はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
みなさんが腰痛を感じた時にはそれに加えて、
この腰痛の原因は何か?
この先どうなっていくのか?
ぎっくり腰になるのではないか?
などと考えてはいないでしょうか。
実は、腰痛が早く治るかそれとも慢性化するかの分かれ目はこれらの不安や心配を小さくできるかどうかにかかっているのです。
今回はヘルニアへの不安や心配を解消することで早く改善したと考えられるLさんの事例(ペインスケールは10→3)について報告させて頂きます。同じような腰痛でお困りの方は参考にしてください。
内容は以下の通りです。
・患者さんについて
・施術と結果
・なぜよくなったのか?2つのポイント
・おわりに
・参考文献
当院は予約制です。
ご予約や症状についてのご相談、お問い合わせは
で受け付けております。
遠方にお住まいの方には
①ZOOMによるカウンセリングもご利用いただけます。
②お近くの提携治療院を紹介することができます。
お気軽にご相談ください。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南東、平野区と生野区の境目、南巽・加美北地区、南巽駅近くにある鍼灸・整骨院です。地域で一番おすすめの整骨院、あなたにとっていちばん近くの整骨院を目指しています。
患者さんについて
Lさん:32歳 男性 職業 設計士
Lさんの人生ではじめての腰痛は25歳の時だそうです。それからほとんど腰痛は感じていませんでしたが、数日前より腰痛とお尻から太ももあたりの痛みを感じるようになりました。
今回のような腰痛は経験がなく、職場の先輩もヘルニアで手術をしていることから、もしかしたら自分もヘルニアではないか?と思い整形外科を受診したところ、
ヘルニアの可能性があると指摘されて、治療を受けました。
しかし、その治療では改善せずLさんは当院を来院されました。
Lさんはご自身の腰痛について、
「鎮痛剤は効はごまかしのような気もする。腰痛は押えられてもからだの中で何か悪いことが進んでいるのではないかな?ヘルニアかも?医者もそう言うので。 職場に手術している人もいるので、ちょっとヤバイ気もする。でも、忙しくしている時にはあまり腰痛を感じないんです。姿勢が歪んでいるかもしれないし、体重が増えたので、腰に負担がかかってるのかとも思う」
と話してくれました。
Lさんの痛みの部位は図の通りです。
身体を診ると、どうもヘルニアの所見はなさそうでした。病的なヘルニアがある場合には、徒手検査によってどの神経がヘルニアによって圧迫されているのか概ね見当がつくのですが、その所見が全くないのです。
Lさんの痛みはヘルニアというよりは椎間板の変性による腰痛と考えられました。左太ももへの痛みは坐骨神経痛というよりは椎間板の関連痛であると考えたのです。
こちらのブログもご参照ください。
施術と結果
よって、Lさんの腰痛に対しては痛みの原因を椎間板と同時に筋膜と筋肉をゆるくつなぐ結合組織の重積(癒着)と考えて、この重積をゆるめるための筋膜リリースを行いました。
こちらのブログもご参照ください。
そして更に、整体として筋膜の重積をゆるめの整体を行いました。
それぞれを週に2回を2週間、合計4回の施術を行いました。
痛みは4回の治療で10→3にまで下がりました。
また、毎回の施術の中では、Lさん自身が考える「これを行なうとヤバいな」と思う動きや、抜けそうな痛みを誘発する動きをあえてやってみるように指導しました。
Lさんの腰痛は腰自体の原因がそんなに深くないと判断したので、できるだけ動いてもらうように指導したのです。
もちろん、治療の中では一貫してこの腰痛はヘルニアではなく単なる腰痛であること、この手の腰痛はぎっくり腰につながることはないこと、考えすぎることが症状を強くしてしまうことをしっかりと説明しました。
その理由は、Lさんのお話しからは破局的思考または恐怖回避思考の傾向がみられたからです。Lさんは過度にヘルニアを心配していたのです。
こちらのブログもご参照ください。
今回のLさんの腰痛はヘルニアではありません。病的なヘルニアであれば坐骨神経痛が症状として現われるからです。まれに小さく出たヘルニアが少しずつ神経を圧迫するバルジングという状態もありますが、それでもなさそうでした。
実際にLさんは忙しくしている時には痛みを感じないと話していましたので、上記のように痛みに意識を向けないことや過度に腰痛を怖がらないことは腰痛治療として非常に重要なことです。
なぜよくなったのか?2つのポイント
ポイントは2つです。
1つは筋膜リリースと整体で筋膜の状態が整ったこと、
そしてもう1つは、腰痛への不安が小さくなったことです。
筋膜リリースと整体によって痛みの部分にある筋膜の状態が改善したと考えられます。
痛みの原因が、筋肉をゆるく結ぶ結合組織にある場合はその部分の水分量が低下したり、pHの変化によって痛みが出てきたりしますが、徒手による筋膜リリースはそれらの不調を解消したと考えられるのです。そして更に整体がその筋膜を引き延ばしたと考えます。
そしてもう1つのポイントはLさんの腰痛に対する心配を払拭できたことです。
慢性的な痛みは破局的思考が腰痛と関連するとされていますが、Lさんの痛みも自分の腰痛がヘルニアであると解釈することで痛みが強くなっている可能性はありました。
今回の施術では、Lさんの腰痛についてLさんが理解できるようにしっかりと説明を行い、特にヘルニアを否定して、過度に心配しないようにしました。
また、Lさんが設計士であり、自分の腰の異常を構造的に知りたいという欲求がありましたので腰痛の原因をLさんが納得できるように説明できたこともよかったのだと考えます。
遠方で来院できない方は、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
当院は予約制です。
ご予約や症状についてのご相談、お問い合わせは
で受け付けております。
遠方にお住まいの方には
①ZOOMによるカウンセリングもご利用いただけます。
②お近くの提携治療院を紹介することができます。
お気軽にご相談ください。
おわりに
大阪市の平野区、生野区・南巽界隈でどこに行ってもよくならない腰痛や、ヘルニアが心配でお悩みの方はどうぞ小川鍼灸整骨院にご相談ください。
鍼・筋膜リリース・整体と同時に認知行動療法を腰痛のヘルニアの施術に応用していています。
当院の患者さんは、平野区、生野区、東住吉区、城東区、それに周辺の八尾市、東大阪市渋川町、寿町、衣摺などから来院されています。
※内容につきましては、プライバシーに配慮して、話しの構造が変わらない程度に性別や年齢、職業、具体的な社会的背景などを加工しています。
参考文献
松平浩,吉本隆彦:腰痛の新しい概念と治療戦略-層化アプローチと非薬物療法の重要性 -.日本東洋医学系物理療法学会誌,43 巻 2 号 p. 1-9,2018.