論文紹介:むち打ちに対するはり治療の事例研究【生野区 南巽 交通事故 整形外科 はり】

はじめに

 

 

小川鍼灸整骨院のブログです。今回は、「いわゆる鞭打ち損傷患者1症例に対する鍼治療」という論文の紹介です。最近のブログはむち打ち損傷に関する論文をシリーズでお届けしています。この論文は鞭打ち損傷でも比較的長期化しやすいバレーリュウ型というむち打ち損傷の患者さんの治療について記述しています。

大阪市平野区と生野区境目の南巽地区から報告致します。

 

執筆担当は小川です。

http://www.korikori.com/staff/

 

内容

 

 

対象の患者さんは39歳の女性医師です。交通事故で後方より追突されて受傷。事故当日の症状は比較的軽かったが、翌朝激しい頭痛が出現したために整形外科を受診するも、激しい痛みは一週間たっても軽減せず整形外科に入院。入院1ヵ月後から本人の希望によりはり治療を開始したとのことです。初診時の症状は頭痛と背中から首の痛みでした。頭痛の評価は朝昼晩に0~10のペインスコアをつけて、平均値を算出する方法をとっています。

 

治療の方法

患部に貼りを直接行なわず、上肢と下肢の反応点と頚肩部周囲の筋肉が張っている部分にはりとお灸を行ない、治療5回目以降は首回りにもはり治療を行ないました。

 

経過

月の平均からみるはり治療の効果は、交通事故の翌月、翌々月は4.1ぐらいだったのが、3ヵ月後には2.9以下に軽快、4ヵ月後には1.7まで低下、事故後1年経過時点では交通事故前の仕事量の8~9割程度をこなせるようになっていた。

 

考察

むち打ち損傷は、1)頚椎捻挫型 2)根症状型 3)バレリュー型 4)混合型 5)頚髄損傷型に分類されて、3)4)5)の型は長期化しやすい。今回の事例は3)バレリュー型とみられる。また、今回の症状のひとつである頭痛は緊張型頭痛であり、はり治療によって頸部・頭部の筋肉の血流が改善されたために症状が軽減したと考えられる。

その一方で経過が長いために、自然経過としての回復がみられた可能性もある。

しかしながら、患者ははり治療の度に直後効果を感じることができたために、安心して日常生活上の行動を積極的に行えるようになり、それが社会復帰につながったと考える。

 

 

当院の見解

 

 

前回紹介しましたむち打ち損傷に対するはり治療の1例報告と内容的にはよく似ています。しかし、今回の事例においては心理社会的な背景は論文の中で否定されていますね。

私は、どのような症状の患者さんでも心理社会的な背景は必ず存在すると考えますので、そこに少々の違和感を覚えました。ただ、患者が「医師」ということですので、そのところを指摘するのは難しいと考えます。

当院では、交通事故によるむち打ち損傷の患者さんに対してはり治療はもちろんのこと、局所の痛みが強い患者さんに対しては例えば下肢へのオイルマッサージを行ないます。下肢のオイルマッサージが全身の血流を改善させて痛みの悪循環をたち切り、痛みを小さくするからです。

 

 

またこの論文にも謳われていますとおり直後効果を引き出す事に加えまして小川鍼灸整骨院では認知行動療法的なかかわりのもとに患者さんの不安を小さくして社会復帰が早期に行える様に施術して行きます。

 

 

おわりに

 

 

大阪市の平野区、生野区界隈で、交通事故によるむち打ち損傷の痛みでお悩みの方は是非とも小川鍼灸整骨院にご相談下さい。必要な方には整形外科を紹介致します。当院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。

 

 

参考文献

 

松本 毅他:いわゆる鞭打ち損傷患者1症例に対する鍼灸治療.全日本鍼灸学会雑誌,49 巻,1 号 pp19-26,1999.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1981/49/1/49_1_19/_pdf/-char/ja

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