はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。今回は、「スポーツ競技者のアレキシサイミア傾向とバーンアウトに対する抑制因としてのマインドフルネスの役割」と言う論文を紹介します。
小川鍼灸整骨院は大阪市の平野区と生野区の境目で加美北地区にあります。最寄りの駅は地下鉄千日前線南巽駅で、①出口から徒歩1分です。はり治療や筋膜リリース、整体などの治療を行なっています。
執筆担当は川畑です。
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スポーツ競技者におけるバーンアウトの問題は、パフォーマンスの低下や気分障害、心理不適応、競技からのドロップアウト、また最悪の場合は自殺を引き起こすことが報告されています。
ここでバーンアウトとは何か、Wikipediaに記載されている情報から見てみましょう。
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燃え尽き症候群(もえつきしょうこうぐん)、バーンアウト(英: Burnout)とは、一定の生き方や関心に対して献身的に努力した人が期待した結果が得られなかった結果感じる徒労感または欲求不満。あるいは、努力の結果 目標を達成したあとに生じる虚脱感を指す場合にも用いられる。
引用 Wikipedia
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バーンアウトの危険性から、スポーツ競技者のバーンアウトに対する効果的な予防・援助方法の検討が求められています。
事例を見てみると、自身の心理・身体的な限界に到達しているにもかかわらずトレーニングを継続した結果、パフォーマンスの低下や故障が発生し、結果的にバーンアウトを発症したことが研究によって報告されています。
このように、感情や思考の抑圧・抑制は,スポーツ競技者においてはパフォーマンスとメンタルヘルスの双方に対して、ネガティブな影響を与えることが確認されています。
また、自身の感情を認識したり表現することを苦手とし、バーンアウトを引き起こすパーソナリティ傾向の一つとして、アレキシサイミア傾向(Alexithymia)が心身医学の領域で報告されています。
アレキシサイミア傾向とは、自身の感情や身体の感覚に気付き、区別することが困難であり、感情を表現することが難しく、空想力に乏しい、自身の内面よりも外的な事実へ関心が向かうという機械的な認知スタイルの事です。
アレキシサイミア傾向はモチベーションや行動の維持・増進、ソーシャル・サポートの獲得困難やバーンアウトの問題を引き起こしやすいと考えられています。
近年、感情や思考、また身体感覚への気づきを促進させる心理技法として、マインドフルネス(Mindfulness)が注目されています。
このマインドフルネスとは、三世代の認知行動療法において中核をなす概念として発展しているものであり、「意図的に・その瞬間に・判断をせずに注意を向けること」や「個人の進行中の内的・外的な刺激を価値判断なしにそのまま観察すること」と定義されています。
マインドフルネス技法の効果が心理臨床現場において報告されている中、国外においてはスポーツ競技者のパフォーマンス向上を可能とする技法としても注目を集めています。
そこでこの著者は、スポーツ競技者のマインドフルネス・アレキシサイミア傾向・バーンアウトの関係性を検討しました。
方法
調査期間:2013年 4 月下旬から 8 月上旬
調査対象者:都内および関西の4 大学における学生体育会運動部に所属する大学生、関東圏内を本拠地とする社会人スポーツチーム 2 団体に所属するスポーツ競技者の総計411名
スポーツ競技者のマインドフルネスとアレキシサイミア傾向、バーンアウトとの関連性について検証
・スポーツ競技者版マインドフルネス尺度
・大学生スポーツ競技者版アレキシサイミア傾向尺度
・大学生スポーツ競技者版バーンアウト尺度
結果
スポーツ競技者のマインドフルネスとアレキシサイミア傾向およびバーンアウトとの間において、直接的に有意な負の関連性が示された。
マインドフルネスが高ければアレキシサイミアは低い傾向にあり、バーンアウトも低くなると言える。
アレキシサイミアなどの問題に対して、身体に焦点を当てたアプローチが有効であるという先行研究がある。
そして、この研究結果は対象がスポーツ競技者になった場合においても支持するものであり、マインドフルネスとアレキシサイミア傾向との間に負の関連性があると推察される。
スポーツ競技者のマインドフルネスは、直接的にバーンアウトを低下させるだけではなく、バーンアウトの原因となるアレキシサイミア傾向も低下させ、間接的にバーンアウトも減少させると言える。
当院の見解
マインドフルネスは感情調節やストレス、身体の問題の低減に有意に働くため、当院でもマインドフルネスストレス低減法を治療に取り入れております。
おわりに
小川鍼灸整骨院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。
参考文献
雨宮 怜(他):
スポーツ競技者のアレキシサイミア傾向とバーンアウトに対する抑制因としてのマインドフルネスの役割
.スポーツ心理学研究,42 (2) , 81~92,2015
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspopsy/42/2/42_2015-1416/_pdf/-char/ja