はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
今回は、「腰痛の診断と治療」と言う論文を紹介します。
腰痛は臨床医にとって、最も見られる症状である。特に多く見られる年代は30-40代であり、一生のうち腰痛を経験するものは60-85%に上る。
そんな腰痛に対し、その診断と治療についてエビデンスも加味しながら記載されている論文である。
執筆担当は小川です。
http://www.korikori.com/staff/
論文の内容
腰痛の定義
腰痛の定義は「肋骨の下縁から近位大腿部までの後面に及ぶ腰痛」である。
発症から6週までを急性、それ以降を慢性と定義している。
診断
診断において重要なことは、疾患頻度、詳細な病歴・身体所見からレッドフラッグを見極める事である。
腰痛の多くは非特異的腰痛という特に原因のない腰痛が主である。
有名な「椎間板ヘルニア」、その頻度は全体の4%程度であり、30-50歳代に多く見られる。
また、ほとんどが4週間以内に改善することが分かっている。
※レッドフラッグについて、このブログでは割愛する。
治療
非特異的腰痛に限局して記載すると、
①安静:必要な場合を除き最小限(1‐2日間)に留める。
日常生活に早く戻った方がより予後が改善するという結果がある。
②温熱療法:急性腰痛に対して短期的に効果があるという報告がある。
③整体:急性・慢性腰痛に対して改善あり。
④運動療法:鍼・マッサージは慢性腰痛に対して改善あり。
急性期の運動は避ける。
⑤アセトアミノフェン・NSAIDs:鎮痛効果はアセトアミノフェンがNSAIDsに比べてやや劣る。
ただし、副作用を考慮すれば特に高齢者では第一世選択ドラッグである。
⑥筋弛緩薬:急性腰痛に対して短期間(2‐4日間)は効果がある。
日本で採用されているもののうち、最もエビデンスが高いものは、チザニジン(テルネリン)である。
⑦三環系抗うつ薬:慢性腰痛に対して有効である。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの効果は実証されていない。
腰痛の診断・治療におけるアルゴリズムを下記に載せる。
まとめ
腰痛は頻度の高い症状であるものの、その多くは自然軽快するが、レッドフラッグを見逃してはいけない。
また、レッドフラッグが無い非特異的腰痛に関しては、3か月程度までは保存療法を行っても良い。
安静を避けて可能な範囲で運動をすることを推奨している。
レッドフラッグが見られる、または保存療法で改善が見られない場合は専門家に診てもらうことが重要である。
とまとめられている。
当院の見解
腰痛に対し当院では鍼治療や整体、筋膜リリースを用いた治療を行っております。
どこに行っても良くならない!
そのような方はぜひ当院にお越し下さい。
しっかりと診させて頂きます!
おわりに
小川鍼灸整骨院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。
参考文献
猿渡 淳:腰痛の診断と治療.臨床医学の現在,34 (3) , 265~267,2011
https://www.jstage.jst.go.jp/article/generalist/34/3/34_265/_pdf/-char/ja