慢性腰痛について⑥【ココロの原因 慢性腰痛 Bさんの事例の続き 大阪 平野区 南巽 整骨院】

小川鍼灸整骨院のブログの続きです。

 

55歳男性Bさんの事例を取り上げて、慢性腰痛のココロの原因を解説しているところでした。

 

続きを書きます。ここから読み始めた方は「慢性腰痛について⑤」をご参照ください。

これまでの人生が順風満帆であったBさん、55歳で久しぶりの激しい腰痛を感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Bさんはいわば、今までの人生はコントロール可能なものでした。その基本的な考えは「結果には原因が必ずあるはずで、その原因をしっかりと追求して、その原因に対してなんらかの対処を行うことですべてのことはコントロールできる」というものです。

 

Bさんはこれまで、この真面目で論理的な考え方を基本にして多くの問題を解決してきました。

 

その結果、自分の腰痛をコントロール出来てきたし、学業もそれなりの成績を残してきた。頑張って就職した会社でも、論理的な思考によって多くの問題を解決し、また業績も残してきた。論理的な思考によって、人望を得てきたし、父親として子供たちを立派に育て上げる事もできた。

 

真面目で実直な性格のおかげで、「少々硬い性格」と煙たく思われることもありながらも、立派に生きてこられたのです。

 

そんなBさんに、正にコントロール不能な腰痛が襲いかかったのです。

 

この、コントロール不能の腰痛をより具体的に表現すると、次の通りです。それは、動き始めに鋭く痛む腰痛で、夜に痛みで目が覚める時もあり、長距離歩行すればだるさが強く感じられ、お尻から太ももを強く殴りたくなくような痛みです。そして、全く動けないかといえばそうでもなく、動けるときもある。でも、しっかり動くと次の日に立てないような痛みになるときもある。そうでないときもある。

 

Bさんにとって、コントロール不能ということが、いかに耐えがたいことか、私たちにどの程度想像できるでしょうか。

 

私たちは痛みを我慢する際には、その痛みに対して、少々の知識が必要です。

 

この後にこの痛みがどうなっていくのか、どの程度で治まるのか、いつまで我慢すれば良いのか、どうすれば少しは楽になるのか、どうすれば痛みがキツくなるのか。

 

これらが全く予測できない時に、その不可解さによって痛みは更に強くなっていきます。

 

例えると、「この山を越えた向こう側まで1週間かけて歩いて行かなくてはいけないとなった場合、その道の途中のどこで水を手に入れることができるのか、食料をどこで調達できるのか?寝床はどこで確保できるのか?などの情報がないと、途方に暮れてしまう」ということと同じことでしょう。同じ距離を歩くにしても、上記の情報がある状態と、上記の情報がない行き当たりばったりな状況では心理的な負担は大違いです。

 

何事も論理的にこなしていきたいと考えるBさんにとって、行き当たりばったりは本当に耐えられないことなのかもしれません。

 

しかし、Bさんはご自身の腰痛が、腰椎分離症とからなる椎間板と腰椎の変形によるもので、その変形が坐骨神経を刺激して痛みが出ているということ、そしてそれが楽になるまでには一定の期間が必要であることを整形外科医から説明を受けています。

それでもBさんは納得出来ません。

 

なぜならBさんは医者ではないために、医者の説明を医学的な事実として頭では理解できたとしても、現実的にイメージすることができないために、心底納得は出来ないのですね。

 

先ほどの山道歩行に例えると、どこに給水場があるのかを教えてもらっても、これまでの痛みが思った通りになっていないために、その情報が本当であると思えないようになってしまっているのです。

 

このような患者さんは多くいらっしゃいます。

 

痛みは「主観的な経験」であることは間違い有りません。だからその人にしかわからない。

この、上記のような痛みが、人の生育歴に支えられた痛みの一側面と言えるのではないでしょうか。

 

このことは、私が23年の臨床経験から感じる、患者さんのココロの原因の一部です。

 

その他にココロの原因は「不可解さ」という感覚だけではなく、「怒り」や「不安」という感情によっても存在しえます。

 

小川鍼灸整骨院では、まずはカラダの治療をしっかりと行いながら、十分に患者様とコミュニケーションを取っていく中で、ココロの問題とシャカイの問題について注目します。

 

患者さんが希望されるときには、より積極的にココロの問題とシャカイの問題について一緒に考えるようにします。

 

そうすることで、カラダの問題だけを治療するよりもより高い効果が得られるのですね。

 

次回は腰痛のシャカイの原因(問題)について説明したいと思います!

 

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小川 貴司(おがわ たかし)

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