はじめに
小川鍼灸整骨院のブログです。
今回も変形性膝関節症の診療ガイドラインについての紹介です。3回目の今回で最後となります。今回は変形性膝関節症の手術についてです。変形性膝関節症に対する主な手術は鏡視下デブリードマン(膝のそうじ)、脛骨骨切り術、人工膝関節置換術ですが、それぞれの手術の有効性と、
手術が必要なぐらい痛い膝の痛みに対して「当院でできること」について解説します。
内容は
・人工膝関節の手術って必要?本当に治るの?
・骨切り術という方法を勧められたけどうなの?
・膝のそうじの手術、した方が良いの?
・当院でできること
・おわりに
・参考文献
です。
また当院では、
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膝痛でお困りの方は気軽にご相談ください。
小川鍼灸整骨院は大阪市の南東、平野区と生野区の境目、南巽・加美北地区、南巽駅近くにある鍼灸・整骨院です。地域で一番おすすめの整骨院、日本で一番身近な整骨院を目指しています。
当院では手術後のリハビリも行っています。
人工膝関節の手術って必要?本当に治るの?
変形性膝関節症の有症状者数は2500万人であり、そのうち0.9%の7万人が手術を受けるということです。
軟骨は今のところ再生しないとされていますので、末期の変形性膝関節症の患者さんは最終的に人工膝関節置換術に行き着いてしまうといえます。
(iPS細胞が変形性膝関節症の治療に使われたり多血小板血漿を使う治療が最近は注目されていますがまだ実用段階ではないようです。)
もちろん、絶対に手術を避けたいという方もいらっしゃいますが、その様な方は痛みのコントロールを行う保存療法を選択することになります。医学的には手術療法の効果は高く、一般的に恐れられる、手術の失敗や痛みが引かないというようなことは少ないとのことです。よってガイドラインによるおすすめ度は最上級のAランクとなっています。
以下はガイドライン本文です。
★非薬物療法と薬物療法の併用によって十分な疼痛緩和と機能改善が得られない変形性膝関節症患者の場合は、人工膝関節全置換術を考慮する。保存的治療を行っているにもかかわらず、健康関連 QOL の低下を伴う重篤な症状や機能制限を有する患者に対しては、関節置換術が有効かつ費用対効果の高い手段である
推奨度A
骨切り術という方法を勧められたけどうなの?
膝関節は内側と外側の関節面があります。膝関節の変形の多くは内側にやってきます。
ですので、膝関節の下側を作る脛骨という骨の内側に切れ込みを入れてその空間に人工の骨や医療用の物質(スペーサー)を挿入して、内側にかかる荷重を外側にも分散させる方法が脛骨の骨切り術です。
人工関節の手術を10年遅らせることができるというデータがあるようですね。
以下はガイドライン本文です。
★身体活動性が高く、内側変形性膝関節症による症状が著しい若年患者では、高位𦙾骨骨切り術の施行により関節置換術の適応を約10年遅らせることができる場合がある
推奨度B
膝のそうじの手術、した方が良いの?
「膝のそうじ」と表現される事が多く、滑膜という神経や血管がたくさん分布している部分を取り除く手術です。年齢が若く、半月板に痛みの原因がある場合に効果が出やすいとされているようです。
ですので、治療効果は限定的ということでしょうか。
個人的には、痛みを我慢することができなく、かといって大きな手術は避けたいと考える方が期待を込めて受けることが多いように思います。
関節鏡を用いて行なわれる手術ですので、傷が少なく、他の手術と比べて身体への負担が小さいですね。効果については明確でないという研究結果が多いようですが、効果が見られる人もいるようです。経験の多い専門のお医者さんに意見を聞くべきですね。
以下はガイドライン本文です。
★変形性膝関節症における関節洗浄および関節鏡視下デブリドマンの効果は意見が分かれている。いくつかの研究で短期的な症状緩和が示されているが,ほかの研究では症状緩和はプラセボ効果に起因する可能性があることが示されている
推奨度C
当院でできること
外科的療法においても薬物療法同様にB以下が多い印象ですね。先ほども触れましたとおり、変形性膝関節症の有症患者数は2700万人であり、そのうちの0.9%である7万人が手術を受けるとされています。
私の印象では手術が必要な程度の症状でも手術を受けない患者さんも相当数います。
コロナ禍で手術の日程が延びてしまい、その間に痛みがなくなった(正確には痛みのない時期がやってきた)人もいます。つまり、痛みの厳しい時期が過ぎるとまた普通に生活できることも多いのです。
だから、手術を避けたい人にとっては保存的療法は重要になってきます。大切なのは、またやってくる痛みのない時期をできるだけ早くたぐり寄せること、それまでの期間をできるだけ痛みを小さく安らかに過ごすことですね。
小川鍼灸整骨院ではできるだけ手術を受けたくないという膝痛でお困りの患者さんに対して、それぞれの患者さんに適切なな生活上のアドバイスを行ないながら施術を行なっています。
「適切な」という表現には、理論的に適切という意味と患者さん自身が「自分に合っている」と思えることの2つの意味が含まれています。
具体的には、まず膝の状態をしっかりと見極めて膝の症状をチェックします。
そして理論的に考えてその症状に合う施術方法をいくつか提案させて頂き、患者さんが受け入れやすい方法を選んで頂きます。
必要であれば医師を紹介致して、消炎鎮痛剤やヒアルロン酸の注射などを併用できますが、来院される多くの患者さんは既に医師を受診した方であり、西洋医学が自分に合っていないとお考えの患者さんです。
その場合は、「なぜそう考えるのか」についてしっかりとお話しを伺います。その上で施術方法を一緒に考えます。ここに認知行動療法が応用されます。私たちはこのかかわりを「認知行動療法的なかかわり」と呼んでいます。
主な施術の方法は
・筋膜リリース
・整体
・鍼灸
・アロマオイル(ローズマリーカンファー)を用いたマッサージです。
遠方で来院できない方には、リモートカウンセリングも行なっています。痛みの経緯や痛みの具合からどのような対処法が必要かについてアドバイス致します。但し、診断行為は行えませんのでご了承下さい。ご希望の方はメールにてご予約ください。
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変形性膝関節症の施術事例紹介はこちら↓↓↓
当院では手術後のリハビリも行っています。
おわりに
大阪市の平野区、生野区界隈で、膝痛、変形性膝関節症でお悩みの方は是非とも小川鍼灸整骨院にご相談下さい。鍼灸・筋膜リリース・整体などでみなさまの痛みを施術します。
当院は大阪市の平野区と生野区の境目、地下鉄千日前線南巽駅①出口から徒歩1分のところにあります。当院へは平野区、生野区以外にも、東住吉区や東成区、八尾市、東大阪市渋川町、寿町、衣摺などからも患者さんが来院されています。
参考文献
川口浩:変形性関節症治療の国内外のガイドライン.日関病誌,35(1):1~9,2016.
鵜木栄樹 他):変形性膝関節症に対する鏡視下デブリードマンの術後成績の検討.東北膝関節研究会,vol.15,pp11-14,2005.