親指の付け根が痛い、つまみ動作で親指が痛む、ビンのふたを開ける時痛い
概要
母指は手の機能で最も大切な役割を持っています。例えば、「物をつかむ、にぎる、はさむ」という動作は親指の動きによるものです。
母指は3つの関節から成りますが、その中でも、特に重要な働きをするのが親指の付け根の関節であるCM関節(手根中手関節)です。
母指CM関節は第1中手骨と大菱形骨によって構成されています。
この2つの骨同士が、ちょうど馬の鞍のような関節面をしており、この独特なかたちにより、親指の広範囲の動きが可能となります。
母指CM関節症とは、親指の付け根の関節に起こる変形性関節症のことで、痛みや腫れ、動く範囲(可動域)の制限などを生じます。
特徴として、40歳以上の閉経後の女性や手をよく使う職業の方に多く見られます。
原因
母指CM関節症の原因として、親指の使いすぎや老化が考えられます。
親指は広範囲に動き、「物をつかむ、にぎる、はさむ」などの様々な動作で使用します。
CM関節はこうした役割を担っている為、負担がかかりやすくなっており、その反復される負担により
関節軟骨の磨耗、続く炎症や変形がおこり、痛みや腫れが生じます。
症状
母指CM関節症が発症すると親指の付け根周囲に痛みや腫れが生じ、悪化すると関節の不安定性が強くなり、
物をつかむ、にぎる、はさむ力が弱くなります。
また、運動時には捻髪音といわれる パチパチ・バリバリという音が聞こえる時があります。
検査としては、CM関節に軸圧をかけながら、中手骨を回旋させると強い痛みを再現することができます。
治療法
保存療法では関節の炎症を鎮めることが重要なため、治療の基本は関節の安静、安定と炎症を抑えることです。
そのために、消炎鎮痛剤の貼り薬、患部を固定し関節への負担を減らすための装具固定をCM関節に施します。
早期に対策をすれば、1~2ヶ月ぐらいで痛みが軽快する場合が多くみられます。
しかし、保存療法で効果が無い時は手術が必要になることもあります。
おわりに
母指CM関節症は早期対策が重要となります。
症状が進行してしまう前に少しでも早く、手の疾患に詳しい専門家へご相談ください。
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参考文献
藤澤幸三:母指CM関節変形性関節症.最新整形外科学大系,第15巻.8章変性疾患.中川書店,1999,p 41-p51