
首のヘルニアを経験した方の中には、「手術をしていないので、ヘルニアがそのままになっている」とお考えの方が多いようです。そのような方はヘルニアが治らないと考えやすいです。いえ、ヘルニアは治るのです。以下に説明致します。
(2026年7月19日更新)
この記事の執筆・監修 ポリシー
小川貴司
柔道整復師 / 鍼灸師 / あんまマッサージ指圧師
医療人類学修士(身体症状と心理社会要因の研究)
臨床経験30年以上
症例数15,000件以上
所属学会
・全日本鍼灸学会
・日本統合医療学会
・日本心身医学会
・日本認知行動療法学会
医療連携:整形外科・内科と提携して原因精査を実施
情報の正確性:学術論文および国内診療ガイドラインに準拠
はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
「頚椎ヘルニアは自然に治るのでしょうか。」
MRIで頚椎ヘルニアと診断されると、
「手術をしなければ治らないのでは?」
「このしびれは一生続くの?」
と不安になる方は少なくありません。
しかし、研究では、多くの患者さんが保存療法によって症状が改善すると報告されています。
また、MRIでヘルニアが残っていても症状が改善することは珍しくありません。
この記事では、最新の研究をもとに、
頚椎ヘルニアは自然に治るのか
回復までの期間
MRIが残っていても改善する理由
手術が必要になる場合
当院での考え方と実際の症例
について、できるだけ分かりやすく解説します。
以下の構成でお伝えしていきます:
・頚椎ヘルニアとは?首のヘルニアで痛みやしびれが起こる理由
・頚椎ヘルニアは自然に治る?研究から分かった自然治癒のしくみ
・頚椎ヘルニアは治るまでどれくらい?回復期間の目安
・このような経過なら回復しているサインです
・首から腕への痛みやしびれ(頚椎神経根症)が改善した症例
・当院では頚椎ヘルニアをどのように考え、施術しているのか
・病院で「様子をみましょう」と言われ、不安な方へ
・よくある質問(FAQ)
・まとめ(おわりに)
・実際に通っておられる方のクチコミ
・参考文献
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頚椎ヘルニアとは?首のヘルニアで痛みやしびれが起こる理由
頚椎ヘルニアとは、首の骨(頚椎)の間にある椎間板の一部が飛び出し、神経を刺激することで、首の痛みや肩・腕・指のしびれ、筋力低下などを引き起こす疾患です。
しかし、MRIでヘルニアが見つかったからといって、それだけが症状の原因とは限りません。
画像では大きなヘルニアがあっても症状がほとんどない人もいれば、小さなヘルニアでも強い痛みやしびれを感じる人もいるからです。
実際には、炎症や神経の過敏性、筋肉の緊張、生活動作など、さまざまな要因が重なって症状が現れることが少なくありません。
そのため、
「ヘルニアがある=一生治らない」
「手術しなければ治らない」
と考える必要はありません。
では、頚椎ヘルニアは本当に自然に治るのでしょうか。
次に、研究で分かっている「自然治癒のしくみ」と回復の経過についてご紹介します。
頚椎ヘルニアは自然に治る?研究から分かった自然治癒のしくみ
「頚椎ヘルニアは自然に治るのでしょうか?」
これは、当院にも非常に多く寄せられるご質問です。
結論からお伝えすると、頚椎ヘルニアによる首の痛みや腕のしびれは、手術をしなくても改善する方が少なくありません。
実際、頚椎ヘルニアによる神経症状(頚椎神経根症)の自然経過をまとめた文献調査では、多くの患者さんは4~6か月までに痛みや日常生活への支障が大きく改善し、その状態は2~3年間維持されることが報告されています(Wongら, 2014)。
では、なぜ症状が改善するのでしょうか。
現在の研究では、その仕組みは一つではなく、いくつかの要因が関係していると考えられています。
その一つが神経の周囲で起こる炎症です。
頚椎ヘルニアでは、飛び出した椎間板による圧迫だけでなく、炎症に関係する物質(TNF-αやIL-1、IL-6などの炎症性サイトカイン)が増加し、神経根の痛みやしびれを引き起こすと考えられています(Risbudら, 2014)。
また、椎間板ヘルニアの初期にみられる炎症反応は一過性であり、慢性化したヘルニアでは炎症が認められないことが多いと報告されています(Saal, 1998)。
これらの報告から、時間の経過とともに炎症が落ち着くことも、症状改善に関係している可能性が考えられます。
もう一つ考えられているのが、**飛び出した椎間板そのものが小さくなる「自然退縮」**です。
Sharmaら(2021)は、頚椎椎間板ヘルニアの自然退縮について報告された75例を検討し、連続MRI検査では平均9.15か月でヘルニアの自然退縮が確認されたと報告しています。また、その仕組みには、体の免疫細胞であるマクロファージが飛び出した椎間板を少しずつ吸収する働きが関与している可能性があると考察しています(Sharmaら, 2021)。
つまり、頚椎ヘルニアの症状が改善する背景には、神経の炎症が徐々に落ち着くことや、ヘルニアそのものが自然退縮することなど、複数の要因が関係していると考えられています。
一方で、すべての方が自然に改善するわけではありません。
Sharmaら(2021)は、神経学的欠損がない若年患者では保存療法をより積極的に検討できる可能性がある一方、神経学的欠損が認められる患者では手術を検討すべきであると述べています。
そのため、腕の力が入りにくい、物を持ちにくいなど筋力低下がみられる場合は、自己判断せず整形外科専門医に相談することが大切です。
では、自然に改善するとしたら、どれくらいの期間がかかるのでしょうか。
次に、研究で報告されている回復期間の目安についてご紹介します。
頚椎ヘルニアは治るまでどれくらい?回復期間の目安
「自然に治ることがあるのは分かったけれど、実際にはどれくらいの期間がかかるの?」
これも患者さんから非常によくいただく質問です。
残念ながら、「○週間で治ります」と言い切ることはできません。年齢やヘルニアの状態、神経への影響の程度、日常生活で首にかかる負担などによって回復までの期間は異なります。
しかし、研究では一定の目安が示されています。
頚椎神経根症の自然経過をまとめたシステマティックレビューでは、多くの患者さんは4~6か月までに痛みや日常生活への支障が大きく改善し、その状態は2~3年間維持されると報告されています(Wongら, 2014)。
一方、ヘルニアそのものが小さくなる「自然退縮」は、平均約9.15か月で確認されています(Sharmaら, 2021)。
つまり、症状の改善はヘルニアが小さくなるよりも早く現れることが少なくありません。
そのため、MRIでヘルニアが残っているからといって、「まだ治っていない」と考える必要はありません。実際には、症状が改善し、仕事や家事、趣味などの日常生活に支障なく過ごせるようになる方も多くいらっしゃいます。
一方で、数か月経っても症状がほとんど変わらない場合や、筋力低下が進行している場合には、治療方針を見直す必要があります。そのような場合は、整形外科専門医と相談しながら、保存療法を継続するか、手術を検討するかを判断することが大切です。
回復までの期間には個人差がありますが、「症状が少しずつ軽くなっているか」が、順調に回復しているかどうかを判断する一つの目安になります。
では、「順調に回復している」とは、具体的にどのような状態なのでしょうか。
次に、回復の途中でみられる「良くなっているサイン」についてご紹介します。
このような経過なら回復しているサインです
頚椎ヘルニアの回復は、骨折のように「○週間で治る」とはっきり決まっているものではありません。
そのため、
「昨日より痛い。」
「今日はしびれが強い。」
と、一時的な変化だけを見て不安になってしまう方も少なくありません。
しかし、頚椎ヘルニアでは症状に波がありながら、少しずつ改善していくことは珍しくありません。
例えば、次のような変化がみられる場合は、順調に回復している可能性があります。
痛みの強い時間が短くなってきた
痛み止めを飲む回数が減ってきた
首や腕を動かせる範囲が少しずつ広がってきた
しびれが出る頻度や範囲が少なくなってきた
夜間の痛みで目が覚めることが減ってきた
家事や仕事が以前より楽にできるようになってきた
このように、「症状がゼロになったか」ではなく、「できることが増えているか」に注目することが大切です。
一方で、次のような場合には注意が必要です。
腕の力が入りにくくなってきた
コップや箸などを落とすことが増えた
ボタンを留めるなど細かい動作がしづらくなった
痛みやしびれが時間とともに強くなっている
このような変化がある場合は、神経への影響が強くなっている可能性もあるため、早めに整形外科専門医へ相談することをおすすめします。
当院でも、
「良くなっているのか、それとも悪くなっているのか分からない」
というご相談をよくいただきます。
診察では、痛みの強さだけではなく、筋力や感覚、関節の動き、日常生活で困っていることなどを総合的に評価し、現在どの回復段階にあるのかを一緒に確認しています。
実際に当院には、手術を勧められたものの保存療法で改善した方や、長く続く痛みやしびれが改善した方も来院されています。
次に、その一例をご紹介します。
首から腕への痛みやしびれ(頚椎神経根症)が改善した症例
頚椎ヘルニアでは、飛び出した椎間板が神経根を刺激することで、**首だけでなく、肩・腕・手にかけて痛みやしびれが現れる「頚椎神経根症」**を起こすことがあります。
当院にも、このような症状で来院される方が多くいらっしゃいます。
例えば、58歳の男性は、首から右腕にかけて強い痛みが続き、日常生活にも支障を感じて来院されました。初診時の痛みは10段階で10でしたが、施術を継続した結果、2回の施術で痛みは10から5まで改善しました。
もちろん、すべての方が同じ経過をたどるわけではありません。しかし、現在の状態を適切に評価し、症状に合わせた施術や生活指導を行うことで改善が期待できるケースもあります。
この患者さんの詳しい経過や施術内容については、以下の記事でご紹介しています。
▶ 【症例】頚椎神経根症による首から腕の痛みが改善した経過はこちら
当院では頚椎ヘルニアをどのように考え、施術しているのか
頚椎ヘルニアによる痛みやしびれは、単純に「首だけが悪い」という問題ではないことが少なくありません。
もちろん、飛び出した椎間板による神経への影響は重要です。しかし、それだけで現在の症状をすべて説明できるとは限りません。
例えば、
首や肩周囲の筋肉が過度に緊張している
肩甲骨や胸郭の動きが低下している
痛みへの不安から首や腕を動かさなくなっている
日常生活で首に負担のかかる姿勢が続いている
このような要因が重なることで、症状が長引いている方は多いです。
そのため当院では、画像所見だけで判断するのではなく、
痛みが出る動き
首や肩、肩甲骨の動き
筋力や感覚の状態
日常生活で困っていること
痛みに対する不安や生活への影響
などを総合的に評価し、一人ひとりに合わせた施術を行っています。
施術では、筋肉や関節の動きを整えることに加え、必要に応じて鍼灸を取り入れながら、首だけではなく肩甲帯や胸郭を含めた全体の機能改善を目指します。

特に患部では、痛み(疼痛)が異常な筋肉の緊張をもたらし、それが血行障害につながってさらに痛み(疼痛)が起こるという悪循環を起こしていると考えます。

この悪循環を断ち切るために、筋膜リリースや鍼施術も行うことができます。

また、「今どの回復段階にあるのか」「どのような経過が予想されるのか」をできるだけ分かりやすくお伝えし、ご自宅で行える運動や日常生活での注意点についてもご説明しています。
もちろん、筋力低下が進行している場合や、手術が必要と考えられる場合には、無理に施術を続けることはありません。必要に応じて整形外科と連携し、適切な医療機関での診察をおすすめしています。
「このまま様子をみていて大丈夫なのだろうか」「手術と言われたけれど、本当にそれしか方法はないのだろうか」
そのような不安を抱えている方は、一人で悩まずお気軽にご相談ください。
病院で「様子をみましょう」と言われ、不安な方へ
当院には、
「MRIでは頚椎ヘルニアと言われたけれど、『様子をみましょう』と言われただけで不安です。」
「薬を飲みながら経過をみていますが、このままで良いのか分かりません。」
「手術を勧められたけれど、本当に手術しか方法がないのでしょうか。」
このようなご相談が数多く寄せられます。
もちろん、手術が必要になるケースもあります。
一方で、この記事でご紹介したように、頚椎ヘルニアによる症状は時間の経過とともに改善することも少なくありません。
そのため大切なのは、「ヘルニアがあるかどうか」だけではなく、現在どの回復段階にあるのか、今後どのような経過が予想されるのかを正しく評価することです。
当院では、
現在の状態が順調な回復過程なのか
どのような点に注意すればよいのか
保存療法を続けられそうか
整形外科で再度相談した方がよい状態なのか
といったことを、できるだけ分かりやすくご説明しています。
無理に通院をおすすめすることはありません。
「このまま様子をみていて大丈夫なのか知りたい。」
「自分の状態を一度整理したい。」
そのようなご相談だけでも構いません。
遠方にお住まいの方には、Zoomによるオンライン相談にも対応しています。
頚椎ヘルニアによる痛みやしびれでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 頚椎ヘルニアは自然に治ることがありますか?
はい。頚椎ヘルニアによる神経症状は、保存療法で改善する方が少なくありません。研究では、多くの患者さんが4~6か月までに痛みや日常生活への支障が大きく改善すると報告されています(Wongら, 2014)。ただし、回復までの期間には個人差があります。
Q2. MRIでヘルニアが残っていても治ったと言えますか?
はい。症状が改善し、日常生活に支障がなければ、MRIでヘルニアが残っていても回復していると考えられる場合があります。実際に、症状の改善はヘルニアの自然退縮よりも早く現れることがあり、画像所見と症状は必ずしも一致しません。
Q3. 頚椎ヘルニアでは手術が必要になりますか?
すべての方に手術が必要なわけではありません。多くの方は保存療法で改善します。一方で、筋力低下が進行している場合や、日常生活に大きな支障が続く場合には、整形外科専門医と相談しながら手術を検討することがあります。
Q4. 痛みがあるときも首を動かした方がいいですか?
症状や時期によって異なります。無理に動かすことで悪化する場合もあれば、必要以上に動かさないことで首や肩の動きが悪くなることもあります。不安な場合は、医師や理学療法士、柔道整復師などに相談し、ご自身の状態に合った運動方法を確認することをおすすめします。
Q5. 頚椎ヘルニアは再発しますか?
一度改善しても、再び症状が現れることはあります。しかし、すべてが再発というわけではなく、筋肉や関節の硬さ、姿勢の変化などが原因となっている場合もあります。症状が続く場合は、自己判断せずに医療機関へ相談しましょう。
Q6. どのような場合に相談した方がよいですか?
次のような場合は、一度専門家に相談することをおすすめします。
首や腕の痛みやしびれが数週間続いている
痛みで仕事や家事に支障がある
腕の力が入りにくくなってきた
「様子をみましょう」と言われたものの、不安が続いている
手術を勧められたが、保存療法についても相談したい
現在の状態を正しく評価することで、今後の見通しや治療方針が整理できることがあります。
まとめ(おわりに)
頚椎ヘルニアと診断されると、
「このまま治るのだろうか。」
「手術をしなければいけないのではないか。」
と不安になる方は少なくありません。
しかし、研究では、多くの方が保存療法によって症状が改善することが報告されています。また、痛みやしびれは、ヘルニアそのものだけでなく、神経の炎症や周囲の筋肉・関節の状態など、さまざまな要因が関係していると考えられています。
そのため、MRIでヘルニアが残っていても症状が改善することは珍しくありません。
一方で、筋力低下が進行している場合など、早めに専門的な治療が必要となるケースもあります。
大切なのは、「ヘルニアがあるかどうか」だけではなく、現在どの回復段階にあり、どのような経過をたどっているのかを正しく評価することです。
もし、
痛みやしびれがなかなか改善しない
「様子をみましょう」と言われたものの不安が続いている
手術を勧められたが、保存療法についても相談したい
自分の症状が順調に回復しているのか知りたい
そのような方は、一人で悩まずお気軽にご相談ください。
当院では、現在の状態を丁寧に評価し、回復の見通しや今後の治療方針について分かりやすくご説明しています。
遠方にお住まいの方には、Zoomによるオンライン相談にも対応しています。
あなたが安心して日常生活を送れるよう、一緒に回復への道筋を考えていきます。
実際に通っておられる方のクチコミ
当院ではこれまで、どこに行っても良くならない多くの患者さんの施術を行ってきました。
それらの一部の患者さんからは、とてもありがたいクチコミコメントを頂いております。
カウンセリングをご検討の方は参考までにクチコミ内容をご確認ください。
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致しますのでお気軽にご相談ください。(但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。)
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を行っています。
申し訳ありませんが、電話による長時間の無料相談は行っておりません。まずは現在の状況をお聞かせください。
大阪以外の方からもご相談をいただいています
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- お近くの提携治療院を紹介することができます。
来院が難しい方もご相談ください。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南東、大阪市と東大阪市の境目、平野区加美北8丁目にある鍼灸整骨院です。
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最寄り駅はJRおおさか東線衣摺加美北駅(徒歩4分)です。
あなたにとっていちばん近くの整骨院を目指しています。
参考文献
加世田 圭一郎 他):自然消退がみられた頚椎椎間板ヘルニアの1例.整形外科と災害外科, 66 巻 4 号 p. 710-713 ,2017.











