はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
今回は後骨間神経麻痺について解説します。
この疾患は比較的にまれですが、当院への問合せの割合は高いです。
病院で橈骨神経麻痺とか、後骨間神経麻痺と説明されたけどよくわからないという方のお役に立てたら良いなと思います。
内容は以下の通りです。
・原因
・症状
・病院での治療
・当院での施術(当院にできること)
・おわりに
・参考文献
また当院では、
無料相談を受け付けています。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南東、平野区と生野区の境目、南巽・加美北地区、南巽駅近くにある鍼灸・整骨院です。地域で一番おすすめの整骨院、日本で一番身近な整骨院を目指しています。
原因
腕や手首、指を動かしたり、感覚を司る神経は3本あり、そのうちの1つは橈骨神経です。
この橈骨神経のなかの運動を司る神経の枝が後骨間神経です。
後骨間神経は主に指を伸ばす筋肉を動かします。
そのため、この神経が何らかの原因によって麻痺をきたすと冒頭の写真のように指が伸びない状態になります。
原因は、この神経が圧迫されやす部位(フローセのアーケード)での神経の圧迫や、腫瘍・ガングリオンなどによる神経の圧迫です。
また、先天性の脱臼、外傷による肘付近での骨折や脱臼によっても神経が圧迫や牽引作用を受けて麻痺が生じます。
特発性(原因不明)として、テニスなどの前腕を回転させる運動を行うスポーツ、重労働などによるoveruse(使い過ぎ)が原因で神経に炎症や循環障害が生じることもあるそうです。
症状
後骨間神経麻痺の特徴は感覚枝が障害されていない為、感覚の異常はないとされています。
しかし、前骨間神経麻痺と後骨間神経麻痺の発症原因を調査した論文では、完全に麻痺するタイプや一部の筋だけ麻痺するタイプ、しびれなどの知覚の異常がみられるタイプもあったそうです。
指をのばす神経がダメになることで下垂指(drop finger)になり、手首は伸ばせるものの、指が伸びない状態になります。
病院での治療
外傷(骨折・脱臼)や腫瘍によるものは手術が選択されます。
神経炎など原因が明らかでないもの、または回復の可能性のあるものは保存療法が選択されます。
特発性の場合は3~6カ月程度経過観察し、回復経過が見られない場合は神経剥離、時には神経のくびれ部の切除・縫合などの手術が行われます。
原因が明らかでなく、保存療法で回復が見られないものも又、手術適応となります。
治るのか?治らないのか?
後骨間神経麻痺と診断されて麻痺が起ってしまった患者さんにとって、この問題は非常に大きな問題ですね。
自然治癒するのか、それとも手術が必要なのか?それを決めるのは受傷の原因と神経損傷のタイプです。
治るか治らないかを判断するためには、サンダーランドの分類が有用です。
サンダーランドの分類はⅠ度からⅤ度まであり、Ⅰ度とⅡ度は自然に治る確率が高いですが、Ⅲ度損傷を境目としてⅣ度損傷以上は自然に治らないことになっています。
明らかに神経が傷ついた(断裂した)場合には、手術が必要になります。しかし、原因が明らかでない場合は、どこに分類されるのかがわかりません。それを見極めるためには時間の経過とともに回復の度合いを観察する必要があります。
当院での施術(当院にできること)
手術に至らない後骨間神経麻痺は回復までの期間を待つ事になります。しかし、その期間は他の疾患と比べて長期にわたります。
10ヶ月の保存療法を行っても麻痺が改善されない場合には手術を行うことが妥当という意見もありますので、概ね6ヶ月~10ヶ月は麻痺を抱えながら生活することになります。
この間に患者さんは、「本当に治るのだろうか?」とか「もっと他に手立てはないのか?」、「このまま担当医に任せておいて大丈夫なのか?」とお考えになるようです。
この時期には回復するのかどうか、以前の生活に戻れるのかどうかについての大きな不安を感じることになります。
そのような不安はストレスとなり、神経の回復を遅らせることにもつながります。なぜなら、神経の再生は免疫系が司っており、免疫系はストレスの影響を大きく受けるからです。
当院では自然治癒力を促して治癒までの期間をできるだけ短くすることを目的として鍼施術やオイルマッサージを行います。
またそれと同時に、患者さん方の不安について親身によりそい、患者さんが症状について感じる疑問を整理して、患者さんの不安が小さくなるようにカウンセリングを行います。
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
↓↓↓
おわりに
大阪市の平野区、生野区界隈で指が伸びない・後骨間神経麻痺でお悩みの方はどうぞ小川鍼灸整骨院にご相談ください。当院は大阪市の平野区と生野区の境目にある加美北・南巽地区、地下鉄(大阪メトロ)千日前線南巽駅1番出口から徒歩1分のところにあります。北巽駅ではなく南巽駅ですのでどうぞお間違えなくご来院ください。
当院の患者さんは、平野区、生野区、東住吉区、城東区、それに周辺の八尾市、東大阪市渋川町、寿町、衣摺などから来院されています。
参考文献
村瀬 剛 他):後骨間神経麻痺.最新整形外科学大系,22巻, 3章末梢神経麻痺,中山書店,p89-93,1999
角田 憲治 他):当科における後骨間神経麻痺の治療経験.整形外科と災害外科.vol.60. No1,p69-71,2011 .
金谷 文則:末梢神経損傷の治療.The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine,51 巻 1 号 p. 52-60,2014 .
尼子雅敏:末梢神経損傷の回復過程におけるストレスの影響に関する実験的研究.日本手の外科学会雑誌 ,第11巻3号, pp435-455,1994.