はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。今回は、「静的ストレッチの介入が足趾把持力に及ぼす影響について」という論文を紹介いたします。
執筆担当は川畑です。
http://www.korikori.com/staff/
内容
足趾把持力は足の指の握る力の事で、近年注目されています。
足趾把持力と転倒・バランス能力・歩行率などと関係が指摘されており、足趾把持力トレーニングによって、それらの改善が見られるようです。
この研究では、効果的な足趾把持力トレーニングを検証するために静的ストレッチに焦点を当て、静的ストレッチの介入が足趾把持力に及ぼす影響について検討している。
対象:
過去 1 年間以内に骨折や靭帯損傷、疼痛など下肢に病的な機能障害を認めない健常な大学生40 名(男性:20 名・女性:20 名、平均年齢 20.9 ±0.7 歳、平均身長 164.9 ± 9.1 cm、平均体重 56.2 ±9.4 kg)。
さらに対象者は
・足趾のストレッチを実施する群(以下ストレッチ群)
・足趾把持力の筋力増強運動トレーニングを実施する群(以下トレーニング群)
・静的ストレッチおよび筋力増強運動トレーニングの双方を実施する群(以下ストレッチ・トレーニング群)
・特別な介入をしないコントロール群
各々 10 名ずつランダムに割り振られた。
方法:
ストレッチ群には、6 種類の静的ストレッチを実施。
静的ストレッチは、対象者が痛みを感じる直前の伸張強度とし、一方向に対して 30 秒間の伸張。
トレーニング群には、足趾把持力の筋力増強運動としてタオルギャザー。
実施方法は、座位で床に広げたタオルを素足で踵を浮かさないよう両足趾にて自分の方に 20 回たぐり寄せる運動(休息を取りながら 3セット)。
2 週目からはタオルの端に重錘をのせ、1 週ごとに 0.5 kg ずつ段階的に負荷量を増加。
ストレッチ・トレーニング群は、静的ストレッチおよび足趾把持力の筋力増強運動の双方を実施。
各群は1 週間に 4 回の頻度で 3 週間にわたり介入。
測定項目は、利き足の足趾把持力、足部柔軟性、足部アーチ高率の 3 項目とし、介入前と介入後の 2回計測した。
結果と考察:
この研究では、効果的な足趾把持力トレーニングを検証するために、静的ストレッチに焦点を当て、静的ストレッチによる介入が足趾把持力に及ぼす影響について検討された。
静的ストレッチの急性効果としては、血液循環の改善により筋温が上昇すると筋肉の粘性が低下、弾性が増加することで、筋肉は受動的伸張に対する抵抗性が減少することで柔軟性が向上することが考えられている。
加えて、静的ストレッチを一定期間継続することにより、関節可動域の増加することが確認されている。
・把持力はストレッチ群、トレーニング群、ストレッチ・トレーニング群において有意に向上した。
・静的ストレッチのみの介入によって足趾把持力は増強。
・足趾把持力への静的ストレッチの介入は足趾把持力トレーニングとして有効であることが示唆。
・足部柔軟性の向上は、ストレッチ群、ストレッチ・トレーニング群で認められた。
・ストレッチ群、トレーニング群、ストレッチ・トレーニング群において介入前後で足趾把持力の向上が認められた。
・静的ストレッチや足趾把持力の筋力増強運動トレーニングは足部アーチ高率に影響を及ぼさない。
当院の見解
静的ストレッチは柔軟性や可動域を出す効果が高く当院でも、背中しなやか整体という静的ストレッチをまぜた整体を行っております。
おわりに
大阪市の平野区、生野区界隈、加美北地区で、「最近体が固くなってきた」とお困りの方は是非とも小川鍼灸整骨院にご相談下さい。
当院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。
参考文献
1)地主あい(他):静的ストレッチの介入が足趾把持力に及ぼす影響について.理学療法の歩み,28 (1) , 30~35,2017
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mpta/28/1/28_30/_pdf/-char/ja