はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
今回は当院で行う「第5中足骨基底部骨折」の施術とリハビリを紹介します。
この骨折は適応を見極めればギプス固定なしでも治ります。
ギプスなしで治療してもらいたいとお考えの方はまずはご相談ください。
ブログの内容は以下の通りです。
・第5中足骨基底部骨折とは
・症状
・整形外科での治療
・手術やギプス固定は本当に必要か?
・当院での施術・リハビリ
・おわりに
・参考文献
動画でも内容を解説しています。
当院は予約制です。
ご予約や症状についてのご相談、お問い合わせは
で受け付けております。
遠方にお住まいの方には
①ZOOMによるカウンセリングもご利用いただけます。
②お近くの提携治療院を紹介することができます。
お気軽にご相談ください。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南東、平野区と生野区の境目、南巽・加美北地区、南巽駅近くにある鍼灸・整骨院です。地域で一番おすすめの整骨院、あなたにとっていちばん近くの整骨院を目指しています。
第5中足骨基底部骨折とは
中足骨は足の甲を作る骨です。5つめの中足骨は足の外側にあります。
階段を降りるときに足を捻ったり、底の高い履き物で足首を捻り、その状態で体重がかかった時に、上記の画像の赤のラインの部分またはそれより後ろ側で骨折が起こります。
なお、同じような部分でスポーツ選手の疲労骨折として起こるJohns(ジョーンズ)骨折があります。
この骨折も第5中足骨の骨折ですが、疲労骨折ということで治りにくく治療の方法が異なってきます。
よって、第5中足骨基底部骨折とは区別されています。
第5中足骨基底部骨折は底が分厚い(高い)履き物で足を捻った際によく起こることから「下駄履き(げたばき)骨折」とも言われます。
最近では高いヒールや厚底靴を履いて受傷されることが多いです。
症状
足の外側、小指の付け根付近に鋭い痛みを感じて、受傷後数時間で腫れが強くなってきます。
痛みを我慢して歩くこともできますが、通常は歩行がに困難になります。足首の捻挫と思っていたらこの骨折だったということもよくあることです。
整形外科での治療
整形外科での治療は、手術療法と保存療法があります。
手術療法では、麻酔を行って骨折部分を針金やねじ、プレートなどを用いて固定します。安静期間は4週間程度です。
手術が必要かどうかは骨折の部分によって決まります。
中足骨はゾーン1からゾーン3に分けられて、一番足首に近いゾーン1では手術をしなくても骨がくっつくことが多いです。
しかし、ゾーン2やゾーン3では骨が付きにくくなってきます。
この部分では、骨の折れ方(まっすぐ横に折れたか、斜めに折れたか)や、骨のズレ方(大きくずれているか、ねじれているか)、力の加わり方(1回の力か、繰り返しの力か)によって手術が必要かどうかが決まります。
ゾーン2,ゾーン3の骨折でまっすぐ横に折れた骨折やずれが大きい骨折は骨癒合しにくいので手術になることが多いです。
保存療法は3~4週間ほどのギプスです。保存療法の適応は、ゾーン1の骨折と、ゾーン2の安定性が高い骨折です。
手術療法を行っても、保存療法を行ってもこのように固定してしまうとかなり生活が制限されてしまいます。
手術やギプス固定は本当に必要か?
ゾーン3の場合、そのほとんどは疲労骨折です。疲労骨折の場合は骨折部分がなかなかくっつきにくいです。だから手術が適応になることが多いです。
ゾーン1は骨折部分が非常に安定していますので、手術の必要はほとんどありません。
ゾーン2はゾーン1と比べてやや偽関節になりやすいです。
だから、偽関節の危険性を避けるために手術を勧める整形外科医もいます。
しかし、著名な整形外科医の教科書には「偽関節になるものもあるが、滅多に症状は起こさない」とあります。
ですので、ゾーン1とゾーン2に関しては基本的に手術を行わず、仮に偽関節になったとしてもその時に手術すればよいのでまずは保存療法を選択するべきだと当院は考えます。
さらに、保存療法を選択するとしても、そもそもギプスを巻かなくてはいけないのかどうか?という問題もあります。2011に発表されました論文では、
74名の患者さんに対してギプス固定を行い、74名の患者さんに包帯固定(ギプス固定を行わない)を行って治療効果の差を比較しました。その結果、ギプス固定でも包帯固定でも、骨癒合までの期間、偽関節の確率、痛みの後遺症について差はなく、包帯固定の方が機能の回復が早かったそうです。
こうなると、手術どころか、ギプス固定すら必要ないかもしれないということになります。しかし、やはり偽関節は避けたいところですので注意が必要です。
私の経験では、これまでゾーン1,ゾーン2の骨折に対してギプス固定なしで治療を行い、全例で問題なく日常生活に戻っておられます。
予後が非常に良いのですが、その理由はおそらくギプスなしの治療を希望する患者さんの多くは比較的に痛みが小さく、痛みが小さい理由は骨折部分が安定しているからだと考えられます。
これらのことから、痛みが小さい患者さんに対しては、ギプスなしの治療をお勧めしています。
当院での施術・リハビリ
仕事や生活の上でどうしても固定できない方もいらっしゃいますが、多くの整形外科では骨折治療を最優先しますので、何らかの固定は必ず行われます。
当院に来院される患者さんの多くは固定が必要とされながらも、生活上固定ができない患者さんです。そのような患者さんからお伺いするのは、
固定を断ると「治療ができない」と怒ってしまう医師もいるというお話です。
こちらのブログをご参照ください。
当院ではできるだけギプス固定をしないように治療を行います。
理由は、
足関節のギプス固定は生活の制限が多すぎることと、
適応を見極めれば足関節の固定がなくとも治っていくこと、
ギプス固定をしなくても骨折部分がくっついて治る事が確認されていること
などのためです。
実は私も、第5中足骨基底部骨折をギプス固定なしで治す方法を学会報告した経験があります。足底板を用いた方法で対象となった患者さんはみなさん十分に良くなりました。
もちろん、痛みが強い時には数日間のギプス固定は有効ですが、第5中足骨基底部の骨折は、ギプス固定なしで治療できる骨折ですので、当院では適応を見極めて治療を行っています。
適応を見極めるためには提携先の医師にレントゲン検査を依頼し骨折の状況を必ず確認します。
受傷間もない骨折の場合、まずはしっかりとアイシングします。2日間ほどアイシングを徹底して行えば、痛みが大幅に軽減すことが多いです。
その後、足底板を用いるか、場合によっては足底板も用いることなく弾力包帯のみで固定し、できるだけ日常生活を維持しながら骨がくっつくことを待ちます。
足底板を用いることで内側に体重をかけやすくなり、それによって外側にかかる負担が小さくなるので痛みが少なく歩けるようになります。
動画をご覧ください。
https://youtube.com/shorts/xjIvvG0ZR-I
受傷後2~3週間が経過すると痛みが小さくなってきます。そうなると患部にある痛みや浮腫をできるだけ小さくするためにオイルマッサージを行います。
受傷後4~6週間ほど経過すると痛みも小さくなりまた骨折部の骨癒合も進んで概ね以前の生活に戻れるようになるでしょう。
レントゲンで確認すると、骨折部分が完全にくっついていることを確認できるまでには時間がかかることもありますが、症状がなければ普通に歩ける様になります。
ただし、骨折後の足関節と足は非常に不安定な状態になり、例えば捻挫をしやすい状況です。
スポーツや足に負担が大きい仕事への復帰のためには、足関節周囲の筋肉を鍛え、感覚を正常化させるリハビリが必要になります。
当院ではリハビリもしっかりと行います。
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致しますのでお気軽にご相談ください。(但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。)
当院は予約制です。
ご予約や症状についてのご相談、お問い合わせは
で受け付けております。
遠方にお住まいの方には
①ZOOMによるカウンセリングもご利用いただけます。
②お近くの提携治療院を紹介することができます。
お気軽にご相談ください。
当院のクチコミ
当院ではこれまで、どこに行っても良くならない多くの患者さんの施術を行ってきました。
それらの一部の患者さんからは、とてもありがたいクチコミコメントを頂いております。
カウンセリングをご検討の方は参考までにクチコミ内容をご確認ください。
当院で第5中足骨骨折の治療を受けた患者さんのクチコミはこちらです
続きは画像をクリックまたはタップしてください。
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おわりに
大阪市の平野区、生野区・南巽界隈で、第5中足骨骨折・げたばき骨折・ギプスなしで治療したいとお考えの方はどうぞ小川鍼灸整骨院にご相談ください。
はり・筋膜リリース・整体と同時に認知行動療法を施術に応用していています。
当院は大阪市の平野区と生野区の境目にある加美北地区、地下鉄(大阪メトロ)千日前線南巽駅1番出口から徒歩1分のところにある整骨院です。北巽駅ではなく南巽駅ですのでどうぞお間違えなくご来院ください。
当院の患者さんは、平野区、生野区、東住吉区、城東区、それに周辺の八尾市、東大阪市渋川町、寿町、衣摺にとどまらず、他府県からも来院されています。
参考文献
水野耕作,糸満盛憲(共編):骨折治療学.南江堂,pp330-331,2000.
小川 貴司 他):第5中足骨基底部骨折における治療法の検討. 柔道整復・接骨医学,9(4), 261, 03-30,2001.
川﨑一朗 他):第 5 中足骨基部裂離骨折における固定に関する一考察.Health and Behavior Sciences 2 (2), pp1- 4,2003.
金崎彰三 他):Jones骨折の13例.整形外科と災害外科.58巻,4 号,p. 650-653,2009.
新井恒雄 他):第5中足骨基部骨折に対するテーピング誘導による保存療法の効果.第26回関東甲信越ブロック理学療法士学会,セッションID: 16,2007.
Smith, Toby O.et al:Interventions for treating proximal fifth metatarsal fractures in adults: A meta-analysis of the current evidence-base.Foot and Ankle Surgery
Volume 17, Issue 4, December, pp300-307,2011.
吉田史郎,野口幸志:5 [よくある足部外傷]中足骨骨折に対する手術治療 特に頻度の高い第 5中足骨骨折について整形外科Surgical Technique,Vol7,No.3,pp38-42,2017.