はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
今回はヘルスケア領域の末端に位置する鍼灸師・柔道整復師の立場から、
ヘルスケア領域のリーダーである西洋医師(医師)の先生に向けて、
私達代替医療者はどんな専門家で、
どんな患者さんに対して、
どんな治療をしているのかを紹介させて頂きます。
そして最後に、
代替医療者である私が患者さんのQOL向上ために、医師の先生方に対して希望することを述べさせて頂きます。
内容は以下の通りです。
・医療の多元性(ヘルスケア市場)とは
・代替医療で患者が治るカラクリ
・代替医療者って何者?
・代替医療ってインチキ?
・勉強しない方が治せる?
・ダマシ?本当に治すの?
・商売偏重の代替医療者
・心ある代替医療者
・連携のお願い
・おわりに
・参考文献
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小川鍼灸整骨院は大阪市の南東、平野区と生野区の境目、南巽・加美北地区、南巽駅近くにある鍼灸・整骨院です。地域で一番おすすめの整骨院、日本で一番身近な整骨院を目指しています。
医療の多元性とは
どの文化・社会にも科学的な西洋医療が存在しながらもそれ以外の医療が存在しています。この状況は「医療の多元性 Medical pluralism」とよばれています。
私達日本人は国民皆保険制度によって西洋医学が排他的に制度化された社会に住んでいますので、この医療の多元性について気付くことが難しいかもしれません。
西洋医学は、人間の身体を生物医学的に捉え、感染症や外傷についてめざましい成果を積み上げてきた素晴らしい学問です。
しかし、人間の病気や病気治しについて研究する医療人類学や医療社会学の領域では、
人間の病気や病気治しについて、単に生物医学的には考えません。その土地の文化や社会に根付いた方法や解釈によって行われてきたという歴史的な事実から、医療を単に生物医学的な問題として捉えないのです。
自然科学的な常識からは、西洋医学が科学的で絶対的に正しいのであれば、その他のインチキな代替医療は自然淘汰されると考えがちです。
しかし、医療の多元性は、その逆のことを教えてくれます。
つまり、西洋医学が人間の病気や病気治しについて科学的に考えれば考えるほど、それに違和感を感じる病者が増えて、西洋医学以外の方法で自分の問題を解決したいというニーズが高まるということです。
その代替医療に対する病者のニーズが医療の多元性を実現させることになります。医療の多元性は医療市場における顧客のニーズが反映されたものと考えることもできるでしょう。
代替医療で患者が治るカラクリ
代替医療の作用機序(カラクリ)を考える際に、まず設定するべきことは人間の病気が生物医学的な問題から心理社会的な問題まで幅を持って存在して、時に混在しているということです。
患者の問題が感染症や外傷などの純粋な生物医学的な問題であれば、それは代替医療で治ることは難しいと考えます。
(しかしその場合でも患者の精神的な変化が自律神経系や免疫系を介して、生物医学的問題を解決しえることは精神神経免疫学の観点からも説明されています※。)
その一方で患者の問題が心理社会的な問題の関与が大きいものであれば生物医学の効果は漸減していくことになると考えられます。そのことはつまり、代替医療が求められる下地をつくることになり、また代替医療には「患者の期待に下支えされた効果」があらわれやすくなります。
なぜなら、心身症や神経症と呼ばれる領域の疾患群は、患者の解釈や意味付けによって病気が実在したり病気が消失したりするからです。
これらのことから代替医療の作用機序(カラクリ)については次のように考えられます。
「代替医療者が意識的または無意識に行った治療としてのかかわりが、
免疫系、自律神経系の異常や患者の解釈が関係する心身症・神経症を有する患者に対して、
ポジティブに受け取られた結果、免疫系や自律神経系が望ましい方向に調整され、患者の主観的な問題が解消する。」
そして、このような現象は、西洋医療で改善しなかった患者さんに起りますので、
デフォルメされた代替医療の効果は治療に困った人達の間でさらに噂となり、
西洋医療に効果を感じない(感じにくい)患者は代替医療に流れることになります。
代替医療者って何者?
代替医療者は国家資格をもつ鍼灸師、あんまマッサージ指圧師、柔道整復師と、それ以外の療術師に分けられます。
後者には整体師、アロマセラピスト、カイロプラクター、オステオパス、各種エネルギー療法師、更にその土地の文化や風土に根付いた土着の治療者(例えば沖縄のユタや青森のイタコ)などがあります。
これらは更に、療術師が代替医療の国家資格を取得したり、国家資格を持つ代替医療者が療術を学ぶなどして多様化しています。
多様化の極端な事例としては、医師がエネルギー療法を学んだり、整体師が健康科学博士を取得したりすることにみられます。
「代替医療者は何者か?」と得体の知れない存在として感じられる理由の1つは、病気に対する解釈の仕方やそれに基づく治療の方法が、日本で制度化されて常識化している近代生物医学とは異なる解釈を持つからでしょう。
代替医療はインチキ?
常識的な西洋医療でも治らないと感じる患者さんやその家族は、何としてでも治りたい、治してあげたいという藁をもつかむ気持ちになります。
そのようなときには、常識的な西洋医療よりも非常識的な代替医療に魅力を感じるようです。
またその時の代替医療の臨床場面では、治りたいという患者の気持ちが治療効果にバイアスをかけるでしょう。非常識が魅力的に見えたり、実際に効果を感じているように見えることを「インチキ」というのでしょうか?
インチキとは一般的はごまかしや不正、本物ではないことを表す言葉のようです。
ここで代替医療の何がインチキなのかを2つの側面から整理したいと思います。
1つ目は、医療が患者の苦痛を取り除くためにあるということを重視すれば、その代替医療が患者の苦痛を取り除くのか取り除かないのか?という問題です。この問題上では、患者の苦痛を取り除かなければインチキということになります。
2つ目は理論的に正しいかどうか?という問題です。この問題を考えるときには、何に対して正しいのか、何に対して本物か?という基準が必要になります。ここで、西洋医学を基準にして正しいかどうかを問うのならば、これは西洋医学的には正しくないということになり、西洋医学の観点からはインチキということになります。しかし、この判断は本当に正しいでしょうか?そもそも、西洋医学とは全く異なるものが代替医療です。理論背景も異なります。だから、西洋医学と同じような正しさを持たせようとと考えること自体が間違いということになります。
勉強しない方が治せる?
医師という立場の医療者は他の有資格者よりも明らかに広く深く医学を学んでいると考えられます。
しかしたくさん勉強した医師の元でも改善しない症状を訴える患者さんは本当に多くいます。
そのような患者さんは医学的な問題よりも個人的な問題を抱え込んだ心身症傾向の患者さんだと私は認識しています。
心身症傾向の患者さんは非常に主観的な症状を訴えられます。
この心身症傾向の患者さんに対して、医学的な常識は通用しません。繰り返しになりますがその理由は患者さんの問題は主観的なところにあるからです。
しかし医学について多くを学んだ医師の先生方は、それゆえに医学の視点(メガネ)を外せなくなってしまいます。
医学のメガネでは患者さんの主観的な領域を覗くことはできません。
しかし、素人の視点(メガネ)は患者の主観を覗くことができるのです。
素人のメガネは専門的知識をもったとたんにその純粋性をなくして変質してしまいます。
つまり、専門知識をもつと患者さんの主観が見えなくなってしまうのです。
多くの代替医療者は医師の先生と比べると勉強の量は少なすぎます。
それでも患者さんを治すことができる理由は、患者さんの主観に寄り添うことができるメガネをもっているからだと私は考えます。
このメガネは医学を学ぶと曇ってしまうので、学ばない方が主観的な症状を訴える患者さんを治療できると私は考えています。
ダマシ?本当に治すの?
しかし残念なことは、このメガネが治療者の本来持っている人間性によって成立しているのであり、技術として体系化されていないということです。ですので、代替医療の治療効果は治療者の特性や患者との相性によって大きく左右されることになります。
商売偏重の代替医療者
心ある代替医療者
連携のお願い
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
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おわりに
大阪市の平野区、生野区・南巽界隈で、「どこに行ってもよくならない痛み」にお困りの方はどうぞ小川鍼灸整骨院にご相談ください。
はり・筋膜リリース・整体と同時に認知行動療法を施術に応用していています。
当院は大阪市の平野区と生野区の境目にある加美北地区、地下鉄(大阪メトロ)千日前線南巽駅1番出口から徒歩1分のところにある整骨院です。北巽駅ではなく南巽駅ですのでどうぞお間違えなくご来院ください。
当院の患者さんは、平野区、生野区、東住吉区、城東区、それに周辺の八尾市、東大阪市渋川町、寿町、衣摺などから来院されています。
参考文献