はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
ストレスが病気の発症と経過に関連していることは、多くの研究から広く知られております。
しかし、ストレスがなぜ重大な影響を及ぼしているかについての研究は、それほど多くありません。
どのようなメカニズムを介して、ストレスが健康或いは病気の発症に関与するのでしょうか。
当論文では、「ストレスーコーピング病気罷患性モデル 」をベースに、健康-病気の結果に至る『心理社会生物学的過程』を明らかにしています。
今回は、それを記した論文「ストレスはどのように健康を左右するのか:その心理社会生物学的メカニズム」を紹介します。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南西、平野区と生野区の境目、加美北地区にあります。
最寄りの駅は地下鉄千日前線南巽駅です。1番出口から徒歩1分のところです。
小川鍼灸整骨院は地域でおすすめの整骨院を目指しています。
執筆担当は川畑です。
http://www.korikori.com/staff/
論文の内容
病気の罹り易さの個人差
ストレスと病気との関連性に関わる個人差は、変動性・強度差・生物学的脆弱性が関与しています。
変動性とは、同じストレス下でも必ずしも同じ病気にはならないと言う事。
強度差とは、ストレス強度と病気の罹りやすさは必ずしも相関しないと言う事。
これら2つの個人差はストレッサーへのコーピング(対処法)となる、心理社会的資源が人によって異なっているためと考えられます。
心理生物学的ストレス反応が心身に大きなダメージを加えることなく速やかに回復に向かうのか、あるいは病気発症のリスクを高めてしまうのかは、個人の生物学的脆弱性に負うところが大きいようです。
生物学的脆弱性とは、病気に催り易い体質とか変調をきたし易い器官系、既往歴、遺伝、家族性の負因、栄養状態、加齢、健康状態などについて言及した危険因子 の総称です。
この個人差は、ストレス関連疾患の変動性の重要な決定因の 1っと考えられており、家族に高血圧症者を有する学生の被験者では、そうでない被験者と比べると、メンタルストレス・テストに対する心臓血管系ストレス反応性が著明であることが報告されています。
ストレス‐コーピング‐病気羅患性モデル
ストレス‐コーピング‐病気罹患性モデルとは、ストレスが病気の発症と経過、予後に及ぼすメカニズムと過程について、心理生物学的ストレス反応に対する個人差を中心に説明するものです。
図. ストレスーコーピング病気催患性モデル
これは4つの段階から成っているよおうです。
①パーソナル・コントロール:ストレッサ―とコーピングとの相互交渉過程に由来する(図参照)。
②心理生物学的ストレス反応:パーソナル・コントロールの感覚のなさに基づいて、ストレッサーに対する心理生物学的ストレス反応がさまざまなレベルで生じることを示している。情動の変化・認知的反応・行動の変化・生理的変化(自律神経・内分泌系・免疫系)
③ストレスと病気を中継するルート:ストレッサーに対するパーソナル・コントロールの有無が心理生物学的ストレス反応系に重大な影響を及ぼすことに加えて、これらの心理生物学的ストレス反応系は心理生理学的ルート と認知的一行動的ルート の2つを介して、最終的に健康と病気の結果を決定している。
④健康と病気の結果:健康一病気の結果であり、ストレスによる影響の最終点である。パーソナル・コントロールの感覚のなさによって心理生物学的ストレス反応系が活性化されても、最終的に健康が維持されたり、病気からの速やかな回復がもたらされたりすれば、個人のウェル・ピーイング(well-being)一生存の質 (QOL)が心身両面にわたって保たれているとする主観的な感覚ーは保たれる。としている
結果:
病気のなり易さには、ストレッサ一体験の強度差と心理生物学的ストレス反応に対する変動性によって左右される。
これらの個人差は、個人が有するストレッサーに対する心理社会的資源の違いに起因していると考えられる。
また、個人の生物学的脆弱性によるところも大きい。
筆者の考察とまとめ:
心理生物学的ストレス反応に対する個人差を中心に説明したモデルがストレス コーピング病気擢患性モデルである。
このモデルはパーソナル・コントロールの感覚によって病気になるかどうかが決定するとされている。
また、ストレスが健康 病気の結果に及ぼす影響は心理生理学的経路と認知行動的経路の 2つのルートがあると想定されている 。
ストレスー病気罹患性モデルはストレスが病気に影響するメカニズムを検討する上で有用な概念的枠組みを提供している。
ストレスが病気の発症と経過、予後に重大な影響を及ぼす道筋と作用の仕 方についての系統だった研究は始まったばかりである。
この意味で、ストレス コーピング病気擢患性モデルは、 トランスアクショナルな視点から、健康ー病気の結果に影響を及ぼすストレスの役割を評価したり、心理社会生物学的メカニズムの解明を目指したり、ストレス・マネジメントプログラムを開発したりするなど、今後の研究のための有用な概念的枠組みを提供していると考える。
当院の見解
ストレスは様々な病気の要因となる事が知られております。
また、身体的な痛み感覚とストレスもまた関係が知られております。
特に腰痛は器質的要因もさることながら、心理的要因が大きいことも最近の研究判明しています。
この心理的要因への治療において、当院は認知行動療法という治療法を得意としております。
認知行動療法は慢性的な腰の痛み・肩の痛み・膝の痛みなどの慢性痛、また長く続く頭痛や不眠にも効果がある療法です。
どこに行っても良くならない!そのような方はぜひ当院にお越し下さい。
おわりに
大阪市の平野区、生野区界隈で良く分からない痛みや身体の歪みでお悩みの方は是非とも小川鍼灸整骨院にご相談下さい。小川鍼灸整骨院は大阪市の平野区と生野区の境目にある加美北地区、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。北巽は一つ手前の駅です。北巽ではなく南巽で下車してくださいね。
参考文献
津田 彰(他):ストレスはどのように健康を左右するのか:その心理社会生物学的メカニズム.行動医学研究,7(2) , 91~96,2001
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjbm/7/2/7_91/_pdf/-char/ja