(2026年3月19日更新)
この記事の執筆・監修 ポリシー
小川貴司
柔道整復師 / 鍼灸師 / あんまマッサージ指圧師
医療人類学修士
臨床経験30年以上
症例数15,000件以上
所属学会全
・日本鍼灸学会
・日本統合医療学会
・日本心身医学会
・日本認知行動療法学会
医療連携:整形外科・内科と提携して原因精査を実施
情報の正確性:学術論文および国内診療ガイドラインに準拠
はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
患者さんからよく効く話ですが、
「治療を受けたその時は調子がいいのですが、またすぐに元の症状に戻ってしまいます」
という方は非常に多いです。みなさんはいかがでしょうか。
私はこの理由について、「痛みの沸点が上がっていないから」
または、「痛みの沸点が下がったままだから」
と説明するようにしています。
するとみなさん、「なるほど・・・」というのですが、
ちょっと難しい話なのでブログにまとめてみました。
今回は、施術後に元の症状に戻らないために「痛みの沸点を上げる」ことについて説明します。
内容は以下の通りです。
・痛みの沸点について
・痛みの沸点が下がること、脳と感情
・痛みの沸点が下がる状況
・内受容感覚が過敏になる
・痛みの沸点を上げる
・痛みの沸点を上げる難しさ
・痛みの沸点を上げる当院の施術
・まとめ(おわりに)
・FAQ(よくある質問)
・参考文献
当院は予約制です。
ご予約や症状についてのご相談、お問い合わせは
で受け付けております。
遠方にお住まいの方には
①ZOOMによるカウンセリングもご利用いただけます。
②お近くの提携治療院を紹介することができます。
お気軽にご相談ください。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南東、大阪市と東大阪市の境目、平野区加美北8丁目にある鍼灸整骨院です。
院長は30年の臨床歴を持ちます。
整形外科・リハビリ科と連携しながら、「どこへ行っても改善しなかった痛み」 に対して多角的にアプローチしています。
https://maps.app.goo.gl/9KUCcN8otrGgGbin6
最寄り駅はJRおおさか東線衣摺加美北駅(徒歩4分)です。
当院はあなたにとっていちばん近くの整骨院を目指しています。
痛みの沸点について
「痛みの沸点」というこの言葉は私がつくった造語です。
真水が沸騰する温度(100℃)を沸点といいますが、ある感覚が痛みとして感じ始める点を「痛みの沸点」と表現しました。
ここから、「痛みの沸点が下がる」とは、痛みを感じ始める点が下がるということで、つまり、痛みを感じやすくなってしまうということです。
「痛みの沸点が下がる」ことを専門的には「痛みの閾値(いきち)が下がる」といいますが、この表現は難しいので私は「痛みの沸点が下がる」と患者さんに説明しています。
痛みの沸点が下がったままだと、どんな治療を受けても効果を感じないか、一時的に効果を感じてもまたすぐ元の状態に戻ってしまいますし、痛みやだるさなどの不調も感じやすくなっています。
つまり、痛みの沸点が下がることで不調の全部はつながっているようにすべて感じやすくなってしまいます。
痛みの沸点が下がること、脳と感情
直観的に私たちは、痛みを身体(からだ)に感じていますが、本当のところは身体ではなく脳で感じているのです。
そして痛みを感じる脳は感情を感じる場所でもあります。
だから私たちは痛みを感じる時に感情も連動して動きます。
このことにって、痛みは単に身体だけの問題ではなく、感情の問題でもあるのです。
例えば、痛みの沸点が下がっている人(痛みを感じやすくなっている人)は、感情が先走り痛みを先取りしてしまうかもしれません。
下の画像を見てハサミが落ちることを想像してください。
もしこのハサミが手から離れ落ちたら?
そしてこの足があなたの足だったら?
そう想像した時にあなたは何を感じるでしょうか?
画像なので現実味を感じにくいかもしれませんが、この先に起る痛みについて考えるのではないでしょうか?
痛みの沸点が下がっている人の場合、その痛みを先取りして何らかの感情として痛みを感じる場合があります。
痛みの沸点が下がる状況
痛みの沸点が下がることは本当に多くあります。痛みの沸点が下がってしまうと、他の人が感じないような痛みを感じるようになってしまいます。
痛みに困る患者さんは過去の経験や、インターネットなどから集めた情報を元に、自分なりに病気の原因やこの先の痛みについてネガティブに考えることによって不安が大きくなり、痛みに過敏になることがあります(文献1)。
つまり、痛みの沸点が下がるのです。沸点を下げるのはインターネットによる情報だけではありません。
自分の痛みの原因や予後(この先どうなっていくのか)、について理解・納得できていないことや不可解さも不安となって、痛みを感じないようにするためには動ずればいいのかを考えるようになり、それらの思考が痛みの沸点を下げると考えられます(文献2)。

水は100℃で沸騰しますが、気圧が下がると80℃で沸騰します。これを「沸点が下がる」」と表現します。痛みも不安や心配、不可解さなどで感じやすくなります。この状態を私は痛みの沸点が下がると表現しています。
内受容感覚が過敏になる
このような、痛みの沸点が下がっている人は、痛みだけではなく、体の中の感覚が全般的に敏感になっている場合がよくみられます。
専門的には「内受容感覚が過敏になる」と表現します(文献3)。
内受容感覚が過敏になると、ふらつきを感じやすくなったり、動悸や息苦しさ、のどがつっかえる感じ、胃の不快感、手足のしびれ、頭重、嗅覚過敏、口の中の異常な感覚、などの様々な症状に悩まされることになります(文献3)。
自律神経失調症の方や、起立性調節障害の方、不安神経症の傾向がある方、うつ傾向にある方などによく見られる症状ですが、最近はコロナ後遺症の方によく見られます。
痛みの沸点を上げる
痛みの沸点が下がった状態を上げる(痛みの沸点を上げる)ことができれば、痛みを感じにくくなります。
そのためには、今困っている症状についてご自身が理解する必要があります。
なぜ自分の症状が出ているのか?治るのか治らないのか?治らないのなら今後どうなっていくのか?などについて自分なりに理解して納得すること(気付き)が重要です。
しかし、簡単なことではありません。
なぜなら、痛みの沸点が下がってしまう人に共通しているのは、「自分なりに理解して納得しようと情報を集めた結果、不安や不可解さが増しているからです。例えば、ネットで自分の症状について調べるうちに不安が高まっていくようなことです。
この状況を避けるためには専門家の手助けが必要になります。
痛みの沸点を上げる難しさ
「痛みの沸点を上げる」ことは難しいです。私が考える主な理由は2つあります。
理由1 専門家が少ないから
痛みの沸点が下がっている状況は、何らかの身体の問題(関節の変形、筋肉の疲労や疲れ、自律神経の乱れ)が感情の問題(不安や心配、不可解さ)と関連して起こると説明しました。
この問題を解決するためには、身体の問題と感情の問題を同時に捉える必要があり、またその専門家と一緒に治療を行う必要がありますが、同時にこの2つの問題を治療的に扱える専門家は少ないです。
整形外科医は身体の問題しか扱いませんし、心療内科医は身体の問題も扱いますが主に扱うのは内科領域であり、関節や筋肉の問題、姿勢の問題を扱いません。
カウンセラーや精神科医など感情の問題を扱う専門家もいますが、彼らは身体を扱いません。
慢性的な痛みでお困りの方の痛みの沸点を上げるためには、身体の問題と感情の問題を区別なく両方扱えることが重要(文献4)とされながらも、実際にはにはそのような専門家が非常に少ない状況です。
理由2 痛みの沸点は自分で上げなければならないから
仮に数少ない専門家と出会ったとしても、その治療家は沸点を上げる方法を知っているだけで、沸点を上げることは患者さん自身によって行わなければなりません。
このことも痛みの沸点を上げる難しさとなっています。
もし身体が機械であれば、自動車を整備工が修理してくれることと同じように、身体の専門家があなたの身体を治してくれますが、身体の痛みは機械的なことではありません。
痛みの沸点が下がっているという人間的な状況においては、あなた自身が沸点を上げなくてはならないのです。
治療家はその方法を知っているのみで、自動車整備工が自動車を修理するようにあなたをしゅうりすることはできないのです。
しかしその一方で、時として身体しか治療してもらっていないのに、心が軽くなる場合もあります。
そしてその結果、痛みの沸点が上がることもあるのです。
この効果は、治療家による施術やその説明をあなた自身がポジティブに受け取ることができたからでしょう。
この効果は、治療家だけの力によってもたらされたというよりは、あなた自身が相性のよい治療家とのかかわりの中であなたが自身がたどり着いたためと考えられます。
つまりあなた自身が痛みの沸点を引き上げて治療効果を高めたということです。このように。痛みの沸点を引き上げることは、単に効果的な治療を受けたから得られるというものではなく、
治療家とかかわりながらあなた自身が自分の痛みの沸点を引き上げる必要があります。
こちらのブログもご参照ください。
上記のように痛みの沸点を上げることは簡単ではありません。
しかし当院ではその難しさを乗り越えて、痛みの沸点を積極的に高めるように施術を行っています。
痛みの沸点を上げる当院の施術
当院ではまず、医学的に患者さんの状態を一緒に考えるようにします。もし、医学的な検査が必要であれば、専門医の先生を紹介するようにします。
そして、医学的な問題を排除します。医学的な検査で異常がない、または対処の方法がないとなった場合に、積極的に施術を行います。
その際には、医学的な検査で異常が見つからないにもかかわらずなぜ症状が出ているのかについて、施術をしながら患者さんと一緒に考えます。
施術の前や最中に行われる会話で、
患者さん自身が抱く症状についての考え方や、
自分でも意識していない不可解さ、
自分でも意識できていないストレスなど
についていろいろお話しするようにします。
そのような会話の中で、実際に痛みの沸点を下げている(痛みを感じやすくさせている)要因が見つかり、それに対処することで痛みの沸点が上がります。
つまり、不安や心配、不可解さが小さくなるのです。
具体的には、
「そういうことだったのか」「なるほどね」「そうすればいいのか」「うまくやりこなせると思う」「それではこの痛みは当たり前だね」
というような言葉が実感と共に聞かれたときに不安や心配、不可解さがなくなり痛みの沸点は上がると考えられます。
一言で言うと、「腑に落ちる」ということかもしれませんし、「受け入れられる」ということかもしれません。
もう一つ痛みの沸点を高めるために重要なこととして、症状について考えないようにするということです。考えないようにすることで不安が小さくなり、痛みの沸点が上がります。
しかしこれも難しいです。
当院では瞑想を利用して患者さんの痛みの治療を行うこともあります。こちらのブログもご参照ください。
当院ではもちろん、鍼灸や筋膜リリース、整体などの身体的な施術も行っています。
これらの施術は身体に直接はたらきかける施術として重要です。
それに加えて当院では、上述のような「痛みの沸点を上げる」かかわりも行っています。
痛みの沸点が上がると、痛みを感じにくくなり、「治療してもすぐに元の症状に戻る」ことはなくなります。
どこに行ってもよくならない症状でお困りの方は一度ご相談ください。
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致しますのでお気軽にご相談ください。(但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。)
当院は予約制です。
ご予約や症状についてのご相談、お問い合わせは
で受け付けております。
遠方にお住まいの方には
①ZOOMによるカウンセリングもご利用いただけます。
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お気軽にご相談ください。
当院のクチコミ
当院ではこれまで、どこに行っても良くならない多くの患者さんの施術を行ってきました。
それらの一部の患者さんからは、とてもありがたいクチコミコメントを頂いております。
カウンセリングをご検討の方は参考までにクチコミ内容をご確認ください。
また当院では全国から寄せられたお悩みに対してYouTubeでお答えしています。
Youtubeチャンネル
まとめ(おわりに)
今回は痛みの沸点について解説しました。痛みは身体だけで感じるのではなく、脳で感じているのであり、感情も脳で創り出されることから痛みと感情は連動しているのです。
そのような傾向が強い方は痛みの沸点が下がっていることになります。ここに注目して痛みの沸点を高めることができれば、どこに行ってもよくならなかった痛みが改善します。そうなるためには、良い治療家と出会い、「腑に落ちる」説明を受けて納得する必要があります。
簡単な作業ではありませんが当院では患者さんと一緒に改善への努力を進めています。
大阪市の平野区、生野区・東住吉区、加美北、東大阪市の衣摺、渋川町、柏田、布施あたりの方で、頑固な肩こりや頭痛、腰痛、自律神経失調症、手術後の痛みにお困りの方はどうぞ小川鍼灸整骨院にご相談ください。
はり・筋膜リリース・整体と同時に認知行動療法を施術に応用していています。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南東、大阪市と東大阪市の境目、平野区加美北8丁目にある鍼灸整骨院です。
最寄り駅はJRおおさか東線衣摺加美北駅(徒歩4分)です。あなたにとっていちばん近くの整骨院を目指しています。
当院の患者さんは、平野区、生野区、東住吉区、城東区、それに周辺の八尾市、東大阪市渋川町、寿町、衣摺にとどまらず、他府県からも来院されています。
FAQ(よくある質問)
Q1. なぜ治療を受けても、すぐ元の症状に戻ってしまうのですか?
A.
一時的に良くなっても元に戻ってしまうのは、「痛みの沸点(痛みの閾値)」が下がったままだからです。
痛みは身体だけでなく脳で感じており、不安や心配、過去の経験などによって「痛みを感じやすい状態」になることがあります。
この状態では、施術によって一時的に身体が楽になっても、脳が痛みを感じやすいままのため、再び症状が出てしまいます。
根本的な改善には、身体だけでなく「痛みを感じる仕組み」そのものにアプローチし、痛みの沸点を上げていく必要があります。
Q2. 痛みは気のせいやメンタルの問題なのでしょうか?
A.
いいえ、痛みは決して「気のせい」ではありません。
痛みは実際に脳で感じている現象であり、身体の状態と同時に感情や思考の影響も受けることが分かっています。
例えば、不安や「悪化するのではないか」という考えが強いと、脳が痛みに敏感になり、実際に痛みを強く感じることがあります。
つまり、痛みは「身体の問題」と「脈と感情の反応」が組み合わさったものです。
その両方に目を向けることが改善の近道になります。
Q3. 痛みの沸点は自分で上げることができますか?
A.
はい、可能ですが簡単ではありません。
痛みの沸点を上げるためには、まずご自身の症状について正しく理解し、「なぜこの痛みが出ているのか」に納得することが重要です。
ただし、多くの方はインターネットで情報を集めるほど不安が強くなり、かえって痛みを感じやすくなってしまいます。
そのため、専門家と一緒に身体と感情の両面から整理し、「腑に落ちる」理解を得ることが大切です。
当院では施術と対話を通じて、不安や不可解さを解消しながら、痛みの沸点を高めていくサポートを行っています。
参考文献
文献1 冨田 千景 他):インターネット上の情報収集と痛みの破局的思考の関連―CRPS患者を対象とした質的研究―.心身医学,62 巻 5 号 p. 401-409,2022.
文献3 是木 明宏:精神症状と内受容感覚,特集 精神症状を神経心理学から捉える.神経心理学,35 巻 4 号 p. 187-196,2019.












