起こすのですが、筋膜リリースがそれらを解消します。特に首を持ち上げる筋肉は姿勢保持筋と呼ばれて重くだるい痛みを起こしやすいです。その筋肉への筋膜リリースは効果的だったと考えられます。
また、整体は変性して可動域が狭くなった関節を動かし、可動域を取り戻します。可動域いっぱいに関節を動かさないと、変性した関節は少しずつ硬くなり、背中は丸くなってきます。
この丸くなった背中は更に姿勢保持筋の緊張を促しますので、整体で可動域を維持することは重要です。しかし、今回のLさんに対する直接的な効果としては二次的なものでしょう。
今回のLさんの首から背中の痛みの軽減には特に、精神的素因としての恐怖回避思考が修正されたことが考えられます。
Lさんは、自分の首がしっかりと収っておらず、何かの拍子で骨が外れてしまうのではないか?というような不安があったと話しました。
整体で可動域いっぱいに関節を動かし、「こんなに動かしても大丈夫なんだ」と実感できたLさんは急に首への不安が小さくなりました。2回目の施術のときでした。
その後Lさんの首の痛みは順調に小さくなっていきましたが、6回目から7回目の間に大きな痛みを感じたとのことです。しかし、その痛みはまた小さくなりました。
最終的にLさんは痛みの評価を0としましたが、その理由は「痛みのなかった時にもどったので0とした。全く痛みがないというところまでは無理だと思う、こんなもんでしょ?」と十分にやり過ごすことができそうな痛みに落ち着いたからと話してくれました。
筋膜リリースと整体に加えて認知行動療法的なかかわりで痛みに対する不安(恐怖回避思考)が小さくなったことにより、Lさんは納得できたのだと考えます。
認知行動療法的なかかわりによる施術の効果に関する過去のブログはこちら
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遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
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おわりに
大阪市の平野区、生野区界隈で、背中の痛み・首の痛みにお困りの方はどうぞ小川鍼灸整骨院にご相談ください。
鍼・筋膜リリース・整体と同時に認知行動療法をに応用していています。
執筆担当は小川でした。
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当院はコロナウイルス感染に対応中です。「3つの密」に対する対策をしっかりと行っています。
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※内容につきましては、プライバシーに配慮して、話しの構造が変わらない程度に性別や年齢、職業、具体的な社会的背景などを加工しています。
参考文献
山下裕 他):慢性頸部痛患者の破局的思考と運動恐怖感は能力障害に影響するか?-発症起点の有無を考慮した横断的検討-.ヘルスプロモーション理学療法研究, 8 巻 3 号 p. 101-106,2018.