はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
今回も、変形性膝関節症の治療における西洋医学の標準的な治療の考え方である、「変形性膝関節症診療ガイドライン」の中から
薬物療法についてみなさんに役立つ情報を紹介します。
ブログの内容は
・ロキソニン・ボルタレンは効果あるの?
・湿布は貼った方がいいの?
・ステロイドの注射ってしてもいいの?
・ヒアルロン酸関節注射はした方がいいの?
・グルコサミン・コンドロイチンなどのサプリはどう?
・当院の施術
・おわりに
・参考文献
です。
また当院では、
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膝痛でお困りの方は気軽にご相談ください。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南東、平野区と生野区の境目、南巽・加美北地区、南巽駅近くにある鍼灸・整骨院です。地域で一番おすすめの整骨院、日本で一番身近な整骨院を目指しています。
ロキソニン・ボルタレンは効果あるの?
膝関節の炎症を抑えるためには非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は有効です。非ステロイド性抗炎症薬とは、ロキソニンとかボルタレンのことですね。
しかし、胃を悪くすると言う副作用もありますので長期の使用を避けて副作用に十分対処していこうというのが基本的な薬物療法の考え方のようです。
ロキソニンは効果を感じやすいのでついつい使用してしまいますが、頓服的に痛いときだけ飲むのが良いですね。
以下はガイドライン本文です。
★「症候性の変形性膝関節症患者では、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を最小有効用量で使用すべきであるが、長期投与は可能な限り回避する。消化管障害(GI)リスクの高い患者では選択的COX-2 阻害薬または非選択的NSAIDsとともに消化管保護のためプロトンポンプ阻害薬もしくはミソプロストールを併用投与することを考慮する。ただし、CVリスク因子のある患者では,非選択的薬剤か選択的COX-2阻害薬かを問わず、NSAIDsは注意して使用する」
推奨度A
湿布や塗り薬は貼った方がいいの?
ガイドラインで取り上げられている「外用のNSAIDsおよびカプサイシン」とはつまりロキソニンゲルとかボルタレンゲル、そして温湿布のことです。結論から言うとこのガイドラインでは、上から2番目の推奨度でおすすめしています。利用した方が良いですよ、ということです。
しかし、注意も必要です。
膝周りの皮膚は比較的弱い部分が多いです。膝の内側も弱い部分です。変形性膝関節症の痛みの多くは膝の内側に出てきますのでこの部分にトウガラシのエキスを用いると高頻度にかぶれます。
また、トウガラシのエキスはその刺激で「脱感作」という痛みを感じなくなる現象を狙ったものであり、繰り返し使用する必要がありますのでカプサイシン(温湿布)においてはかぶれが特に問題ですね。
またカプサイシンの外用薬の効果についてはまだ研究が出そろっていないので結論が出せないということも言われていますので、結果としてBということでしょう。でも、推奨されているんですね。
以下はガイドライン本文です。
★「外用のNSAIDsおよびカプサイシン(トウガラシ抽出物)は、変形性膝関節症患者における経口鎮痛薬・抗炎症薬への追加または代替薬として有効である」
推奨度B
ステロイドの注射ってしてもいいの?
一般的にステロイドは「恐い薬」とか「副作用がきつい」という印象がありますね。
ステロイドが良いか悪いかは賛否両論ですが、ステロイドには強力な炎症抑制作用がありますので西洋医学では様々な場面でステロイドが利用されています。
変形性膝関節症の痛みに対してもしばしばです。海外の専門家はステロイドに対して比較的寛容なようですが、日本の専門家はあまり使いたくないようですね。ステロイド性関節炎という副作用のリスクがあることがその理由ですが、ステロイドは短期的に効果はあるものの、長期的な効果が乏しいということだそうです。
以下はガイドライン本文です。
★「副腎皮質コルチコステロイド関節内注射は変形性膝関節症の治療に使用することもある。特に、経口鎮痛薬・抗炎症薬が十分に奏効しない中等度~重度の疼痛がある場合、および滲出液などの局所炎症の身体徴候を伴う症候性変形性膝関節症の患者において考慮する」
推奨度C
ヒアルロン酸関節注射はした方がいいの?
ヒアルロン酸関節内注射について、米国リウマチ学会は推奨しないという情報があります。
しかし、日本の整形外科医はヒアルロン酸関節内注射について一定の評価をしている様です。また、ステロイドよりも長期で使用すると効果があるとのことです。
ヒアルロン酸関節注射に対する米国と日本の評価の違いについては、米国の整形外科医はほとんど手術しかしないために取り扱う患者は重症例が多く、ヒアルロン酸関節注射は重症患者には効果が得られにくいからと論文には説明されています。
ヒアルロン酸を注射したからすぐに良くなるとか、関節の軟骨がよみがえるということはありませんが、害もなく理論的にはなにもしないよりマシというところでしょうか。
以下はガイドライン本文です。
★「ヒアルロン酸関節内注射は変形性膝関節症患者において有用な場合がある。副腎皮質ステロイドIA注射に比較して,その作用発現は遅いが,症状緩和作用は長く持続することが特徴である」
推奨度B
グルコサミン・コンドロイチンなどのサプリはどう?
ここでのコメントはいわゆる健康食品についてです。
グルコサミンについては効果が認められているものもあると言うことですが、コンドロイチンについてはそのような見解が少ないようです。
しかし、患者さんの中には「コンドロイチンとグルコサミンの健康食品を飲みだしてから痛みがない」と言う人もいますし、「コンドロイチンとグルコサミンの健康食品を飲んでいるから痛みが出ない」と言う人もいます。
科学的な根拠があるかないかということよりも、本人が利用してみてどうであるかが問題ですね。でも料金的に良心的であることと、安全であることも重要です。
以下はガイドライン本文です。
★「グルコサミンやコンドロイチン硫酸の投与は変形性膝関節症患者の症状を緩和させる場合がある。6 ヵ月以内に効果がみられなければ投与を中止する」
推奨度I
当院の施術
薬物療法においては、B以下が多い印象ですね。ということは、手術適応にならない中等度までの変形性膝関節症はやはり運動やダイエットなどの生活習慣が重要ということですね。
小川鍼灸整骨院では膝の痛みでお困りの患者さんに対して、それぞれの患者さんに適切なな生活上のアドバイスを行ないながら施術を行なっています。
「適切な」という表現には、理論的に適切という意味と患者さん自身が「自分に合っている」と思えることの2つの意味が含まれています。
具体的には、まず膝の状態をしっかりと見極めて膝の症状をチェックします。
そして理論的に考えてその症状に合う施術方法をいくつか提案させて頂き、患者さんが受け入れやすい方法を選んで頂きます。
必要であれば医師を紹介致しますが、来院される多くの患者さんは既に医師を受診した方であり、西洋医学が自分に合っていないとお考えの患者さんです。
その場合は、「なぜそう考えるのか」についてしっかりとお話しを伺います。その上で施術方法を一緒に考えます。ここに認知行動療法が応用されます。私たちはこのかかわりを「認知行動療法的なかかわり」と呼んでいます。
主な施術の方法は
・筋膜リリース
・整体
・鍼灸
・アロマオイル(ローズマリーカンファー)を用いたマッサージです。
遠方で来院できない方には、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
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おわりに
大阪市の平野区、生野区界隈で、膝痛、変形性膝関節症でお悩みの方は是非とも小川鍼灸整骨院にご相談下さい。鍼灸・筋膜リリース・整体などでみなさまの痛みを施術します。
当院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。当院へは平野区、生野区以外にも、東住吉区や東成区、八尾市、東大阪市渋川町、寿町、衣摺などからも患者さんが来院されています。
参考文献
川口浩:変形性関節症治療の国内外のガイドライン.日関病誌,35(1):1~9,2016.
久保 俊一他):変形性膝関節症を理解する.Jpn J Rehabil Med 2015 ; 52 : 256.264,2015.
参照サイト