はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
何をしてもよくならない、どんな治療を受けても良くならないとお困りの方は多いです。
そのような方は病院で検査を受けたけれども原因が見つからないという方が本当に多いのです(あなたはどうですか?)。
そしてさらにそのような方によくあるパターンが痛みと意識が関係しているということです。
今回は、痛みと意識の関係について紹介いたしますので、お心当たりのある方は是非とも参考にしてください。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南西、平野区と生野区の境目にある加美北地区にあります。最寄りの駅は地下鉄千日前線南巽駅1番出口から徒歩1分のところです。北巽は一つ手前の駅です。
「痛みはあるんです。でも痛くない?」
「痛みがあるんですが、その痛みはなんていうか・・・、じっとしている時の方が痛くって、気が張ってる時はあまり痛まないんです。動いているとマシになってきます。でも、すごく気になるというか、気持ち悪いというか・・・」
自律神経失調症や慢性的な肩こり・腰痛の患者さんでこのように訴える方は比較的多いです。
痛みがあると、その痛みの部分が気になるものです。つまり痛みの部分(からだ)に意識が集中してしまいます。
痛いからからその部分(からだ)を意識してしまうのか?それとも、その部分(からだ)に意識を向けるために痛みが大きく感じられるのか?
多くの患者さんは「痛みがあるからその部分(からだ)に意識が集中するんだ」と言います。
確かにそうです。
そして、治療を行なうことで痛みがなくなれば意識がそこ(からだ)に向かなくなると考えています。
確かにそうです。
だから私たちも、基本的にはからだの痛みをとるように治療を行ないます。
しかし、しかし、しかしです。
このような痛みは、からだに意識を集中させるから感じられるというルートも同時にあるとしたら、どうでしょうか?
痛みがあるからその部分に意識が集中することと同時に、その部分に意識が集中するから痛みが感じられる。
この2つのルートは、卵が先かニワトリが先かの議論と同じです。
私はどちらもありだと思うのです。
日本発祥の精神療法である森田療法では、このような心と身体の関連を、精神交互作用と呼んでいます。
痛みがあるから痛みの部位に意識が向き、それによって痛みが大きく感じられる。そして痛みが大きく感じられるから痛みの部位に意識が向いてしまう。それによってまた痛みが大きく感じられる。だから意識が・・・・。
と、痛みと意識が相互に循環しながら「大きくなっていること」が治療を通して解決するべき最大の問題ではないでしょうか。
2つのルートを断ち切る
患者さん慢性の痛みを軽減させることを第1の目的として、この目的を達成するためには、卵が先かニワトリが先なのかはどちらでもよく、とにかくこの悪循環を断ち切って痛み自体を感じなくしてしまうことが重要なのです。
そのためには、治療者と患者の協働作業が非常に効率的です。なぜなら、この痛みの悪循環が2つのルートからできているからです。
2つのルートとはからだのルートと心のルートです。
からだのルートの遮断に関しては、私たち治療者が知識と経験を活かして施術を行ない、患部の回復や機能の改善を目指します。
小川鍼灸整骨院では鍼灸施術・筋膜リリース・整体などの治療を、患者さんの状態に合わせて行なうようにしています。
そして心のルートの遮断に関しては、まずは治療者が先導しながら患者さん自身が心のルートの存在に気付き、そして自分の心をコントロールして意識を痛みに向かないことを目指します。
そのために小川鍼灸整骨院では、認知行動療法の理論を応用した説明を行なうようにしています。そのことを当院では認知行動療法的なかかわりとよんでいます。慢性の痛みに対して、認知行動療法の効果は科学的に認められています。
改善しやすい患者さん、改善しにくい患者さん
私の経験から改善しやすい患者さんは、治療に積極的な患者さんです。自分の状態を知りたいと、症状についてよく質問したりお話ししたりする患者さんです。
また、そのような患者さんの中には自分にできることがあれば積極的に行なおうとする患者さん方もいらっしゃいます。このような患者さんは積極的なかかわりのなかで、心のルートに気付き、心のルートを一緒にコントロールしていこうとされる方です。
改善しにくい患者さんは、治療者とのかかわりを積極的に行ないません。例えるなら、故障した自動車を修理工場に預けて完全に修理を任せるようなそんな感じです。ベッドに横たわり、身体を触ってもらえば治っていくというイメージを持っているのだと思います。
「もちは餅屋。身体は専門家に任せるしかない」と考えるのかもしれません。ここでは心のルートは想定されていませんので、心のルートが遮断されることがなく、改善が得られにくいのです。
人の身体は機械ではありませんので、このような治療では改善が遅れてしまうのです。
心のルートに気付くことで改善された患者さんの事例はブログでも多く取り上げています。例えば以下の事例です。
15年来の痛みが消失した例
http://www.korikori.com/blog/15年来の不調が解消した例【平野区・南巽・認知行/
顎関節症と体の歪みの治療事例
http://www.korikori.com/blog/顎関節症と体の歪みの治療事例【平野区%e3%80%80南巽%e3%80%80/
わかりやすく軽減した腰痛患者さん
http://www.korikori.com/blog/わかりやすく軽減した腰痛患者さん【認知行動療/
治療者と患者の協同作業は、上記の悪循環を断ち切るために行ないますので私は、患者さんに対して前者のような態度を可能な範囲で求めるようにしています。
しかし、簡単ではありません。
多くの患者さんはからだに原因があるから痛みを意識するようになるのであり、痛みを意識するから痛いのではない!と考えるからです。
誰でもそうですが、問題の原因が「自分の意識にある」と言われると、なんだか否定された気分になってしまいます。私もそうです。たぶん、誰しもそうだとは思うのですが、この人間の特性が心のルートを気付きにくいものとさせてしまい、慢性の痛みを継続させて治りにくいものにしてしまうのだと思います。
またこの人間の特性が、治療者にからだのルートしか想定させないのでしょう。だから心のルートが治療の対象として取り上げられる機会がなくなってしまい、痛みが治りにくくなるのだと思います。
どこに行っても良くならない痛みの原因は、治療者が2つのルートのうちの1つのルート、つまりからだのルートに対する治療しか行なわないからなんですね。
患者さん自身が治療者の指導の下に心のルートに気付き、その対策を積極的に行うことができれば、どこに行ってもよくならなかった痛みは必ずなくなります。
当院では、慢性的な痛みの患者さんに対して、2つのルートを想定して治療を行ないます。
おわりに
大阪市の平野区、生野区界隈で肩こりや腰痛、どこに行ってもよくならない慢性の痛みでお悩みの方は是非とも小川鍼灸整骨院にご相談下さい。
鍼灸・筋膜リリース・整体などでみなさまの痛みを施術します。当院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。
参考文献
伊藤 克人:森田療法への導入の実際.心身医学,56 巻 4 号 p. 341-346,2016 .
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/56/4/56_341/_pdf/-char/ja