手関節の捻挫【TFCC 遠位橈尺関節 小川鍼灸整骨院】

はじめに

 

小川鍼灸整骨院のブログです。今日の内容は、最近来院された患者さんの症例として、手関節の捻挫を取り上げます。手関節の捻挫もいろいろあるのですが、特に手首の小指側に痛みが出るTFCC(三角繊維複合体)損傷と遠位橈尺関節損傷について取り上げます。

 

 

疾患

 

 

転倒の際に手首をついて受傷します。肘から下には橈骨という親指側の骨と尺骨という小指側の骨の2本の骨があります。

 

この2本の骨がてのひらを上に向けたり、下に返したりする回内・回外という動作を可能にしています。この2本の骨は肘側と手首側で関節をつくっているのですが、転倒によって手首を痛めた際に、手首側にある橈骨と尺骨をつなげる関節(遠位橈尺関節)が損傷されるのです。

 

この部分の痛みは、TFCC損傷と呼ばれたり、特に尺骨が背側への大きく腫れている場合には遠位橈尺関節が脱臼している可能性もあります。

 

 

 

 

症状

 

てのひらの手首側に打撲の痕があり、手関節の小指側に痛みが出ます。回内・回外動作と手首の曲げ伸ばしで手関節の小指側に痛みが出ます。

 

 

 

 

自然経過

 

 

靭帯損傷の程度が小さければ、そのまま治ってしまうこともありますが、その場合でも2~3ヵ月間ほど痛みが続くことがあります。

 

尺骨には小さな骨の突起もあり、ここが折れていれば、痛みが長期化したり、不安定性を残すこともあります。不安定性が残れば重たいものを持ち上げることができません。

 

TFCC損傷であれば、6ヵ月ほど痛みが続くことがあります。手関節は安静にすることが難しいです。このことが痛みの長期化の一要因と考えられます。

 

 

治療

 

 

基本的には肘を90度屈曲位にしてから上までのギプスを巻きます。こうすることで、回内・回外の動きが制限されるからです。この動きが制限されると、損傷部位である遠位橈尺関節TFCCの安静を保つことができます。

 

 

当院での施術

 

 

損傷の程度は概ね手首にかかった力の大きさ、痛みの程度や腫れの程度、尺骨が背側に出張っている程度で判断できます。

 

これらのことから骨折が疑われる場合には提携医療機関にてレントゲン検査を行ないます。程度が比較的軽いと判断できる場合には、当院でテーピングを行ないます。

 

今の手首の状態がどうであるのかをしっかりと説明することも治療の一環として重要です。小川鍼灸整骨院では患者さんが理解出来るように丁寧に説明します。

 

 

 

 

おわりに

 

 

手関節の捻挫は骨折が合併している可能性もあり、しっかりと見極める必要があります。大阪市の平野区、生野区界隈で手関節の痛みでお悩みの方は是非とも当院にご相談下さい。小川鍼灸整骨院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。

 

 

参考文献

 

 

1)安部 幸雄, 津江 和成, 藤井 謙三, 岩永 隆太:遠位橈尺関節不安定性の病態―急性及び亜急性6例の検討―  整形外科と災害外科 55 巻 3 号 363-367 : 2006.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai/55/3/55_3_363/_pdf/-char/ja

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小川 貴司(おがわ たかし)

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