はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。今回紹介させて頂く論文は、代替医療を代表する機関である、通称NCCIH(アメリカ国立補完統合衛生センター)で取り上げられたものです。
論文の題目は『変形性膝関節症に対するマッサージの効果と安全性:無作為臨床試験』です。
この論文の著者たちは変形性膝関節症におけるマッサージに関する論文をいくつも出しており、今回の内容はそれらをふまえたものとなっております。以前の研究内容を知りたい方はご参照ください。
内容
研究方法:
変形性膝関節症の成人222人を3つの群にランダムに振り分けます。
・マッサージ群(全身スウェーデン式マッサージ)
・軽いタッチ群(セラピストによるタッチング)
・通常治療群(関節炎における参加者の従来の治療法)
マッサージ群と軽いタッチ群には8週目までは週に1回の各治療を行い、
9-52週目までは1週間に2回の各治療又は通常治療の群にランダムに振り分けます。
通常治療群は24週まで治療を続けます。
その結果、
マッサージ群に関して痛み、コリ、歩行時間など身体機能の著しいの改善が見られそうです。
また8週目以降は52週目までの結果は8週目までの結果と比較して、それ以上の改善は見られなかったそうです。
筆者らは症状の緩和とその安全性にから、マッサージは変形性膝関節症に対する魅力的な短期治療の選択肢となりえると結論付けています。
当院の意見
変形性膝関節症に対するマッサージの効果を検討した素晴らしい論文だと思います。
筆者らのグループはマッサージの時間やその間隔、継続期間、日常生活動作への影響なども以前の研究で検討されており、信頼性の高い研究だと思います。
また、漢方や装具に対する治療効果もみており、変形性膝関節症を対象として研究をよくされているようです。
この論文中ではマッサージはスウェディッシュマッサージ(オイルマッサージの一つ)を用いておりますが、これは対象者が快く受け入れることが出来ればどのマッサージでも良いように思われます。
それは日本における変形性膝関節症の他の文献でもマッサージの効果が出てることからもうかがえます。
おわりに
変形性膝関節症はその痛みなどから日常生活動作の低下や外出への意欲消失、続く不活動によって大腿四頭筋力の低下を引き起こし、歩かないから歩けないと言った負の連鎖に陥る可能性もあります。
日本でも変形性膝関節症に対する研究が数多くあり、そういった情報をあつめ、まとめたたガイドインもあります。
ガイドラインによると、治療効果が根拠ありとされるものは、装具療法・足底板・患者教育・有酸素運動・筋力強化・可動域訓練・減量などがあります。
当院では痛みがなくなるまでの間、より積極的に治療したいと希望する患者さんに対して、筋膜リリース・はり・整体・認知行動療法や上記根拠ある治療を組み合わせて行なっております。
大阪市の平野区、生野区界隈で腰痛でお悩みの方は是非とも小川鍼灸整骨院にご相談下さい。
当院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。
文献
Perlman A, Fogerite SG, Glass O, et al. Efficacy and safety of massage for osteoarthritis of the knee: a randomized clinical trial. Journal of General Internal Medicine. December 12, 2018.