膝蓋骨骨折後に“骨は治ったのに膝が伸びない”理由と回復法【大阪 平野区 小川鍼灸整骨院】

膝蓋骨骨折後の関節拘縮

3件の整形外科では「異常なし」と診断され、整骨院でも改善しませんでした。そこで当院を受診したUさん。初診時は45度しか曲がりませんでしたが約1ヶ月の施術で150度まで曲がるようになりました。経過と詳細を報告します。

 

はじめに

(2025年10月29日更新 執筆・監修責任:小川貴司)

小川鍼灸整骨院のブログをご覧いただきありがとうございます。


当院は、大阪市平野区加美北にある開業30年以上の鍼灸整骨院で、整形外科・リハビリ科と連携しながら、「どこへ行っても改善しなかった痛み」 に対して多角的にアプローチしています。

 

今回は、3件の整形外科、1件の整骨院を受診しても改善しなかった膝蓋骨骨折の患者さんが当院で改善した事例を紹介します。

 

今回取り上げる患者さん(Uさん:49歳女性)のように、外見上は骨折が癒合し、画像上・整形外科の診察では「異常なし」とされるにもかかわらず、強い痛みや関節の動かしにくさを長く訴える患者さんは決して稀ではありません。

 

外傷後の慢性疼痛や機能障害は、骨そのものの問題だけで説明できないことが多く、神経・免疫の過剰反応(複合性局所疼痛症候群:CRPS)や痛みに対する不安・恐怖(恐怖回避思考)、破局的思考(catastrophizing)といった心理・行動要因が回復を妨げているケースが報告されています(文献1)。

 

つまり、「レントゲンで骨がついている」「医師の診察で特に異常がない」=「痛みが問題ではない」ではなく、

 

患者さんの関節の痛みや関節が動かないことには、

 

身体以外のその他要因が関係していることが大いにあり得るのです。

 

まずはその可能性を患者さんに丁寧に説明し、

 

「医療者が診断名をつけることに執心したり、抑うつ症状や不安の訴えに対して抗うつ薬や抗不安薬だけで対処するという短絡的な薬物療法だけではなく、CRPSについての教育を通じて患者自身が痛みに対する自己管理力を高められるようにすることが重要(文献2)」なのです。

 

あなたはきっとあなたの主治医から、あなたが自分で自分の痛みを管理できるように指導してくれなかったのでしょう。

 

今回、当院で治療を受けてくださったUさんの事例では、

 

適切な施術、リハビリ、運動方法を考えることが、回復への近道となりましたので是非ともご参考になさってください。。

 

Uさんからはうれしいクチコミも頂いております。

https://g.co/kgs/14vAFvT

 

またこのブログの内容は動画でも解説していますのでこちらもご参照ください。

 

当院はどこに行っても良くならない患者さんの治療を得意としています。お困りの方はご相談ください。

 

内容は以下の通りです。

・患者さんについて(骨は治ったのに・・)

・初診時のUさん(膝が伸びない)

・当院の施術(膝蓋骨骨折のリハビリ)

・経過と結果

・Uさんが改善しなかった理由

・当院で改善した理由

当院のクチコミ

・まとめ(おわりに)

 

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小川鍼灸整骨院大阪市の南東、大阪市と東大阪市の境目、平野区加美北8丁目にある鍼灸整骨院です。   

 

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最寄り駅はJRおおさか東線衣摺加美北駅(徒歩4分)です。地域で一番おすすめの整骨院、あなたにとっていちばん近くの整骨院を目指しています。

 

患者さんについて(骨は治ったのに・・)

 

Uさん(49歳女性)は、X年12月に駐車場で転倒して膝を地面にぶつけて右の膝蓋骨を骨折しました。

 

 

Uさんは整形外科に運ばれましたが骨折は比較的に軽症ということで、シーネ固定だけをされて、医師から詳しい説明もなく対応に不信を感じたそうです。

 

そこでUさんは2件目の整形外科を受診しました。やはり骨折の程度は大したことはないということで、2週間のギプス固定を行ったそうです。

 

2週間後整形外科医より、「骨折の程度もひどくないので、生活の中で動かしていけば十分に動くから自分でリハビリするように」と言われ、その整形外科でリハビリをすることはありませんでした。

 

Uさんは、痛みもあったためにできるだけ安静を保ち、近くの整骨院でマッサージ治療を受けていましたが、固定を外した後の膝関節が90度も曲がらず、困っておられました。

 

セカンドオピニオンでもう1件整形外科を受診しても、「骨折の程度はひどくないのでそのうち治る(まったく異常なし)」と言われるだけでした。

 

整形外科医は「そのうち治る」というものの実際に自分の膝は全然曲がらず、困り果てたUさんはネット検索の結果、当院のホームページにたどり着いて来院されました。

 

当院に来院されるまでの経過について、Uさんは以下のように日記に記しています。

 

1月16日

リハビリメモ①

ギプス外したら逆に脚が痛く、松葉杖無しでは全く歩けない。一週間後に90度まで曲げれるようにと、先生に言われたが45度以上曲がらない‥。

 

1月18日

リハビリメモ②

相変わらず右足がパンパンに腫れてる。ロボットの用に一歩一歩杖を持ちながら歩く‥。

 

1月21日
骨はくっついてるとのこと。痛いぐらいリハビリするようにと言われたが、膝横に炭が入ってるように硬くて全く曲がらない。

 

2月1日
これまで全く変化なし。毎日整骨院(他院)でマッサージ治療はしてたものの45度のまま‥。

 

2月4日
整形外科の先生に45度しか曲がらないのはおかしいから、MRI行くように言われショック。

 

2月6日
整骨院(他院)での治療がおかしかったのか、けん?筋?痛く余計に脚が曲がらないし痛い。

 

2月7日
他の整形外科へ。全く異常なしとのこと‥(TдT)。

 

初診時のUさん(膝が伸びない)

 

2月9日にUさんは初診で来院されました。

 

初診時のUさんの膝の状態は、膝から下に浮腫があり、膝は赤みを帯ていました。膝関節には少量の水がたまってました。

膝概観

右の膝に若干水腫がみられました。

 

関節の角度は50度未満でした。

 

歩行時には痛みを感じて、長距離は歩けないということでした。

 

特に下の図に赤色で示されている太ももの内側が硬く、その突っ張りのために膝が曲がらないとUさんは話しました。

 

施術中の会話でUさんは、「痛みに対しては強い方なので敏感なことはない」ということでしたが、3か月後に大事な海外出張を控えておられ、「このままでは出張をキャンセルしなくてはいけないかも?」と考えていて回復に不安を感じておられました。

 

私は、骨折時のレントゲン画像から「骨折の程度はひどくない」こと、「3ヶ月あれば必ず治ること」をお話しして施術を始めました。

 

当院の施術(膝蓋骨骨折のリハビリ)

 

施術は関節周りの筋膜リリースと膝関節の可動域訓練です。

 

まずは、施術は膝関節を緩めながら関節をしっかりと動かしていきました。

 

そして、関節の感覚を鍛えるように、反復横飛びや片足立ちの練習などを行い、ぐるぐるフルフル体操にも参加していただきました。

 

当院の片足ぐるぐる体操について【大阪 平野区 加美北 衣摺 関節痛 ロコモ予防 小川鍼灸整骨院】

 

するとすぐに日常生活動作に改善が見られました。

 

可動域が大きくなるにつれて、歩行時の痛みは小さくなり、歩き方も順調に回復していったのです。

 

特に歩行距離が長くなり、車の運転もできるようになりました。

 

経過と結果

 

リハビリの経過について、Uさんの日記とカルテの記述、治療中に撮影した写真をもとに解説します。

 

まず、膝関節の角度は、下のグラフのように改善していきました。

 

 

詳細は以下の通りです。

 

2月9日
小川先生とこへ(病院)初診。3回で90度曲げてくれるとの事(笑)
体操参加にも。歩き方を教えていただき、先生と歩いたら歩けた(拍手)。

 

2月13日
どうしても上手に歩けず‥小川先生とこまでに3回は休憩しないと痛くて歩けない。反復横跳びの練習をした。反復横跳びができるのなら車が乗れる!とのことで車に乗ってアクセルを踏んでみた!(拍手)車の運転に復帰。

 

2月21日

膝角度①

関節の角度は94度です。

 

3月1日
104度まで‥あと少し

 

3月2日
仕事復帰
脚がパンパンにはってる。

 

3月3日

リハビリメモ③

ライフまでウォーキング。片道20分帰りは脚がパツンパツン。

 

3月4日
〇〇までウォーキング。休憩なしで歩けた(拍手)
小川先生とこで108度まで〜♫(曲がった)

 

3月6日
自転車で確定申告へ‥スムーズにペダルはこげないが、かかとでなんとかペダルを回す。

 

3月8日

膝角度②

小川先生(を受診)。頑張って110度まで。ゴールはもう少し!痛いのは痛い。上手く歩けないから右腰がはる‥

 

3月10日

小川先生(を受診)。何か脚が曲がる気がする!130度まで(星)(拍手)

 

3月12日
階段を一歩ずつしか降りれない。少し不憫。

 

3月15日

膝角度④

膝関節は143度まで曲がっています。

 

3月16日

膝概観②

膝関節の屈曲角度は143度。むくみも腫れも引いています。

 

3月17日

小川先生(を受診)。150汗だくで頑張りました!

 

3月18日

最近、太もものはりがなくなり膝におりてきた感じ。歩くのも楽(歩く)♫

 

3月20日
一歩ずつ降りてた階段が右、左と順に降りれるようになった。少しリズムは悪いが(笑)

 

3月27日

膝角度⑤

イオンモールへ‥ 足は全く痛くなく、昔のように普通にブラブラできた(歩く)。夕方、小川先生とこへ。お尻までかかともつくし、何とか正座に近づけたので、治療はフィニッシュ。膝の屈曲角度は153度です。

膝概観③

正座もできるようになりました。

 

Uさんが改善しなかった理由

 

Uさんの膝は、3名の整形外科医が診察しました。そしてどの先生も「軽症なのでそのうち治る」と話しました。

 

しかしUさんの膝は全然動きませんでした。なぜでしょうか?

 

Uさんの膝が動かなかった理由には、

 

①Uさん自身が痛みに敏感になっていたこと

②責任をもってリハビリを担当する医療者がいなかった

 

の2つが考えられます。

 

①については、Uさん自身も意識できていないようですが、不安やストレスなどがあれば痛みを感じやすくなります。

 

Uさんの場合は、治るかどうかわからない状況や、なぜ曲がらないのかについて説明を受けていませんでした。そして、3ヶ月後には大事な海外出張も控えています。どんな風に回復していくのか全くイメージできない状況のなかでストレスが高まり、痛みの沸点(疼痛閾値)が下がってしまったと考えられます。

 

痛みの沸点が下がるということは、痛みを感じやすくなるということです。関節の可動域訓練はある程度の痛みを伴います。この痛みを大きく感じると、関節は曲がらなくなってしまいます。このような方は多くいます。CRPSType1と呼ばれる状態がそうです。

 

②については、整形外科医は生活の中で自然に治っていく程度の骨折と判断したために、本格的にリハビリの指導をしなかったと考えられます。

 

そして、Uさんが通院していた整骨院では痛みの沸点が下がっていたために関節を動かす時に痛みを大きく感じてしまい、痛みの沸点を下げる関わりがなかったためにリハビリが進まなかったのでしょう。

 

当院で改善した理由

 

実は上記のことはUさんだけではなく、どこに行っても良くならない患者さんに共通してみられる傾向です。

 

当院では同じような患者さんを多く施術してきましたので行うべきことがある程度決まってきます。つまり、上記①と②の傾向を把握して、逆に向かって施術を行うということです。

 

施術のなかでは、Uさんに対して現状をしっかりと説明して理解を頂き、必ず出張に行けることを保証しました。

 

それによって不安やストレスは小さくなったと思われます。

 

また、Uさんにしてみれば実際に強い痛みがあって曲がらなかったことは事実です。

 

Uさんの痛みを理解してできるだけ脱力してもらい痛みがあるけどそれを我慢して関節をゆっくりとそして確実に動かしていくようにしました。その結果、頑張り屋さんのUさんは痛みに耐えて関節の角度を確実に広げることができました。

 

このように、患者さんの患部の構造を説明したり、痛みの仕組みを説明したり、行うべきことの理由を説明したりして、患者さんが納得できるようにコミュニケーションをとっていくことは、特にCRPSに陥っている患者さんには重要な事なのです(文献3)

 

当院では患者さんに対するこのようなかかわりを認知行動療法的なかかわりと呼んでいます。

 

結果として上記の①と②を解消できたために、Uさんの痛みはなくなり、関節角度も改善したと考えられます。

 

リハビリメモ⑤

 

Uさんからは以下のリンクにあるようなありがたいコメントも頂きました。

https://g.co/kgs/Tw45Bt

 

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当院のクチコミ

 

当院ではこれまで、どこに行っても良くならない多くの患者さんの施術を行ってきました。

 

それらの一部の患者さんからは、とてもありがたいクチコミコメントを頂いております。

 

カウンセリングをご検討の方は参考までにクチコミ内容をご確認ください。

 

 

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まとめ(おわりに)

 

今回のブログでは、

 

当院で改善した膝蓋骨骨折後に膝の関節拘縮に陥ってなかなか治らなかったUさんが、

 

当院の施術で改善したことを詳しく報告しました。

 

Uさんはどんな風に回復していくのか全くイメージできない状況のなかでストレスが高まり、CRPSという状態に陥ったためにリハビリが進まなかったと考えられました。

 

当院ではUさんにしっかりと説明を行い、かならなず治ることを保証して丁寧に可動域訓練を行いました。

 

その結果Uさんは、3か月後の海外出張に出掛けることができました。

 

当院には同じような症状でお悩みの患者さんをたくさん施術しています。お困りの方はご相談ください。

 

株式会社COCO 小川鍼灸整骨院

当院はJRおおさか東線衣摺加美北駅から徒歩4分です。

 

大阪市の平野区生野区東住吉区加美北、東大阪市の衣摺渋川町柏田、布施あたりの方で、骨折後の痛み、骨折後・手術後の関節拘縮にお困りの方はどうぞ小川鍼灸整骨院にご相談ください。

 

はり筋膜リリース整体と同時に認知行動療法を施術に応用していています。

 

小川鍼灸整骨院大阪市の南東、大阪市と東大阪市の境目、平野区加美北8丁目にある鍼灸整骨院です。   

 

最寄り駅はJRおおさか東線衣摺加美北駅(徒歩4分)です。地域で一番おすすめの整骨院、あなたにとっていちばん近くの整骨院を目指しています。

 

当院の患者さんは、平野区生野区、東住吉区、城東区、それに周辺の八尾市、東大阪市渋川町、寿町、衣摺にとどまらず、他府県からも来院されています。

 

当院の治療ポリシーと信頼性の確保

施術責任者:小川貴司(国家資格:柔道整復師/鍼灸師/あんまマッサージ指圧師/修士:医療人類学専攻)

臨床経験:30年以上・延べ15,000件以上の症例を担当

所属団体:全日本鍼灸学会・日本統合医療学会・日本心身医学会 会員

医療連携:整形外科・内科と提携して原因精査を実施

情報の正確性:学術論文および国内診療ガイドラインに準拠

 

参考文献

 

文献1 Zhao, Y., Li, Y., Zhang, J., & Wang, Y. (2022). Chronic pain after bone fracture: Current insights into underlying mechanisms and management. Frontiers in Pain Research, 3, 938759. https://doi.org/10.3389/fpain.2022.938759(PubMed Central ID: PMC9415634)

 

文献2 住谷 昌彦, 佐藤 公昭, 佐伯 覚, 橋本 淳, 平林 洋, ほか. (2010). 本邦におけるCRPSの判定指標. 日本ペインクリニック学会誌, 17(1), 95–103. https://doi.org/10.11351/jjspc.17.95

 

文献3 大住 倫弘. (2018). 難治性疼痛のリハビリテーション研究 ―疼痛教育と運動療法の臨床的意義―. 日本疼痛リハビリテーション学会誌 (JPTF), 10, 9–16. https://doi.org/10.11336/jptr.10.9

 

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