はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
膝の痛みを抱える中年期のスポーツ愛好家の方々は多いです。
中年期までスポーツを楽しむと、それまでの間に膝を痛めることもよくありますね。
今回はどこに行ってもよくならなかったスポーツによる膝の痛みを持つ患者さんが、4回の施術で改善した事例(ペインスケールは10→3)を報告します。
中年期のスポーツ愛好家の方で膝の痛みにお困りの方はどうぞ参考にしてください。
内容は以下の通りです。
・患者さんについて
・施術と結果
・なぜよくなったのか
・おわりに
・参考文献
また当院では、
無料相談を受け付けています。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南東、平野区と生野区の境目、南巽・加美北地区、南巽駅近くにある鍼灸・整骨院です。地域で一番おすすめの整骨院、日本で一番身近な整骨院を目指しています。
患者さんについて
Sさん: 48 歳 男性 職業 公務員
主訴:左膝の痛み
3ヵ月前に野球のプレー中にスライディングした際に、自分の左膝頭を相手選手にスパイクの上から踏みつけられた。その1週間後に外科を受診。皮膚の挫滅創があったために安静指導され、塗り薬をもらって安静にしていた。
しかし、1~2週間経過しても良くならないためにもう一度外科受診してリハビリを受けたが良くならず、MRI検査を行なったところ、「ちょっとキズみたいなものがある、水がたまっている」と診断され、その後に電気治療を受けたけれども良くならない。
曲げたときのつっぱった感じが気になり曲げにくい。これがなかなか治らない。外科では一貫して「安静に」といわれたので動かさなかったとのことです。
「普通に走ったり、スポーツできるようになりたい」というのがSさん希望でした。
施術と結果
施術は、膝周辺組織への筋膜リリースを2週間に4回行いました。
当院の施術メニューはこちら↓↓↓
その結果、膝の痛みや張った感じは10→3になり、2週間後の試合に参加できました。
なぜよくなったのか
ポイントは以下の3つです。
①痛みの原因が半月板ではなく筋膜だった
②施術により膝全面の筋膜の状態が整った
③Sさんの不安が解消した
Sさんは医師から半月板損傷と診断されていましたが、実は膝前面の筋膜の異常だったと考えられます。そのことをしっかりと説明して、4回の施術を行うことで膝全面の筋膜が整いSさんの不安も解消しました。
以下に詳しく解説します。
まずSさんは自分の膝について、「じっとしていると固まってしまうような気がする。ケガしたときは表面が痛く、それからずっと触れただけで皮膚に痛みを感じる。膝が曲がらない、この張った感じはここにあるはずもない筋肉がのっかってきたみたい。そんな感じがする」
と話しました。まず初診時にSさんの膝の所見をとってみると、大きな異常はありませんでした。
膝表面の感覚は敏感になっていますが、安静時にはたまにチクッとする膝の痛みを感じることと、深く曲げたときにつっぱり感を訴えるだけなのです。
Sさんに対する私の診立ては、膝頭を強く打ち付けた際に膝頭の皮膚の下にある膝蓋前滑液包が炎症を起こし、内部で傷ついた結合組織(fascia:ファッシア)が癒着を起こしたということです。そして過度の安静のために可動域制限が出たと考えられます。
Sさんは膝の痛みに対して心配が大きいように見受けられましたが、その不安は医師の診立てからきていると考えられます。
MRI検査の結果、Sさんは水がたまっていることと、半月板の異常を指摘されました。スポーツ選手にとって半月板損傷はスポーツ生命に関わる重病であることは、メディアを通じてよく知られることです。
Sさんは自分が半月板損傷だと思い込んでいました。このことが結果としてSさんの重症感をあおってしまうことになったのだと考えられます。
また、安静に徹することによって関節の拘縮、つまり可動域の低下につながったのでしょう。
半月板損傷はMRI検査で確認できますが、実際には半月板損傷がないにもかかわらずあるように見えることがあります(アーチファクトといいます)。
ですので重要なのは、画像だけでなく、スポーツ時に受傷した時の力の加わり方(受傷機転)など総合的に考えることが重要です。結果論になってしまいますがSさんの場合、半月板損傷はなかったか、小さかったのだと考えられます。
また「水がたまっている」という医師の発言はもしかすると関節の中ではなく、皮膚の下にある滑液包に水がたまっているということだったかもしれません。
さらに、医師が安静を指導したこともSさんの不安をあおり、症状の回復やスポーツへの復帰を遅らせた原因と考えられます。比較的まじめな性格傾向であるSさんは、医師の言いつけをしっかりと守った結果、関節を安静にしすぎたのです。
そのことを察知して当院ではSさんの膝の状態と心の状態にしっかりと向き合った施術を行ないました。
具体的には、膝の張った感覚の原因を考え直し、Sさんが膝の状態にどんなイメージを持っているのかを詳しくお伺いし、関節をしっかりと動かしながらできるだけ動くように指導しました。
その結果、Sさんは2週間後にスポーツに復帰できました。
ここには慢性的な痛みに対して有効性が確認されている心理療法「認知行動療法」が応用されています。
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
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おわりに
大阪市の平野区、生野区・南巽界隈でどこに行ってもよくならない膝の痛み、スポーツ障害、半月板損傷でお悩みの方はどうぞ小川鍼灸整骨院にご相談ください。
鍼・筋膜リリース・整体と同時に認知行動療法を半月板損傷の施術に応用していています。
当院は大阪市の平野区と生野区の境目にある南巽・加美北地区、地下鉄(大阪メトロ)千日前線南巽駅1番出口から徒歩1分のところにある整骨院です。北巽駅ではなく南巽駅ですのでどうぞお間違えなくご来院ください。
当院の患者さんは、平野区、生野区、東住吉区、城東区、それに周辺の八尾市、東大阪市渋川町、寿町、衣摺などから来院されています。
参考文献
久我尚之・王享弘:膝半月板損傷のMRI診断.整形外科と災害外科, 45:(4)1029~1031,1996.