はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
今回は、「慢性腰痛患者を対象としたトリガーポイント治療と圧痛点治療の比較対照試験」と言う論文を紹介します。
これまで慢性腰痛に対してトリガ―ポイント治療が有用であるとする報告はあるものの、圧痛点治療との効果の違いは詳細に検討されていません。
そこで著者は、トリガーポ イント治療と圧痛点治療の効果の違いを明らかにするために慢性腰痛患者9例を対象に比較試験を行いました 。
小川鍼灸整骨院は大阪市の平野区と生野区の境目で加美北地区にあります。最寄りの駅は地下鉄千日前線南巽駅で、①出口から徒歩1分です。はり治療や筋膜リリース、整体などの治療を行なっています。
執筆担当は川畑です。
http://www.korikori.com/staff/
論文の内容
鍼灸治療において圧痛点治療は非常に用いられる治療法の一つで、頚肩部痛や運動器疾患に適応しています。
一 方、トリガーポイントは筋筋膜性痛痛症候群に特徴的な圧痛部位であり、腰痛や頚部痛、膝痛に対する治療部位としてしばしば用いられ、高い治療効果を示しています。
トリガーポイント治療と単なる圧痛を指標に治療部位を検索した圧痛点治療の効果の違いを検討するために慢性腰痛患者9例を対象に比較試験を行った。
研究方法
対象者:
65歳以上の腰痛患者(6カ月以上継続)9名(男性4名、女性5名)
トリガーポイント治療群と圧痛点治療群に振り分ける
全5回(週1回)
評価方法:
腰部の主観的な痛み(VAS)・QOLの把握、治療終了1カ後月評価
VAS:100mm幅の線を用い、左端(0mm)には「痛 みな し」、右端(100mm)には「これまでに感じた最大の痛み」と記す。
結果
腰痛に対する鍼治療の効果:
トリガーポイント治療群では治療前のVASが61.5±29.3mmであったのが、治療1回目で26.3±9.6mmまで減少し、5回目治療終了時には9.0±6.4mmとなり 、全体として有意な改善がみられた。
―方 、圧痛点治療群では治療前VASは71.4±24.3mmであり治療ごとに徐々に値の減少がみられ 、5回目治療終了時には29.4±19.1mmと 、値の減少はみられたが有意な改善はみられなかった。
治療終了時から1か月後の追跡調査では、トリガーポイント治療群では13.3±7.2mmと治療効果が継 続してみられたが、圧痛点治療群では47.6±25.3mmと治療の持続効果はみられなかった。
QOLに対する鍼治療の効果は、腰痛に対する鍼治療の効果と同様の傾向を示した。
まとめ:
トリガーポイント治療群ではVAS・RDQともに有意な改善を認めた。
圧痛点治療群では改善は有意ではなく、トリガーポイント治療群の改善のほうが顕著であった 。
圧痛点治療よりトリガ-ポイント治療の方が顕著にVAS・RDQの改善がみられ、治療効果に相違がみ られた。
このことからトリガ-ポイントは治療効果の点からも単なる圧痛点とは異なるものと考える 。
当院の見解
トリガーポイント、圧痛点治療は当院でも取り入れております。
特にトリガーポイントは筋肉のオーバーユースや老化、心理的なストレスからも発生します。
トリガーポイントに対しては、鍼治療と共に筋膜リリースを併用して解消に当たっております。
また、血流を改善させることもトリガーポイント治療においては重要です。
おわりに
小川鍼灸整骨院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。
参考文献
廣田里子(他):慢性腰痛患者を対象としたトリガーポイント治療と圧痛点治療の比較対照試験.全日本鍼灸学会誌,56 (1) , 68~75,2006
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1981/56/1/56_1_68/_pdf/-char/ja