中足骨骨折でもバレエ復帰は可能?ギプスなしで発表会に出た実例と条件を解説

 

(2026年月日更新)

この記事の執筆・監修 ポリシー

小川貴司
柔道整復師 / 鍼灸師 / あんまマッサージ指圧師
医療人類学修士(身体症状と心理社会要因の研究)

臨床経験30年以上
症例数15,000件以上

所属学会全

・日本鍼灸学会

・日本統合医療学会

・日本心身医学会

・日本認知行動療法学会

医療連携:整形外科・内科と提携して原因精査を実施

情報の正確性:学術論文および国内診療ガイドラインに準拠

 

はじめに

 

小川鍼灸整骨院のブログをご覧いただきありがとうございます。

 

今回は、バレエの発表会前に中足骨(足の甲の骨)を骨折して、医師よりギプス固定を提案されて困っているバレリーナの治療経験を紹介します。

 

バレエはトウシューズを履いて演技するために足の各関節可動域は非常に重要で、足への負担も大きいです。

 

しっかり治さないと痛みを残すこともありますが、過度な固定は関節が硬くなりバレエ復帰の時期が遅れるという懸念もあり、お困りのバレリーナは多いです。

 

整形外科医がギプス固定を提案するのは、早く骨折部分がくっつように考えた結果ですが、条件次第では動かす方が良い骨折もあります。

 

今回はあえてギプスなしで治療して良い結果を得ることができましたのでその施術方法について報告します。

 

「できるだけ早く復帰したいけど安全か不安」

 

「早期復帰の方法を知りたい」

 

「固定しない方法で治したい」

 

とお考えのバレリーナの方はこのブログを参考にしてください。

 

条件を満たす場合に限り、固定を最小限にして機能を保ちながら回復を目指す治療も選択肢となります。

 

内容は以下の通りです。

・結論

・バレリーナのNさん(37歳女性)について

・整形外科の標準的な治療

・当院での判断と施術について

・結果

・リスクと注意点

当院のクチコミ

・まとめ(おわりに)

・FAQ(よくある質問)

・参考文献

 

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整形外科・リハビリ科と連携しながら、「どこへ行っても改善しなかった痛み」 に対して多角的にアプローチしています。

 

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結論

 

適切な条件下では「機能を保ちながら回復を目指す選択肢」もある。

 

・中足骨骨折は通常ギプス固定が標準治療
・条件によっては機能的治療も可能
・ただし適応判断が重要

 

バレリーナのNさん(37歳女性)について

 

患者さんは37歳女性のNさんです。2日前にバレエの練習中に左足を捻り、整形外科受診したところ第5中足骨の骨折と診断されました。

 

受傷当時の外観とレントゲン画像は以下の通りです。

 

 

 

 

この骨折に対してギプス固定を提案されましたが、1か月後にバレエの発表会があり、ギプス固定を行うと発表会に間に合わないと考えて、ギプス固定を行わないで治してくれる治療家を探して当院にたどり着きました。

 

Nさんは、「この発表会のためにこの半年間準備をしてきたのに舞台に立てないなんてあり得ない。最悪トウシューズは履けなくてもいいので、自分の配役を変えてもらっても発表会に出たい」と話してくれました。

 

このお言葉にはNさんのバレエに対する情熱が感じられました。

 

1か月後の発表会とのことでしたが、治るまでの期間としては1~2週間足りないぐらいの期間です。

 

しかし、この情熱に応えて何とか施術させてもらうことにしました。

 

整形外科の標準的な治療

 

骨折に対する整形外科的な治療は、固定とリハビリです。

 

一定期間固定を行うと、関節は拘縮を起こし(文献1)、関節のバランス感覚は鈍ってしまって筋力も低下(文献2)します。だからリハビリとして関節可動域を広げて、バランス感覚と筋力を回復させるためのリハビリが必要になります。

 

転位のない中足骨骨折には、4~6週間の短下肢歩行ギプス、または3週間の非荷重ギプスとその後の3週間の歩行ギプスを行うという報告(文献3)があります。

 

当院での判断と施術について

 

Nさんの中足骨骨折に対して、当院では1)弾力包帯固定を行い、2)足の内側で歩くように指導しました。

1)弾力包帯

弾力包帯はギプス固定に比べると固定力はほとんどありません。それにもかかわらず弾力包帯固定を行った理由は、①Nさんの骨折部の痛みが比較的に小さく、まがいなりにも歩けていて骨折部分の安定性が高いと見られたこと、②レントゲン画像では骨折部分の接地面が広くそのために骨がくっつきやすい(文献4)斜骨折であったこと、③関節を固定するよりも荷重をかけながら治療する方が回復が早いとする科学的根拠(文献5、6)があることです。

 

2)足の内側で歩く

足の内側で歩くようにすることで、骨折部分である第5中足骨にかかる外側の負荷を軽減させるようにしました。

 

Nさんには絶対に間に合うという保証はできないまでも、発表会の舞台に立つことを目標として施術を開始しました。

 

 

3)オイルマッサージ

 

骨折部分は治るために炎症を起こしますが、それと同時に腫れとむくみが起こります。腫れやむくみがあると機能回復が遅れますので、それらを解消するために、痛みのない程度の強さで患部をオイルマッサージしました。

 

 

結果

 

Nさんは発表会に舞台に立つことができました。当日はポワントと呼ばれるつま先立ちを行うことはできませんでしたが配役を変えて自分の役を演じることができました。

 

発表会2日前のレントゲン画像は以下の通りです。

 

 

画像上では完全な骨癒合は得られていませんが、骨折部分のズレがないことや4週間が経過していることから、骨折部分は軟骨としてくっついていると考えられます。

 

これは軟骨内骨化といいまして骨が完全にくっつく前の状況です(文献7)。

 

この時期にジャンプからの着地などの過度な力が骨折部分にかかると再骨折する可能性はありますが、Nさんは演じる役割を変更して負担を小さくしたことで発表会の舞台に立つことができました。

 

Nさんの結果がすべての方に当てはまるわけではありませんが、今回は良い条件が整ったと考えます。

 

リスクと注意点

 

まずは医師の診断を受けてレントゲン検査を行い、骨折部分の状態を確認・評価することが重要です。骨折部分が不安定な横骨折の場合、無理に体重をかけると骨癒合が滞って「偽関節」と呼ばれる骨がくっつかない状態になってしまします。

 

こうなると手術が必要になります。

 

また、安定性のよい斜骨折であっても動きすぎると骨折部分にズレが生じますので注意が必要です。

 

今回のNさんは骨折部分の安定性が高かったことが良い結果につながったといえるでしょう。

 

大事なことは、骨折部分の状況や活動の高さを正確に見極めて、安全な範囲で動くということです。

 

その見極めが当院の強みと言えます。

 

遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致しますのでお気軽にご相談ください。(但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。)

 

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当院のクチコミ

 

当院ではこれまで、どこに行っても良くならない多くの患者さんの施術を行ってきました。

 

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まとめ(おわりに)

 

バレリーナの足の骨折は、その表現方法や足の使い方から、非常に繊細な配慮が必要なります。「できるだけ早く復帰したいけど安全か不安」「早期復帰の方法を知りたい」「固定しない方法で治したい」とお考えのバレリーナの方は選択肢の一つとしてこのブログを参考にしてください。

 

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FAQ(よくある質問)

 

質問1)中足骨骨折はギプスをしなくても治ることはありますか?

回答)

転位の少ない中足骨骨折では、必ずしもギプス固定が必要とは限らず、状態によっては弾力包帯や装具を用いた「機能的治療」が選択されることもあります。実際に、軽度の骨折ではギプス固定と比較して機能的治療の方が早期の回復や日常生活復帰が早かったとする報告もあります。

ただし、すべての骨折に当てはまるわけではありません。骨折のズレが大きい場合や不安定な骨折では、適切な固定を行わないと骨がくっつかない(偽関節)リスクがあるため注意が必要です。

本記事の症例でも、骨折の安定性や痛みの程度を評価した上で、条件を満たしていたため固定を最小限にした治療を選択しています。まずは医療機関で骨折の状態を正確に評価することが重要です。

質問2)中足骨骨折からどのくらいでバレエに復帰できますか?

回答)

一般的には中足骨骨折の回復には4〜6週間程度の固定期間と、その後のリハビリが必要とされています。ただし、バレエのように足への負担が大きい競技では、完全な復帰にはさらに時間がかかることもあります。

一方で、骨折の状態が安定している場合には、負担をコントロールしながら段階的に動くことで、通常より早く日常動作や軽い活動に復帰できるケースもあります。

本記事の症例では、完全な骨癒合前の「軟骨でつながっている段階」で、役割を調整しながら舞台に立つことができました。ただし、このような対応は再骨折のリスクも伴うため、骨折の状態や活動内容を踏まえて慎重に判断する必要があります。

質問3)骨折をできるだけ早く治すためにはどうすればいいですか?

回答)

骨折を早く回復させるためには、「骨折部の安定性を保ちながら、適切な刺激を与えること」が重要です。完全な安静だけでなく、状態に応じて適度に動かすことで、血流や骨の再生が促進されることが知られています。

ただし、動かしすぎると骨折部にズレが生じ、かえって治癒が遅れる可能性もあるため、自己判断は危険です。特に不安定な骨折では、固定が必要になります。

本記事の症例では、骨折部への負担を減らしながら歩行方法を調整し、必要最小限の固定で治療を行いました。大切なのは、「どの程度まで動かしてよいか」を専門的に判断することです。

 

参考文献

 

文献1 Kunz RI, Coradini JG, Silva LI, Bertolini GRF, Brancalhão RMC, Ribeiro LFC. Effects of immobilization and remobilization on the ankle joint in Wistar rats. Braz J Med Biol Res. 2014;47(10):842-849.

文献2 Lundbye-Jensen J, Nielsen JB. Immobilization induces changes in presynaptic control of group Ia afferents in healthy humans. J Physiol. 2008;586(Pt17):4121-4135.

 

文献3 Agrawal U, Tiwari V. Metatarsal Fractures. StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2023.

 

文献4 Claes L, Heigele C. Magnitudes of local stress and strain along bony surfaces predict fracture healing. J Biomech. 1999;32(3):255-266.

 

文献5 Biz C, Zamperetti M, Gasparella A, et al. Early radiographic and clinical outcomes of minimally displaced proximal fifth metatarsal fractures: cast vs functional bandage. Muscles Ligaments Tendons J. 2018;7(3):532-540.

 

文献6 Zenios M, Sampath J, Colegate-Stone TJ, et al. Functional treatment of acute metatarsal fractures: a prospective randomised comparison of management in a cast versus elasticated support bandage. Injury. 2005;36(7):832-835.

 

文献7 Einhorn TA. The science of fracture healing. J Orthop Trauma. 2005;19(10 Suppl):S4-6.

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