小川鍼灸整骨院のブログです。
慢性腰痛について3回目の記事となります。今回は慢性腰痛の、カラダの原因の1つになる腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛についてです。
椎間板の変性が腰痛の原因における、カラダの原因になると前回までお話ししました。椎間板の変性が進み、椎間板に障害が出てくるのですが、ヘルニアはその1つです。
どんな状態になるのか?
上の腰椎と下の腰椎をつなぎ止める椎間板。この椎間板は常に重力の負荷にさらされるために、老化しやすい組織といえます。
椎間板の構造は周囲の①繊維輪と真ん中の②髄核からなる2重の構造です。
周囲の繊維輪は強い構造です。真ん中は流動性の組織です。椎間板には基本的に血流はないとされていますので、変性すると元には戻りません。
加齢によって繊維輪には放射線状に亀裂が走るようになり、その亀裂は中心の髄核から亀裂の中を通って繊維輪の外側に飛び出てしまうのです。
この飛び出ることをドイツ語で「ヘルニア」と表現します。だから腸やへそが飛び出ることをヘルニアと言うのですね。
髄核が繊維輪の亀裂を伝って外に飛び出るヘルニアという状態は、飛び出る場所が大方決まっています。後外方(青色→)方向に向かって飛び出る確率が一番高いのです。
この→の先には④神経根があります。この神経はそれ以下の神経と共に、坐骨神経となって足へ行く神経です。
だからヘルニアが出ると、足へ行く神経が刺激されてしまいます。これが坐骨神経痛の原因ですね。
ヘルニアが出ると即手術とイメージする人が多いようですが、そうではありません。現在、ほとんどの症例では手術はされていません。
その理由は、ヘルニアは自分の免疫細胞であるマクロファージという細胞が、ヘルニアを貪食して自然になくなってしまうからです。なくなりやすいタイプとそうでないタイプがありますが、椎間板ヘルニアとそれによる痛みは概ね4ヵ月程度で治まると言われています。
その4ヵ月の間に痛みや神経麻痺が起こるのですが、その痛みや麻痺が耐えられる程度ならば手術は必要ないということになります。
もちろん、筋膜リリースやはり治療、整体はこの間の痛みを小さくしたり、免疫力を高めて治るまでの期間を短くしようとする治療です。
ここでお伝えしたいことは、中心性で脊髄が圧迫されるヘルニアを除く、ほとんどのヘルニアは手術の必要がないと言うことです。
手術をしたヘルニア患者さんのグループとしなかったヘルニア患者さんのグループの10年後の痛みを比較した研究があるのですが、どちらも、慢性腰痛の患者さんが同等程度の人数いたとのことです。
つまり、長い目で見ても手術が良いかどうか分からないということですね。
実は最近、本当にヘルニア自体が腰痛の原因なのか?という議論も出ています。なぜなら、腰痛のない正常な人たちのMRIを実験的に撮っていくと、結構な割合でヘルニアが出ている人が見つかったというのです。
この研究は、ヘルニアがあっても必ず痛みが出るわけではないことを示しています。
不思議なものですね。
小川鍼灸整骨院では、ヘルニアの治療も得意としています。大阪市の平野区・生野区近辺で腰椎椎間板ヘルニアまたは坐骨神経痛の痛みにお悩みの方、どうぞご相談ください。
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