はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。「歯ぎしりとストレスは関係するの?」という患者さんからの質問を発端に、歯ぎしりや顎関節症とストレスについて取り上げてきました。そして、前回は顎関節症そのものについて説明しました。
今回は歯ぎしりや顎関節症が姿勢などの全身状態と関係するという考え方があるので、その考え方をここで紹介したいと思います。この考えは、筋膜リリースや整体が顎の障害に効果的であるひとつの根拠になります。
紹介する論文は「人類の発生学から咬合学へ(前半)」です。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南西、平野区と生野区の境目、加美北地区にあります。筋膜リリースや整体、はり治療を行なっております。また、原因が分らない痛みに対しては、身体の治療を行ないながら「認知行動療法的なかかわり」を通して、患者さんの症状を軽減させるように取り組んでいます。
最寄りの駅は地下鉄千日前線南巽駅です。1番出口から徒歩1分のところです。最近は北巽と間違えて下車される方もいらっしゃいますが、北巽ではなく南巽です。北巽から南巽までは徒歩で15分ぐらい歩きますよ(笑)。小川鍼灸整骨院は地域でおすすめの整骨院を目指しています。
執筆担当は小川です
http://www.korikori.com/staff/
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
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内容
この論文は、人類の誕生からどのようにして現代人が今に至り、そして身体の歪みが出てくるのかを非常に大雑把に解説してくれています。大雑把といいましても、学術論文ですので、科学性に基づいた論考となっています。
大まかには次の通りです。
・人類は二足歩行になることで骨盤が小さくなり、そのために生理的な早産となり、親の保護を受ける期間が長くなったために社会性を身に付け、また両手を道具としてつかうことで顎の筋肉の位置が変化し、手を使うこと、社会性を身に付けることでさらに脳が進化した。
・人間は脳の進化により、理性を司る大脳新皮質が発達した。社会性を身に付けた人間は理性を司る大脳新皮質と本能を司る旧皮質、古皮質との間で葛藤(ストレス)を感じることになる。
・噛む(かむ)という行動は動物の本能としてストレス回避行動であることが多くの研究から示されている。
・人類においてもブラキシズム(歯ぎしり)は生理的なストレス解消のための行動として備わっているものである。
・現代社会では理性が求められるためにこのストレスに対する生理的な対処行動としてブラキシズム(歯ぎしり)が生じることとなる。
・くいしばりや歯ぎしりなどのストレス対処行動は、歯の摩耗や歯の欠損、顎関節の痛みや異常を引き起こす。
・頭は約4キロの重さがあり、首はその重さを常に支えている。頭の重さを支える筋肉のなかには、顎関節や舌骨(のどにある骨でどの骨とも関節をもたないが数種の筋肉が付着する)と関連する筋肉もあり、顎関節のズレなどの異常が頭の位置にも影響をもたらす可能性がある。
・頭の位置が偏位すると、片方の肩を下げたり、骨盤を歪ませたり、脊柱を歪ませたり全身の筋肉を緊張させたりして重心を真ん中にとろうとするので、様々な歪みが生じることになる。
・そのために、顎関節やかみ合わせが原因となる全身の症状に対する治療は、かみ合わせや顎の治療を中心に、整体や気功治療も選択肢に入れて治療を行なう。
当院の見解
非常に面白い内容の論文でした。
くいしばりや歯ぎしりによってかみ合わせが悪くなったり、顎に痛みが出てくることは以前よりよく言われていました。このような異常が姿勢に異常をもたらすという考えも古くからあったようですが際立ったものではありませんでした。
しかし、骨・関節が筋肉だけで連結しているのではなく、筋膜や結合組織で連結していると考える「アナトミートレイン」という理論が世に出てからここで紹介した顎関節と姿勢の歪みの関係などはさらに見直されたのだと思います。
全身は結合組織で包まれていて、その結合組織が身体の構造を支えているというこの理論は、解剖学者で理学療法士のトーマスWメイヤーズが考案しました。科学者が考案したアナトミートレインは筋膜リリースという理論とセットになって広く知れ渡ったのです。
当院でもこの理論を用いて、患者さんの肩こりや腰痛、全身の痛みに対処しております。
10年以上、顎関節症と関連している全身の歪みが気になるという患者さんも筋膜リリースで治りました。
正直申し上げると、筋膜リリースだけではなく、この患者さんにも認知行動療法的なかかわりを行なったのですが(笑)。
顎関節症と全身の歪みに対して小川鍼灸整骨院ではまず、患者さんと一緒に身体の問題について考え、症状の改善を評価しながら身体の問題を改善していきます。
その症状改善の過程では身体に対する多くの気付きがあるのですが、その気付きをより積極的に意識していきながら自分の身体についての考え方をより健康なものにしていくというのが当院の治療方針です。
筋膜リリースや整体、はり治療に認知行動療法的なかかわりが加わるというのはこういうことなんですね。
おわりに
大阪市の平野区、生野区界隈で顎関節症の痛みや身体の歪みでお悩みの方は是非とも小川鍼灸整骨院にご相談下さい。小川鍼灸整骨院は大阪市の平野区と生野区の境目にある加美北地区、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。北巽は一つ手前の駅です。北巽ではなく南巽で下車してくださいね。
参考文献
鈴木光雄:人類の発生学から咬合学へ(前半).顎咬合誌 第24巻 第2・3合 併号345-350,2004.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jacd1999/24/2-3/24_2-3_345/_pdf/-char/ja