全日本鍼灸学会に参加してきました😊
今回はオーラル発表です。気合いが入ります‼
発表の内容を少し話させて下さい。
これまで私たちの研究グループは、鍼灸の臨床研究ではまだなされていない「質的研究」という領域で研究活動を行って来ました。
どんな研究か?
まず、研究の趣旨にご協力頂ける治療者様と患者様の治療場面を観察させて頂きます。
そして、そこで見られた現象の裏側にはどんなことが隠れているのか?を、治療者、患者双方にインタビューした結果を元に考察するのです。
例えば、治療者が鍼を痛みと全く関係のない部位に刺して、その治療に対して患者が非常に喜んだという現象があったとします。
この現象は一見すると、
「治療者は遠隔治療を行い、患者さんはその効果を治療直後に喜んだ」
ととらえることが出来ます。
しかし、治療者にインタビューをしてみると、「いやー、あれは経穴を間違えてしまったのです」と答えるかもしれません。
また、患者さんは「痛いところと全く関係ないないところに鍼をされたので自分が思いもよらない高尚な方法で治療してくれていると思いました」
とインタビューで話すかも知れません。
仮に上記のようなインタビューが得られたとすれば考察は、
「臨床で見られる治療効果は偶然に支えられていることもある」
とか
「臨床で見られる治療効果は患者が主観的に構成している可能性があり全てが理論通りではない可能性ががある」
となります。
このように、臨床観察とインタビューを用いて行う研究を「質的研究」といいます。またこの研究の先にある医療をNBM ナラティブベイスドメディシンといいます。鍼灸の臨床研究ではまだこの方法はまだまだ未開発です。
この研究では患者さんにとってどんな良いことが得られるのか?
それは、治療者がもっと患者さんの話を聞く必要性を理解し、そうすることで治療効果が高まり、患者さんも治療者も喜ぶという、良いことが得られると考えます。
しかし、ことはそう単純ではないのです。
だから探求が必要です。
患者さん、同業者のために頑張ります‼😀